《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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二章 黒曜麒麟

103話

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それから、三日。

ユナの屋敷では、
静かで、しかし確かな変化が起きていた。

病床に伏していたソフィアの容態が、
目に見えて改善していったのだ。

初めて会った日。

彼女は、
ほんの少し体を起こすのがやっとだった。

それが今では――

ベッドの上で、
自力で上半身を起こせるまでに回復していた。

ほんの僅かな変化。

だが、
病に蝕まれ、死へと向かっていた身からすれば――

それは、
紛れもない“奇跡”だった。

「……本当に……ありがとう……」

ソフィアは、
震える声でそう言い、

何度も、何度も頭を下げた。

ユナやソラに……
この奇跡を掴み取ってくれた、全員に。

ソラ達は慌てて手を振る。

「早く元気になってください」
「それが一番です」

笑顔でそう返すたび、
ソフィアの目には涙が浮かんだ。

感謝と安堵と、
そしてこの先も生きられるという
希望の涙だった。

なお――カイト達のパーティは、
すでにセイカイの街を発っていた。

ダンジョンでの失態
ガリオンから突きつけられた現実

それらを前に、
これ以上この街に留まれる自信はなかった。

「……シーカーとして生きていいける自信がない」

誰かがそう呟き、
彼らは自ら汽車に乗り込んだ。

ソラ達の顔を見ることもなく。

自分達の街へと、
逃げるように帰っていった。


その日の夕方。

屋敷の外から――

ドンッ!

と、腹の底に響くような大きな音が鳴り渡った。

「……なんだ!?」

反射的にソラ達は部屋を飛び出す。

いきなり大音量ということもあり、
全員が一瞬、身構えた。

だが――

屋敷の使用人達は、慌てるどころか
ソラ達の様子を見て一瞬きょとんとし、
次の瞬間、何かに気づいたように顔を見合わせた。

「ああ……」

そして、くすくすと笑い始める。

「驚かせてしまってすみません。
今の音は花火ですよ」

「花火……?」

聞き慣れない言葉に、ソラが首を傾げる。

使用人は頷きながら説明を続けた。

「今日の夜から、この街ではお祭りが始まるんです。
今のはその先ぶれのようなものでして。
本番はもっと綺麗な景色が見られますので、
もしよろしければ、
皆様も見に行かれては如何ですか?」

なるほどと、ソラ達は顔を見合わせた。

ダンジョンでの死闘から解放され、
ようやく一息つける時間。

「……行くか?」

ソラがそう言うと、自然と皆の顔が緩む。

だが、全員が行けるわけではなかった。

まず、マルコとハーデン。

「嬉しい誘いではあるが」

マルコが申し訳なさそうに言う。

「生憎と水の魔神を使った影響で、長時間立っているのが少し辛くてね。今回は断腸の思いで断らせてもらうよ」

ハーデンも苦笑しながら肩をすくめた。

「私も同じですね。
無理をすれば行けますが……今夜は大人しくしておきましょう」

次にボッケ。

彼は黒曜麒麟に吹き飛ばされた際の衝撃が原因で、
屋敷に戻った日に医者からこう告げられていた。

――一週間は、絶対安静に。

当然、祭りどころではない。

「すまない」

そう軽く言って祭りの不参加を示す。

そしてセレン。彼女はというと――

「私も残ります」

迷いなく、そう言った。

屋敷に戻ってからというもの、
セレンは寝る時以外、ほとんどボッケの側を離れていない。

着替え、食事、傷の手当てなど。

ボッケはその度に
必要ない
一人でできる
と断っているのだが、

「ダメです」

セレンの笑顔の一言で、すべて押し切られていた。

半ば、強引に看病されている状態である。

そんな様子を思い出し、ソラ達は苦笑した。

「じゃあ……」

自然と、参加する顔ぶれは決まった。

ソラ
ユナ
リン
ファラ
テナ

の5人が祭りに行くことになった。

命を賭けた戦いを終えた仲間達で
楽しい時間を過ごす。

「……たまには、こういうのもいいよな」

ソラのその言葉に、皆が静かに頷いた。

夜の街へ――

祭りの灯りが、彼らを待っていた。
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