根雪の証

宮内

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 夜会が終わり家を着くと、すっかり夜半を過ぎていた。
夫の着替えの手伝い彼が風呂に向かっている間に自分の着替えを行う。
既に用意されていた晩酌を彼の風呂上がりに合わせて配膳し、許可を得て自分も湯浴み向かう。
 
湯浴みを終えて、部屋に戻ると夫がすでに部屋にいた。
彼を起こさぬように静かにベッドに入り目を閉じる。
 
目を閉じれば、今日ご婦人方の話が浮かんでくる。
夫の思い人。

夫の思い人は、今は没落した華族のご令嬢。
姉の一つ年上で人目を引く美人で快活だったと聞く。
 
その人といる時は、彼は笑ったりするのだろうかとふと考えた時、後ろで寝ていたはずの夫が私を抱き寄せる。
 
そして何も言わずに着たばかりの寝間着を剥ぎ取り、私に覆い被さる。
言葉がないのはいつものことだが、今日は有無を言わせぬほどの力と強引さで私に陥る。

性急で強引な手つきに私は痛みに思わず声を漏らす。
その声をどう捉えたのか彼は私の唇を塞ぎより激しく私に打ち付ける。
私は息も絶え絶えになりながらことが終わるのを待つ。
 
夫は達したと思ったのにさらに私を責め立て行為は続く。

私は歯を食いしばれば舌を噛みそうなほど揺さぶられ、小さく悲鳴が漏れ出る。
 
漏れるたびに口を塞がれ、私は息もまともにできず意識をつなぎとめているのが精いっぱいとなる。

それからさらに二度達した夫は私をようやく離し、いつものようにベッド横でタバコをくぐらせた。
 
私ははぎ取られた服を手繰り寄せる気力も力も残っておらず、恥ずかしさをも手放してベッド蹲る。
 
彼は何を思って誰を思って私を抱いているだろう。
痛みと倦怠で薄れる記憶の中、部屋に漂うたばこの煙に私はそんなことを考えていた。
 
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