《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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二章 黒曜麒麟

101話

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黒曜麒麟が、誇り高い姿のまま静かに崩れ落ちた直後。

ソラ達は勝利を噛み締める間もなく、
一斉に走り出していた。

向かう先は一つ。

吹き飛ばされた――
ボッケとセレンの元だ。

「ボッケ! セレン!!」

ソラが叫びながら駆け寄る。

あの突進。
正面から受ければ、即死していてもおかしくない威力。

嫌な想像が、脳裏をよぎる。

だが――

動かないが、
確かに、2人はそこに“生きて”横たわっていた。

「……生きてる」

誰かが、安堵の声を漏らす。

セレンはボッケに抱きかかえられるように守られ、
ボッケ自身もまた、彼女を包み込むようにして倒れていた。

リンがすぐに2人の状況を確認する。

「呼吸あります……! 二人とも……!」

全員が同時に深く息を吐いた。

後から分かったことだが――
ボッケは衝突の瞬間、セレンを守るために
強く抱きしめすぎなかった。

衝撃を受け止めようとせず、
“包むように”抱いたことで、余計な力が加わらなかったのだ。

その結果、
二人は致命的なダメージを受けることなく、
衝撃の向きに吹き飛ばされただけで済んだ。

それでも、衝撃が小さかったわけではない。

気を失っているのは、その証拠だった。

「……本当に、ギリギリだったな」

ソラは、ボッケのボロボロになった防具を見て呟く。

そのとき――

「……皆さん。よくやりましたね」

足取りがおぼつかないまま、
ハーデンが階段の入口付近から歩いてきた。

まだ全身に痺れが残っているのか、
片脚を引きずるような歩き方だ。

「ハーデン先生!」

ソラは振り返り、深く頭を下げた。

「……ありがとうございました。
最後、あの瞬間――
先生が黒曜麒麟の脚を固めてくれたから、俺は……」

言葉を選びきれず、
ソラはただ、感謝を込めて言う。

「本当に、ありがとうございました」

ハーデンは少し驚いたような顔をした後、
困ったように小さく笑った。

「礼を言われるほどのことではありませんよ」

そう前置きしてから、静かに続ける。

「皆さんが、それぞれの役割を果たした結果です。
誰か一人でも欠けていたら……
まあ、ここで言っても仕方ありませんね」

ハーデンは、倒れた黒曜麒麟の方を一度だけ振り返った。

そして、穏やかに言った。

「まずはダンジョンから帰りましょう。
角をユナさんの母君に渡さねばなりません」

ユナが、はっと顔を上げる。

「……はい」

「喜びも、達成感も」

ハーデンは続ける。

「まずは体を回復させてからです。
今は、無事に帰ることを最優先にしましょう」

その言葉に、ソラ達は自然と背筋を伸ばした。

「「はい!!」」

全員の声が、重なった。

黒曜麒麟という強敵を打ち倒した戦いは、
こうして静かに幕を閉じた。
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