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旅立ち~オードゥス出立まで
ダンジョンに入って22時間
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ダンジョンに入って22時間。
下層手前で即席の休憩所を作ったノアは早速調理を開始する。
「あ、それがさっき言ってたキッチン?」
「はい、そうです。」
「え?それが?ただの黒い箱にしか見えないが…」
事前に話を聞いてないとこの箱がキッチンだとは誰も思わないだろう。
ノアが黒い箱に"オープン"と唱えると光が走りガチャガチャと音を立て展開されていく。
「「「「おおー。」」」」
「今晩はノア様、魔力残量は残り6割です。」
「「「「うわー喋ったー。」」」」
ノアが展開が終わったキッチン内に入り指示を出す。
「とりあえず僕の全身にクリーン掛けて、あと解体するから幅広目にまな板展開出来るかな?」
「全身にクリーン掛けますね。
解体対象をまな板に出して下さい、対象に合わせてまな板のサイズを調節します。」
キッチンにそう言われ、アイテムボックスからズルリと頭部が無い毒大蛇を取り出す。
「おお…でかいですね…」
「え?見えてるの?まだ置いてないんだけど。」
「あ、申し訳ありません置いて下さい。」
妙に人間臭いキッチンに促され毒大蛇をまな板上に置いていくが流石に長いのではみ出してしまうが仕方ないだろう。
ノアは太腿から刺突武器を取り出しクリーンを掛けた後、毒大蛇の背骨に沿って縦に切れ目を入れ、開いていく。
身に指が食い込む程押さえ付け、首の根元から徐々に皮を剥いでいく。
「血が出るから床に垂れない様に排水頼むよ。」
「畏まりました。
皮を剥いだ所からクリーン掛けますか?」
「あぁ、お願いします。」
尻尾の先まで皮を剥ぎ、内蔵を取り出す。
この個体が何も食べてなくて良かった、と心の中で少し安堵する。
ちなみにこの時剥がした皮や内蔵はアイテムボックスに仕舞う。
クリーン完了を待つ間ノアはキッチン手を付け魔力を流す。
「クリーン完了しました。」
「ありがとう。これから骨を外すから外した所からどんどんクリーン掛けていって。」
「畏まりました。」
そこからノアは首から尻尾の方まで骨を毟っていく。この骨もアイテムボックスへ。
「身の方は普通の蛇とあまり変わらないんだな。」
「その様ですね。」
「フライパン1つ中火で温めて貰えるかな?」
「畏まりました。」
フライパンが温まるまでの間毒大蛇の身をどんどん切っていく。
「もうよろしいかと。」
「ああ、ありがとう。」
アイテムボックスから塩コショウと獣脂を取り出し一欠片入れて蛇肉を焼き、一振程塩コショウをぱらり。
ぢゅううぅぅぅっ! パチッパチッ!
「ノア君手際良いね。」
「料理は昔からやってたからね。」
「今は何してるんだい?」
「とりあえずまず焼いてみて味をみようかなってね。
あ、大鍋に水を張って下さい、量は大鍋の半分程で。」
「畏まりました。」
台からニュッと大鍋が出て来て水が張られていく。
「皆さんはキノコ大丈夫ですか?」
「普通だ。」
「イケる口だよ。」
「大好きだよ。」
「大好物だぜ少年。」
大丈夫との事なので使っていきましょう。
アイテムボックスから乾燥出汁とあれからまた増えていた無限キノコを10個程取り出し柄と傘に分けてどんどん切っていく。
スッタンタンタンタンタンタンタンタンタン
「大鍋中火に掛けて下さい。」
「畏まりました。」
フライパンを振ってじっくり焼いている蛇肉をひっくり返す。
そして追加で塩コショウをぱらり。
程よくきつね色になった蛇肉を見てポーラがそわそわしだす。
「始め蛇肉を食べるって言った時どうかと思ったけどこりゃ堪らん…」
他の3人も同様に焼かれる蛇肉に釘付けの様だ。
切り終わった無限キノコと乾燥出汁を大鍋に投入、<調理時間短縮>を発動しあっという間にコトコトと煮込まれていく。
「そろそろ良いかな、皿を一枚。」
「はい、どうぞ。」
両面綺麗なきつね色に焼かれた蛇肉を皿に上げる。
「フライパンをクリーンして、フォーク貰えますか?」
「了解しました。こちらをどうぞ。」
フォークを手に取ったノアは大振りに切り、口へ運ぶ。
ホクッ ムグムグムグッ… ゴクン
ノアの反応を食い入る様に見る一同。
これで異変があったりでもしたら皆は食べられないのだから。
「うん、美味しい、<毒耐性>も発動してませんし皆が食べても大丈夫でしょう。
フォークを追加で4本取り出して下さい、他の料理が出来るまで少し摘まんでて下さい。」
ノアから食べても大丈夫と太鼓判を押された事で食べ始める一同。
「んん!?美味っ!」
「うわー焼いただけなのに美味しー!」
「んめぇ!」
「ふもも!?」
中々好評の様なのであと2枚程焼こう。
ちなみにただ焼いて塩コショウで味付けしただけだが毒耐性(中)と受け流し効果(小)、食欲増進の食事効果が発動していた。
「フライパンをもう1つ温めて下さい。」
ノアはフライパンに蛇肉を乗せ、再び焼き始める。
更に一口大に切った蛇肉を次々と大鍋に投入、<調理時間短縮>でトロトロになるまで煮込まれる。
ノアは匙を取り出しスープを一口。
「うん、こっちもこんなものかな、深皿4枚とお玉頂戴。」
「はい、どうぞ。」
ノアは深皿に蛇肉を4つずつ盛り、上からスープを掛ける。
既に蛇肉のステーキはペロリと食べきられており、スープを今か今かと待ちわびていた様で、受け取ると直ぐ様蛇肉を頬張る。
余程美味かったのか、いつも冷静なポーラが床をバシバシと叩いている。
他3人もただただ無言で食べ続けている。
キッチンに戻ったノアは大鍋を一旦端に避け、フライパンを取り出し、下層に行く前に食べる分の蛇肉のステーキをどんどん焼いていく。
火に掛けている間に深皿にスープを次々寄せていく。
最終的に8皿分になったので1皿だけ残し残りはアイテムボックスへ。
ステーキを焼く合間にスープを頂く。
ズズズッ… 「うわ、何だこりゃ。」
ノアが驚いたのも無理は無い、食事効果が5個も付いていたからだ。
食事効果:毒耐性(中)、受け流し効果(中)、食欲増進、体力、自然治癒力継続回復(大)、防御力上昇(小)
皆の方を見ると体力、自然治癒力継続回復(大)の効果なのか体が淡く光っていた。
「はい、追加のステーキ2皿ですどうぞ。」
食欲増進の効果なのか皆の食欲が全く落ちないのでアイテムボックスを開き、煮込みハンバーグサンドを渡しておく。
「足りない時はそちらを食べて下さい、残りは出発前にしましょう。」
「盾鹿はどうするんだい?」
「流石に食事中に解体はしないつもりなので後で合間見てやっておきますよ。」
「すまないな、こちらは食べてばかりで…」
「あぁ、気にしないで下さい。自分は結構もてなすのが好きみたいで、こうやって振る舞ってるのが楽しいんですよ。」
元々ノアは自分が作った料理を食べて貰う事が好きで料理を始めた為、自分が食事をするのは二の次で振る舞う事に徹している。
その為か調理中もチラリとクロラが食べてる所を見て癒されたりしている。
「あー美味しかったー。」
「久々にこんなガッツリ食べたかもー。」
「ダンジョンの中でこんな食事を食べられるとは思わなかったわ…」
「むふー…(満足)」
「本当よく食べたよね。後片付けしますので休む準備してて良いですよ。」
「少年、宿屋を開業しないかい?常連になるよ。」
「はは、お世辞でも嬉しいよ。」
「お世辞じゃないんだけどな」という顔をするポーラを尻目に片付けを行う。
他の皆は装備を緩めたりして寝る準備を始める。
キッチンを仕舞い、後片付けを終えたノアは休憩所の外に出て見張りを行う為、簡単な椅子を作りドカッと座る。
(『よぅ『俺』ご苦労さん、毒大蛇っての中々美味かったぜ。』)
(そりゃどうも。)
(『今日は気分が良い、それに体力、自然治癒力継続回復(大)のお陰で回復力が上回ってるから俺が前に出て見張りやっといてやる『俺』は寝ておけ。』)
(おや、何でまた。)
(『何年一緒にいると思ってんだ『俺』、気ぃ張り過ぎだ。
そんなんじゃもたないぜ、今の内寝溜めしておけ。』)
(それじゃお言葉に甘えて…)
ノアは瞼を閉じる、再び目を開けるとノアの眼が赤黒くなっていた。
下層手前で即席の休憩所を作ったノアは早速調理を開始する。
「あ、それがさっき言ってたキッチン?」
「はい、そうです。」
「え?それが?ただの黒い箱にしか見えないが…」
事前に話を聞いてないとこの箱がキッチンだとは誰も思わないだろう。
ノアが黒い箱に"オープン"と唱えると光が走りガチャガチャと音を立て展開されていく。
「「「「おおー。」」」」
「今晩はノア様、魔力残量は残り6割です。」
「「「「うわー喋ったー。」」」」
ノアが展開が終わったキッチン内に入り指示を出す。
「とりあえず僕の全身にクリーン掛けて、あと解体するから幅広目にまな板展開出来るかな?」
「全身にクリーン掛けますね。
解体対象をまな板に出して下さい、対象に合わせてまな板のサイズを調節します。」
キッチンにそう言われ、アイテムボックスからズルリと頭部が無い毒大蛇を取り出す。
「おお…でかいですね…」
「え?見えてるの?まだ置いてないんだけど。」
「あ、申し訳ありません置いて下さい。」
妙に人間臭いキッチンに促され毒大蛇をまな板上に置いていくが流石に長いのではみ出してしまうが仕方ないだろう。
ノアは太腿から刺突武器を取り出しクリーンを掛けた後、毒大蛇の背骨に沿って縦に切れ目を入れ、開いていく。
身に指が食い込む程押さえ付け、首の根元から徐々に皮を剥いでいく。
「血が出るから床に垂れない様に排水頼むよ。」
「畏まりました。
皮を剥いだ所からクリーン掛けますか?」
「あぁ、お願いします。」
尻尾の先まで皮を剥ぎ、内蔵を取り出す。
この個体が何も食べてなくて良かった、と心の中で少し安堵する。
ちなみにこの時剥がした皮や内蔵はアイテムボックスに仕舞う。
クリーン完了を待つ間ノアはキッチン手を付け魔力を流す。
「クリーン完了しました。」
「ありがとう。これから骨を外すから外した所からどんどんクリーン掛けていって。」
「畏まりました。」
そこからノアは首から尻尾の方まで骨を毟っていく。この骨もアイテムボックスへ。
「身の方は普通の蛇とあまり変わらないんだな。」
「その様ですね。」
「フライパン1つ中火で温めて貰えるかな?」
「畏まりました。」
フライパンが温まるまでの間毒大蛇の身をどんどん切っていく。
「もうよろしいかと。」
「ああ、ありがとう。」
アイテムボックスから塩コショウと獣脂を取り出し一欠片入れて蛇肉を焼き、一振程塩コショウをぱらり。
ぢゅううぅぅぅっ! パチッパチッ!
「ノア君手際良いね。」
「料理は昔からやってたからね。」
「今は何してるんだい?」
「とりあえずまず焼いてみて味をみようかなってね。
あ、大鍋に水を張って下さい、量は大鍋の半分程で。」
「畏まりました。」
台からニュッと大鍋が出て来て水が張られていく。
「皆さんはキノコ大丈夫ですか?」
「普通だ。」
「イケる口だよ。」
「大好きだよ。」
「大好物だぜ少年。」
大丈夫との事なので使っていきましょう。
アイテムボックスから乾燥出汁とあれからまた増えていた無限キノコを10個程取り出し柄と傘に分けてどんどん切っていく。
スッタンタンタンタンタンタンタンタンタン
「大鍋中火に掛けて下さい。」
「畏まりました。」
フライパンを振ってじっくり焼いている蛇肉をひっくり返す。
そして追加で塩コショウをぱらり。
程よくきつね色になった蛇肉を見てポーラがそわそわしだす。
「始め蛇肉を食べるって言った時どうかと思ったけどこりゃ堪らん…」
他の3人も同様に焼かれる蛇肉に釘付けの様だ。
切り終わった無限キノコと乾燥出汁を大鍋に投入、<調理時間短縮>を発動しあっという間にコトコトと煮込まれていく。
「そろそろ良いかな、皿を一枚。」
「はい、どうぞ。」
両面綺麗なきつね色に焼かれた蛇肉を皿に上げる。
「フライパンをクリーンして、フォーク貰えますか?」
「了解しました。こちらをどうぞ。」
フォークを手に取ったノアは大振りに切り、口へ運ぶ。
ホクッ ムグムグムグッ… ゴクン
ノアの反応を食い入る様に見る一同。
これで異変があったりでもしたら皆は食べられないのだから。
「うん、美味しい、<毒耐性>も発動してませんし皆が食べても大丈夫でしょう。
フォークを追加で4本取り出して下さい、他の料理が出来るまで少し摘まんでて下さい。」
ノアから食べても大丈夫と太鼓判を押された事で食べ始める一同。
「んん!?美味っ!」
「うわー焼いただけなのに美味しー!」
「んめぇ!」
「ふもも!?」
中々好評の様なのであと2枚程焼こう。
ちなみにただ焼いて塩コショウで味付けしただけだが毒耐性(中)と受け流し効果(小)、食欲増進の食事効果が発動していた。
「フライパンをもう1つ温めて下さい。」
ノアはフライパンに蛇肉を乗せ、再び焼き始める。
更に一口大に切った蛇肉を次々と大鍋に投入、<調理時間短縮>でトロトロになるまで煮込まれる。
ノアは匙を取り出しスープを一口。
「うん、こっちもこんなものかな、深皿4枚とお玉頂戴。」
「はい、どうぞ。」
ノアは深皿に蛇肉を4つずつ盛り、上からスープを掛ける。
既に蛇肉のステーキはペロリと食べきられており、スープを今か今かと待ちわびていた様で、受け取ると直ぐ様蛇肉を頬張る。
余程美味かったのか、いつも冷静なポーラが床をバシバシと叩いている。
他3人もただただ無言で食べ続けている。
キッチンに戻ったノアは大鍋を一旦端に避け、フライパンを取り出し、下層に行く前に食べる分の蛇肉のステーキをどんどん焼いていく。
火に掛けている間に深皿にスープを次々寄せていく。
最終的に8皿分になったので1皿だけ残し残りはアイテムボックスへ。
ステーキを焼く合間にスープを頂く。
ズズズッ… 「うわ、何だこりゃ。」
ノアが驚いたのも無理は無い、食事効果が5個も付いていたからだ。
食事効果:毒耐性(中)、受け流し効果(中)、食欲増進、体力、自然治癒力継続回復(大)、防御力上昇(小)
皆の方を見ると体力、自然治癒力継続回復(大)の効果なのか体が淡く光っていた。
「はい、追加のステーキ2皿ですどうぞ。」
食欲増進の効果なのか皆の食欲が全く落ちないのでアイテムボックスを開き、煮込みハンバーグサンドを渡しておく。
「足りない時はそちらを食べて下さい、残りは出発前にしましょう。」
「盾鹿はどうするんだい?」
「流石に食事中に解体はしないつもりなので後で合間見てやっておきますよ。」
「すまないな、こちらは食べてばかりで…」
「あぁ、気にしないで下さい。自分は結構もてなすのが好きみたいで、こうやって振る舞ってるのが楽しいんですよ。」
元々ノアは自分が作った料理を食べて貰う事が好きで料理を始めた為、自分が食事をするのは二の次で振る舞う事に徹している。
その為か調理中もチラリとクロラが食べてる所を見て癒されたりしている。
「あー美味しかったー。」
「久々にこんなガッツリ食べたかもー。」
「ダンジョンの中でこんな食事を食べられるとは思わなかったわ…」
「むふー…(満足)」
「本当よく食べたよね。後片付けしますので休む準備してて良いですよ。」
「少年、宿屋を開業しないかい?常連になるよ。」
「はは、お世辞でも嬉しいよ。」
「お世辞じゃないんだけどな」という顔をするポーラを尻目に片付けを行う。
他の皆は装備を緩めたりして寝る準備を始める。
キッチンを仕舞い、後片付けを終えたノアは休憩所の外に出て見張りを行う為、簡単な椅子を作りドカッと座る。
(『よぅ『俺』ご苦労さん、毒大蛇っての中々美味かったぜ。』)
(そりゃどうも。)
(『今日は気分が良い、それに体力、自然治癒力継続回復(大)のお陰で回復力が上回ってるから俺が前に出て見張りやっといてやる『俺』は寝ておけ。』)
(おや、何でまた。)
(『何年一緒にいると思ってんだ『俺』、気ぃ張り過ぎだ。
そんなんじゃもたないぜ、今の内寝溜めしておけ。』)
(それじゃお言葉に甘えて…)
ノアは瞼を閉じる、再び目を開けるとノアの眼が赤黒くなっていた。
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(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
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