《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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一章 契約と回帰

四十一話

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街の外れにある放置された教会は、夕暮れの中で不気味に佇んでいた。
ひび割れた石壁、崩れかけた尖塔。人の気配はなく、風が壊れた扉をきしませる音だけが響いている。

「……ここか」

ソラは一度、深く息を吸った。
胸当ての内側で、心臓が早鐘のように鳴っている。

『この先は覚悟しろ、ソラ』

肩掛けのカバンの中から、クロの低い声が聞こえる。

「分かってる。でも……行くしかない」

ソラは教会の扉を押し開けた。

中は薄暗く、割れたステンドグラスから差し込む光が床に色を落としている。その中央、崩れた祭壇の前に、見覚えのある三人の不良生徒が立っていた。そしてその奥、柱に縛られ口を塞がれたボッケ、リン、ファラ、マルコの姿があった。

「……来たな」

不良の一人が、歪んだ笑みを浮かべる。

「やっぱり来ると思ったぜ。仲間思いの優等生さんよ」

ソラは不良に話す。

「みんなを離せ。今すぐだ」

「命令してんじゃねえよ」

別の不良が一歩前に出る。

「俺たちはな、全部お前のせいで恥かいたんだ。ダンジョンでも、学校でもな」

「……それで、こんなことしていい理由になるのか」

ソラの声は震えていたが、逃げなかった。

「黙れ!」

不良が地面を蹴り、スキルを発動させる。筋肉が盛り上がり、拳が振り下ろされる。

ソラは反射的に後ろへ跳び、衝撃をかわすが床の石が砕け破片が飛び散った。

ソラは魔力を体に巡らせる。
以前よりも、ずっとスムーズに流れるような感覚だ。

一人目が再び突進してくる。
ソラは真正面から受けず横に流し、拳で顎を打ち抜いた。

「がっ……!」

完全には倒れない。だが、確実に効いている。

「調子に乗るなよ!」

後方から、別の不良が石片を投げつけてくる。即席の遠距離攻撃だ。

ソラはその石片を横にかわし体制を直ぐ整えると同時に地面を蹴った。
距離を一気に詰め、1人の不良の腹目掛けてパンチする。

「ぐはっ……!」

倒れた不良を見て、最後の一人が顔を引きつらせる。

「な、なんだよ……想定と違うじゃねえか……!」

ソラは静かに言った。

「友達を…仲間を傷つける奴は、絶対に許さない!」

魔力を足に集中させ、一気に踏み込む。
拳が腹に突き刺さり、不良は吹き飛んで壁に叩きつけられた。

教会に、重たい沈黙が落ちる。

ソラは呼吸を整え、縛られているボッケたちに駆け寄ろうとした、その時だった。

――ガラン。

背後の扉が軋む音と同時に、誰かが崩れ落ちるように教会へ転がり込んできた。

「っ、ソラ……!」

声の主はカジトだった。顔色は土気色で、服は裂け、足取りは今にも倒れそうにふらついている。それでも必死に立ち上がり、ソラの方へ数歩進んだ。

「来るな……いや、もう遅い……ここには、あいつが……!」

「カジト、何が――」

その言葉が終わるより早く、クロが低く唸った。

『ソラ!横に飛べ!』

クロの言葉に反射的にソラが横に飛ぶ。次の瞬間、天井の梁から“何か”が落ちた。風を切る音、そして地面を叩く重い衝撃。

土埃が舞い上がる中、ゆっくりと立ち上がった男がいた。

大柄な体躯。無骨な外套。顔には余裕の笑み。――ゴーマン。

「はは……さすがだな。ガキどもだけで終わるとは、俺も思っちゃいねぇ」

ゴーマンの視線が、倒れた不良生徒たちを一瞥し、次にソラへと据えられる。その瞬間、空気が変わった。重く、粘つくような圧。教会全体が息を潜めたかのようだった。

「お前がソラか。ガキどもから話は聞いてるぜ。学校の問題児で、妙に鼻の利くガキだとな」

ソラは一歩下がり、体勢を低くする。剣には手を伸ばさない。拳を握り足裏に意識を集中させる。

『…いいか、ソラ。こいつは今までの相手と違う。真正面から力比べはするな』

ゴーマンは肩をすくめ、次の瞬間、消えた。

否――“踏み込んだ”。

視界が歪むほどの速度で、ゴーマンの拳が迫る。ソラは咄嗟に横へ跳ぶ。床石が砕け、破片が飛び散った。

「ははっ! 避けたか!」

ソラは着地と同時に距離を取り、呼吸を整える。心臓がうるさいほど鳴っている。だが、恐怖に呑まれない。備えろ――クロの言葉が、頭の奥で支えになっていた。

「クロ……」

『全力を出せ、ソラ。目の前のあいつは、気を抜きながら戦うには強すぎる…』

ソラは拳を構え直す。怖いと思う感情が心臓の鼓動をより早くする――それでも、ここで引くわけにはいかなかった。

背後には、仲間がいる。

そして、目の前には、越えなければならない“壁”が立っていた。
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