ふたり占め~イケメン双子に溺愛されています~

すずかけあおい

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◇◆◇◆◇


いつも通り藍流の生徒会の仕事が終わるのを流風と待っていたんだけど、流風も先生に呼ばれてひとりになってしまった。
スマホをぽちぽちいじりながらふたりを待つ。

そこにメッセージが届いてスマホがブルッと震える。
藍流か流風かなと思ったら違った。

空良そらだ…」

前の学校で仲良くしてくれていた佐合さわい空良からのメッセージだった。

『久しぶり。どうしてる?』

『元気だよ』と返す。
すぐにまたスマホが震える。

『可愛い子いた?』

可愛い子…うーん、今はもう興味ないかも。
前の学校では周りが可愛いって言ってる子に興味を持ったりもしたけど、今はそばにイケメン双子がいるし。
それに藍流も流風も結構嫉妬する人だから、俺がふたり以外を見たらどうなる事か…。
クラスメイトとちょっと雑談するだけで、ふたりとも面白くないって顔するし。

『興味ない』

正直に返す。
どうしてって聞かれるかな。

と思ってたらまたスマホが震えた。

『どうして?』

やっぱり。
どうしよう…言ったほうがいいかな。

続けてスマホが震える。

『まさか彼女できたの?』

どうしよう。
でも、空良なら男同士で付き合う事にも理解を示してくれそうだし、なにより中学からずっと一緒だった空良に嘘を吐きたくない。

『違う。彼氏』

言葉が足りないか。
続けてメッセージを入力する。

『彼氏がふたりできた』

そのままを伝える。
と。
すぐスマホが震えた。
メッセージじゃなくて着信。

「はい」
『どういう事!?』
「そのままだけど」
『なっ…彼氏って! 奏、男も大丈夫だったの!? しかもふたりってどういう事!?』

そうなるよな。
男も大丈夫なんじゃなくて、藍流と流風だから、なんだけど。

「うん、そのまま。彼氏がふたりできた。双子の兄弟」
『双子!? 彼氏って…なんで……だったら……………』

ぼそぼそなんか言ってて、あとのほうはうまく聞き取れなかった。
なんだろう。

『…会わせろ』
「え?」
『その双子の彼氏に会わせろ』
「いや、だって」
『次の日曜日にそっち行く。〇△駅で待ち合わせ』

〇△駅…俺の家の最寄り駅から一番近い賑やかな駅だ。
そういえば空良には新しい住所、教えてたっけ。

「急に言われても、ふたりの都合もあるし…」
『じゃあ都合のいい日聞いて。その日に合わせて行く』
「行くって…わざわざ? 来るの? 新幹線使って?」
『うん。行く』
「……ふたりに聞いてみる」
『また連絡する』

通話を終えてひとつ息を吐く。
どうしよう…って言っても空良は言い出したら聞かないからな。
しょうがない、ふたりに聞いてみよう。

「奏? どうしたの?」
「!」

声をかけられてびっくりして顔を上げると、藍流と流風が。

「……」

相談だけしてみようか。

「俺と流風に会いたい?」
「うん…」
「いいよ。な、流風?」
「うん」


ふたりともサラッとOKしてくれた。

「いいの?」
「うん。奏のお友達でしょ?」
「そう…前の学校で仲良くしてくれてて…中学から一緒だったんだけど」
「じゃあ俺達も会ってみたいし」

藍流も流風も優しい。

でも俺は心配。
空良、なに言うかわからないから。
普段は冷静に話ができるんだけど、頭に血が上ったり興奮したりするとかなり変な事を口走るとこあるし。
とんでもない事言われたらどうしよう。

「なにか心配?」

藍流が俺の顔を覗き込む。
なんとなく目を合わせられなくて藍流の赤いネクタイを見つめる。

「う…ん、ちょっと、ね」
「奏は会いたくないの?」

流風に聞かれて、悩む。
悩んじゃう時点で、もしかしたら会うのちょっと躊躇ってるのかも。
久しぶりだから会いたいには会いたいんだけど、でもほんとに変な事言われそうだからな…俺にじゃなくて藍流と流風に。
ふたりが嫌な気持ちになったら俺も嫌だし、断ったほうがいいのかな。

「俺と流風なら大丈夫だよ」

藍流が俺の頭をぽんぽんと撫でる。
赤ネクタイの次に流風の紺ネクタイを見て、それからふたりの顔を見る。

「うん…」
「奏が嫌なら会わないほうがいいし、会いたいなら会ったほうがいいんじゃない?」
「……」
「俺達の事より、奏はどうしたいの?」

藍流と流風の問いにちょっと悩む。

俺は…やっぱり会いたい。
久しぶりだし、元気にしてるかも気になるし。
せっかく来てくれるって言うなら、会いたい。

「会い、たい…」

口に出したらすっきりした。
こうやって俺の本音を優しく引き出してくれるとこ、好きだな。

「じゃあ三人で会おう? いつ?」
「次の日曜日って言ってたけど、ふたりの都合が悪ければ合わせるって」
「日曜日…なにかあったっけ」

ふたりがスマホでスケジュールを確認してる。

「俺は大丈夫。流風は?」
「俺も大丈夫。空いてる」
「じゃあ次の日曜日で返事しちゃってもいい?」
「うん」

ほんとに優しい。
ふたりに同時に頭をくしゃくしゃ撫でられて心がくすぐったい。
なんとなくふたりのネクタイをきゅっと軽く引っ張ったら、笑ってくれた。

その夜、お風呂を出て部屋に戻ったら空良からメッセージがきていた。

『どうだった?』

『次の日曜で大丈夫だって』と返信する。
すぐに通知音が鳴る。

『じゃあ昼間言った通り、〇△駅で待ち合わせ。十一時に』

『わかった』と返す。
ふたりは大丈夫だって言ってくれたけど、それでもやっぱり心配だから。

『ふたりに変な事言わないでね』

釘を刺す。
すると。

『変な事ってなに?』

あ、これ、なんか言う気だ。
なんて返そうかなと悩んだところで空良から着信。

「はい」
『変な事ってなに?』

すごくなにか含んだ口調。
なにを言うつもりなんだろう。

「変な事は変な事だよ。お願いだから冷静に話してね?」
『どうしようかな』
「やっぱなんか言う気でしょ」
『奏がキスしてくれたらなにも言わない』
「は!?」

どうしたんだ、空良。

「なにその冗談」
『冗談じゃないけど?』
「じゃあなに? そこまでしてなにか言いたいの?」
『まあ全部、日曜に会ったら、な』

そう言って一方的に通話が切られる。

「……」

冗談?
本気…ではないだろうし、て事はやっぱり冗談か。
こんな笑えない冗談言われたなんて、藍流と流風には絶対言えない。

無事に日曜日が終わりますように。
ていうか土曜日の次は月曜日になっててくれないかな。
日曜日すっ飛ばして欲しいな…。


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