貸本屋七本三八の譚めぐり

茶柱まちこ

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十一月『羅刹女』

その二

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【注意】内容に『グロテスクな表現』『嘔吐表現』を含みます。

―――――

 今でこそ『本』、とくに『術本』の技術が持て囃されるこの大陽本だが、それ以前からこの大陽本には数多の技術というものが存在する。殊更、諸外国の脅威にさらされる今のご時世では、古来より無類を誇ってきた武術というものも、『本』に勝るとまではさすがにいかないが、持て囃されているのだ。
 あらゆる防御も打ち砕く槍術・加峯かぶ家――
 千里先の的を射貫く弓術・鷲尾家――
 己が身一つで戦場を制する柔術・夏目家――
 神速を誇る居合術・鍔倉家――。
 それらの歴史の始まりは、戦国時代以前まで遡ると言われる。この四家は、大陽本の中でも特に輝かしい繁栄を遂げてきた武闘派一族である。
 私が生まれ育った鍔倉家は、雪深い越午えちごの山にあった。敵に塩を送るという故事成語の元ともなったかの有名な武将も、実は鍔倉の居合剣術の使い手だったという逸話があるが、真偽はさておいてそんな逸話が生まれるくらいには名高い家柄だ。明慈に入り廃刀令が布かれた今も尚、その剣術は脈々と受け継がれ、大陽本陸軍や帝国司書隊においてもその活躍を見せていた。
 大きな声では言えなかったが、この繁栄が良いことかと問われれば、私はそうとは思えなかった。いや、繁栄すること自体はいい。鍔倉家に生まれ育った者として喜ばしく思う。しかし、時代遅れなのだ。歴史の変容に対応しているとは思えない。今の時代は良きにつけ悪しきにつけ、『本』というものが目につくような時代だ。幼少から書物や新聞などの文字を読み漁ってきて、『本』について目にしなかったことはない。そんな情勢の中、この家は一体いつまで剣にしがみついているのだろう、と、子供ながらに首を傾げていたのだ。
 ――もし、この国の誰もが刀を持たない時代が来たら。外国との戦が終わり、平和な世界が築かれたのなら、この家はどうなるのだろう?
 一度だけ、私は軽骨者のふりをして、家人けにんたちの前でぽつんと漏らしてみたことがある。反応は様々だ。
 鍔倉の繁栄を疑うのかと睨む者。
 無垢な子供の戯言だと茶化す者。
 私を変な子供だと訝る者。
 大体はこの三通りに分類できるが、ここにはある共通点がある。
 戦のない世界、平和な国など、この世には実現し得ないと、皆が皆思い込んでいるのだ。それはつまり、戦において肝要とされてきた鍔倉家の剣術が廃れる日がいつか来るかもしれない――という懸念を、誰一人として抱いていないのである。
 それは、私の弟たちや妹においても同じであった。

しゅう兄様は妙なことを仰る」
「きっと皮肉だろう、自分は上手く刀を振れないから」
「勉強できることを鼻にかけているんだ」

 子供である分、大人たちがあえて口を噤んでいたことについても、彼らは正直だった。別に私は、その言葉に傷ついたから慰めてくれと言っているわけではない。仲間はずれにされたとか嫌がらせをされたとか、疎まれたとか、そんなことは一切なく、至って普通の兄弟関係であったのだ。私が言いたいのは、先述したような懸念なき家人たちへの懸念だ。
 つまるところ『鍔倉が滅ぶ、あるいは滅ぼされるかもしれない』と懸念していた私の予感は、私が十八歳のときに的中した。けれど、私が懸念していたから何か変化が起きた、というわけでもなかった。周囲よりも聡いと自惚れていた私も、結局は家人たちと大差なかったのだ。
 愚かであるどころか、愚にもつかない。時代の荒波は鍔倉の家ごと、私の懸念も軽々と飛び越えて、飲み込んだのである。


 *****


 私には三人の弟の他に、妹が一人いた。真央まおという名前で私より一つ年下、私と一番年の近い兄妹だ。
 真央は女性でありながら、弟たちにも引けを取らない剣術の使い手であった。彼女は腕力の差を技と速さで補い、男たちを難なく相手取るのである。『男として生まれていれば、間違いなく次期当主として推薦されていただろうに』と口を滑らせた親族を『ならば女当主となって貴方を尻に敷いて差し上げましょう』と笑顔で黙らせ、初見で『なんだ、女相手じゃ話にならん』と言い捨てた対戦相手を『貴方のような男が相手では話になりませんね』と完膚なきまでに打ちのめすなど、肝も据わっている。
 私と真央は静と動、あるいは陰と陽――すなわち、性質が真逆なのである。剣を早々に捨て勉学に逃げた私と違い(自分を卑下する意図はない)、性差に屈することなく男と対等に渡り合っていた真央に、私は常日頃から憧憬しょうけいの念を抱いていた。
 それでも、真央は私ほど割り切ってはいなかったようで、女性であることを馬鹿にしてきた相手を打ちのめしてきた後は、決まって私のもとへ訪れていた。

「どいつもこいつもあちらこちらで女が女がって。なによ、たまたま男として生まれてきただけの分際で、でかいツラなんかしちゃって」

 今度また言ってきたらひねり潰してやる、などと物騒なことを言いつつ、真央はよく私の机に顔を伏せていた。時折鼻をすする音がするが、私は慰めはしなかった。余計な慰めは却って真央を怒らせることになると分かっていたからだ。それが功を奏したのかは定かでないが、真央は

「兄様だけよ。私を女だって馬鹿にしないのは」

 と私に言ってきた。

「別に、馬鹿にする理由がない。お前は強いし、才能は誰よりある。それだけのことだ」
「そう、そうよ。兄様のように分かってくださる殿方の少ないこと少ないこと。わざわざ思い知らせて差し上げなければならないなんて、面倒なことこの上ない」

 正直、真央をみくびる男は総じて馬鹿だと私は思う。女だと思って油断してしまう心理は分からないでもないが、女である以前に、真央には剣にかけては轟くような名声があったのだ。それを知っているにもかかわらず、名声の主が女だと見るや舐めてかかって、鼻を曲げた【※】真央にのされる男の多いこと。過去には女性が武功をあげたという記録も存在するというのに、なおもこの様とは愚の骨頂としか言いようがない。

「止めはしないが、加減はしてやれよ。お前の場合、勢い余って人を殺しかねん」
「世が世でしたらお庭の椿のように斬って差し上げたところですわ」
「そういうところだ、お前の欠点は」

 真央も真央で血の気が多いのが困る。偏見と真正面から戦ってきた彼女なのだから、この性格になるのも必然なのだが、笑いながら笑えない冗談を言っているのを見ると、いつか本当に人を殺すんじゃないかと私は肝を冷やしていた。

「あぁ、あぁ、兄様のように聡い殿方はいないのかしら。いっそ兄様と結婚してしまおうかしら」
「実の兄に向かって何を言っているんだ、お前は。そんな婚姻関係が成立するわけないだろう」
「冗談に決まっているでしょう。本気にしないでよ」

 真央はそう言っていたが、何度も同じ冗談を同じ口から聞けば、兄として心配になるというものだ。私のような男を求めて選り好みしすぎるあまり、良い縁談に巡り会えず嫁に行けないのではないかと危惧してしまうし、仮に行けたところで嫁いだ家のほうが彼女に手を焼かないかと心配になる。しかし、それでも真央は私の妹であった。目に入れても痛くないと思えるくらいに溺愛していたし、なにより彼女の強さや威勢の良さは、私の自慢とするところであった。
 しかし真央は、それに同調してしまったのだ。性別も、剣の腕も、気性も、私が好ましく思っていた彼女のなにもかもが、にとっては申し分ない素質になってしまった。


 山に雪が降り積もったある日、外に出かけていた私は二人の従者と共に家の門をくぐった。その時の不快な静寂は、今でも思い出せる。稽古の声も、木刀の音も、足運びの音もしない。廊下を歩く、誰かと話す、飯を作る、などといったごく自然な生活音もしない。これだけならまだ不思議の範囲で収まっていたところだが、私の嗅覚は聴覚よりも遥かに強い警鐘を鳴らしていた。錆びた鉄のような、猛烈な匂いがするのである。従者もそれを察知して私を後ろに庇うや、様子を見てくると片方が家の中に入っていった。――くぐもった悲鳴が聞こえたのは、僅か数十秒後のことである。何事かともう一人の従者も後を追っていく。
 取り残された私は、予期せぬ事態に固まるばかりであったが、そこへ不意に、私の足に何かが触れた。驚いて足をどければ、それはまだ落ちたばかりであろう椿の花首であった。

「……?」

 私は違和感を覚えた。私の足元に落ちた椿は、花びらを盛大に散らしていた。長らく見てきた、花首ごと綺麗に落ちるような散り方と、まるで違うのである。
私がそうしている間にも、二つ目の断末魔が響いた。途端、私の傍で咲いていた生垣の椿が一輪、唐突に落ちた。やはり、花びらがバラバラに散っている。私は嫌な予感と共に、周囲を見渡した。

「――!!」

 そして、息をのんだ。庭の生垣に椿は一輪もなく、元々そこで咲いていたであろう椿の花が、雪の上に横たわっているのである。綺麗に花首から落ちたものもあったが、足元のもののように花びらを派手に散らしたものも多く――私の体中で響き渡る警鐘がいよいよ最高潮のけたたましさに達した。

「……兄様?」
「ッ!?」

 聞き覚えのある掠れた女の声が、私を呼んだ。私を兄様と呼ぶ女など一人しかいないから、声の主もすぐに分かった。

「真央……? 真央!!」

私は凍りついた足を無理やり動かし、真央の声を辿る。

「うっ!?」

 家の中に足を踏み入れると、あちこちに死体が転がっていた。見慣れた家の風景が、地獄絵図と化していた。どこを見ても視界には赤い色がつきまとい、足元にはかろうじて人の形をした肉塊があり、それを踏まないように気をつけていればまっすぐ歩くことは叶わない。今となっては邪魔くさい岩々も同然と化しているそれは、おそらく数分前までは息をして歩いていたのであろうことを、噎せ返るような鉄の匂いが教えてくる。
 生々しい光景に吐き気を催しながら、それでも私は真央のもとへ行こうとした。この死体の山の中で真央がまだ息をしているのならば、彼女を助け出さねばなるまいと思った。たとえ私が何者かに無残に葬られたとしても、妹だけは助け出そうとしたのだ。

「真央、真央! どこだ!?」

 変わり果てた家人たちの顔を一つ一つ確認しながら、私は真央を探した。家人たちは、誰一人息をしていない。警護役も、門下生も、女中も、父母も祖父母も、私の弟たちに至るまで、老若男女の区別なく、全員が息の根を断たれていた。

「真央、返事をしてくれ! 真央!」

 このまま返事がなかったら、私は折れてしまうと思った。しかし、返事はあった。確かにあった。――私のすぐ背後に、あった。

「兄様」

 はっきりと型どられた声に、私は振り返った。

「……真央?」

 先ほどの苦しそうに掠れた真央の声が、頭からするりと抜け落ちた。いや、実際真央の声は今も掠れているのだけど、そこに立っていた真央は、私の想像した姿とまるで違っていた。
 赤にまみれた光景の中、私の目に鮮烈に飛び込んできたのは純白であった。真央はなぜか、血で濡れた純白の花嫁衣装を着ていたのである。着ていたと言うよりは、ただ羽織っていたというべきか。普段の着物の上からただ、白い衣装を羽織っていた。

「お前……」

 無事だったか、とは言えなかった。真っ先に妹にかけるべき言葉は、その手に握られた刀と、なにより彼女の浮かべた笑みを見れば、出るはずもなかった。

「お前が、やったのか……?」

 勿論、私とてそうは思いたくなかったけれど、そうとしか考えられなかった。純白の衣装と刀に染み付いた、拭えるとは思えないおびただしい赤色が告げていた。

「ふふ、ふふふ。兄様、聞いて」

 私の問いかけに対し、そんな些事はどうでもいいとでもいうように、真央は嬉々としていつものように私に話しかけてくる。

「私、生まれて初めて人を斬ったの。凄いわ、刀をしっかり握っていると斬っている感触が伝わってくるの。人の肉や骨なんて、触るとあんなに分厚いのに! それがするっと紙でも切るように斬れるのよ。人を斬るってこんな感じだったのね、病みつきになるわ」

 真央のこんな顔は、いつぶりだろうか。小さい頃に遊んでやっていた時にはよく目にしていた類の笑顔だった。惨劇としか言いようのないこの状況において、あまりにも不釣り合いであった。

「兄様も斬ってみない? 兄様を馬鹿にした奴らは、皆斬ってしまえばいいのよ。ほら、兄様をいつも馬鹿にしていた奴は残しておいたの。毎日やってきては勉強しか能のない弱者って言ってくるから、ムカついてたんでしょう?」

 そう言って彼女は骸の山から――さながら玩具箱の中からブリキの汽車でも引っ張り出すかのように――死体を一つ、ずるりと引きずり出した。

「って、あら? もう死んじゃってるの? いやだわ、加減を間違えたのね。いつも兄様に注意されていたのに。駄目ね、私ったら」

 肉塊と化した他の死体と違い、人に一番近い形を留めていたその死体の顔は、確かに私が鬱陶しく思っていた人物の顔であった。真央はそれをゴミ同然にぽいっと捨てた。誰のものかも判別しようがない血で濡れていたその死体は、見る限り首だけが斬られていた。刃は深いところまで到達しており、試し斬りされたあとの竹のように鋭く断ち切られ、なめらかな骨の断面を覗かせている。
 居合を極めた者でなければできない芸当――それが、目の前の女が鍔倉真央に似た誰かではなく、紛うことなき私の妹・真央であることを証明していた。

「う……ッ! おえぇッ……!」

 堪えきれず嘔吐しながら、私は確信した。いや、確信したから嘔吐した。この死体の山を作り上げたのは、間違いなく目の前にいる真央だ。真央でないと証明できる、弁明できる要素は、何一つない。

「兄様、どうしたの? あぁ、驚かれたのね、仕方がないわ。いきなり死体の山を見せてしまったものだしね。よしよし」

 真央が伸ばしてきた手を、私はほとんど反射的に払った。今にしてみれば本能的な拒絶反応だったけれど、しかし私はこの時、とんでもないことをしてしまった気がした。

「兄、様……?」

はっと見上げたその顔に、私は血の気が引いた。

「兄、様……兄様、兄様」

 真央はじわりと涙を滲ませて、溢れさせて――

「に、にいさまぁ……! どうして、どうして、私の手、叩いたの……? にいさま、にいさまぁ!」

 大声で泣いた。喧嘩した子供が喚くように、わんわん泣き始めた。私はその様子に少なからず動揺していたが、当然、この惨たらしい精神状態では妹を慰めることも、まして謝ることもできはしない。真央はさらに勢いを増して泣いた。

「兄様なら分かってくれると思ったのに! 兄様のこと大好きだったのに! 兄様なんか大っ嫌い! 嫌い嫌い嫌い!」

 私は、一目散に逃げ出した。早く逃げなければ、殺されると思ったからだ。妹を落ち着かせてやろうとか、きちんと話し合おうとか、そんなことを考えられるわけがなかった。妹の機嫌よりも、自分の命の方が惜しかったのだ。真央が大泣きしている間に、私は少しでも彼女から距離をとることを選んだ。死体に足をひっかけ無様に転げても、すぐに起き上がって、ただただ逃げた。
 やっとのことで建物から這い出し、落ちた庭の椿をめちゃくちゃに踏みながら、開いたままの門を走り抜けた。妹の泣き声は次第に遠くなっていった。私を突き動かしていた恐怖心は、泣き声が聞こえなくなっても消えることはなかった。逃げる脚と振られる腕、それらを全力で回しても余りあった動力源は、ついに私を狂わせた。

「はは、はははッ……」

 この時の私は、まともなことを一つたりとも考えていなかった。どこへ行けばいいとか、これからどうしようとか、そんなことを考える余裕さえなかった。凍った枝に引っ掛けて皮膚が切れていることにさえ気づかなかった。――ただ、心と体と思考の全領域を埋めつくした恐怖心だけで活動していた。

「ははははっ……! あ、ははははっ!」

 私は体力の全てを使い切るまで走り続けた。雪をかき分け、山を転がるように降り、どこかの小川を飛び越えて、いくつかの茅葺き屋根を見かけて――それから先のことは、覚えていない。







【※注釈】
鼻を曲げる…「不機嫌になる」「機嫌を悪くする」という意味を指す越午(現在の新潟県)の方言。
≒へそを曲げる、つむじを曲げる
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