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獣人国編~救出作戦~
ダックス憤怒
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『ダックス憤怒』…胴長短足で、遠目から見れば愛嬌のある体躯をしているが、脚の筋肉が妙に発達し爪はかなり鋭く、大木ですら軽く両断出来る程である。
常日頃怒り状態で、獲物となる対象を見付ければ全力で殺しに掛かる。
一応魔法が使えるが、攻撃魔法以外に支援魔法を多用する。
『ヴワォオオオオンッ!』
ドゴォッ!バギバギバギッ!
と、咆哮を上げた直後、全身が赤く染まった『ダックス憤怒』が突進を仕掛けてきた。
巨体と胴長短足な見た目に反して俊敏で、木々を薙ぎ倒しながらあっという間に距離を詰められたのであった。
バチンッ!
(くっ、この森の中じゃ回避は難しいか!
迎撃するぞ!)
(『了解!』)
腰から荒鬼神を抜いたノアは盾の様に構え、迎撃体勢を取る。
ガヂンッ!ガギッ!
ヴボォオオオオオッ!ゴガガガガガガガッ!
「うおっ!?何つー力だっ!踏ん張りが利かない!」
盾にした荒鬼神に牙を立て、ガッチリと固定した状態で『ダックス憤怒』はノアを押し込んで行った。
何とか体勢を保ちつつ『ダックス憤怒』の突進を耐えるノアであったが
ヒュオッ、『ヴワ"ォンッ!』
「ちょ『ゴバアッ!』
バギバギバギッ!ドガガッ!
突如短く呼吸した『ダックス憤怒』が咆哮と共に口から不可視の衝撃波を放つと、堪らずノアは巻き込まれて木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされた。
防具のお陰でダメージはあまり無いが、軽く頭を打った為、少し視界がぐらつく。
「あ"あ"っ!!」ブォンッ!
木々が薙ぎ倒された為、ノアと『ダックス憤怒』の間には遮蔽物が一切無くなり、周囲の見晴らしが多少良くなった。
ノアは、発奮させる意味合いを込めて気合いと共に怒声を上げて『ダックス憤怒』へ向けて荒鬼神をぶん投げる。
ブォンブォンブォンッ!『ガチンッ!』シュバッ!
「おらぁっ!」ゴガンッ!
ギャゥンッ!?
飛来した荒鬼神を『ダックス憤怒』は易々と口でキャッチすると、それを見越していたノアが転移し、首元に<渾身>を乗せた拳を打ち込む。
犬らしい悲鳴を上げたものの、さしてダメージは無い様だ。
ヒュオッ…
ドシュッ!
『ダックス憤怒』が再び短く息を吸い込んだのを確認したノアは、<縮地>を発動して顎下に急速接近を果たすと
「『リベラ』っ!」
『ヴワ"『ドゥンッ!』ォンッ!?』
『ダックス憤怒』が咆哮と共に不可視の衝撃波を放つのとほぼ同時に、ノアの防具に吸収された衝撃を放出する技『リベラ』を『ダックス憤怒』の顎に当てて克ち上げる事に成功。
真上に放たれた衝撃波は、樹上の枝葉を吹き飛ばし、頭上に直径5メル程の大穴が空く。
そこから陽光が差し、辺りが明るく照らされる。
だがそれがマズかった。
今まで真っ暗だった『滅びの森』内でずっと<夜目>を発動していた為、突然の陽光に視界が真っ白に染まり、一瞬『ダックス憤怒』の姿を見失ってしまった。
ゾワッ…
「っ!?」ババッ!
ノアは、左から嫌な予感を感じ、荒鬼神を左側面に配置して盾とした。
直後
ドゴォッ!!「うおぉっ!?」
ドガガガガガガガガガガッ!
荒鬼神越しに強い衝撃を受けたノアは、再び吹き飛ばされる。
地面に激しく叩き付けられながらも<夜目>を解除したノアは、周囲の状況を確認してみると『滅びの森』から弾き出され、草原に1本の土色の線を引いていた。
少し離れた地点では、先程の冒険者パーティが『エレファント・バッファロー』や『ランス・ラビット』等と戦闘を繰り広げていた。
ドササッ…
ドドドドドドドドドッ!
ノアは体中に乗った土を落としつつ立ち上がると、視線の先では『ダックス憤怒』がノア目掛け駆け込んで来ている所であった。
ヒュォオオオッ…
『ダックス憤怒』は、今度は長く息を吸い込みながら駆けて来ている。
どうやら最大出力の咆哮を放つ様だ。
そしてお互いの距離が残り3メル程まで縮まった瞬間
『ヴワ"ォオ"オ"オ"オ"ンッ!』ドゴァッ!
『オ"ォオ"ア"ア"ア"ッ!!!』ドグァッ!
ズンッ!ボゴゴゴゴゴッ!
『ダックス憤怒』は咆哮と共に衝撃波を、ノアは大声量の<猿叫>を発動させると、ぶつかり合ったお互いの衝撃波が拮抗し、周囲の地面が激しく破砕。
周囲に礫の雨が降り注ぐ中、僅かに『ダックス憤怒』の巨体が宙に浮く。
「ふっ!」ダンッ!
ズザザザザザザッ!
その隙を見逃さず、即座に<縮地>を発動して『ダックス憤怒』の巨体の真下まで移動すると、<渾身>と短距離での<縮地>を発動して加速分の衝撃を乗せた鉄山靠を腹部に撃ち込んだ。
ズムンッ!ギャゥッ!?
短い悲鳴を上げ、再び宙に浮き上がった『ダックス憤怒』を見つつ、ノアは追撃の準備に入った。
「うぉぉおおおおおおおおっ!』ズォオッ!
ズァアッ!
【鎧袖一贖】を発動し、赤黒いオーラを立ち昇らせたノアは追加の腕を生成。
ヴォッ!?
『『『『『『ギュゥウウウッ!』』』』』』
生成した分の腕含め6つの拳を固く握りしめ、地面に落下してくる『ダックス憤怒』を待ち受ける。
ヴォッ…『クォオオオオーン!』
今までと違う鳴き声を上げ、今度は全身が黄色に染まった。
また何か違う支援魔法を掛けたのだろうが、そんな事知った事ではない。
『これ食らって少しは大人しくなりやがれぇっ!』
ドゴゴゴゴゴンッ!ギャボォ…ン…
【鎧袖一贖】の強化状態+<渾身>で攻撃力を上乗せした拳を、胴体6ヵ所に叩き込む。
どうやら先程の『ダックス憤怒』が行った支援魔法は防御力を上げる物だった様で、まるで岩を殴った様な感覚であった。
ズシャァアッ!
ゲッ…グ、ルルル…キャゥン、キャィンッ!
ダダダダダダダッ…
地面に落下した『ダックス憤怒』は、口から少量の血を吐いた後、軽くノアに唸った直後、鳴き声を上げて『滅びの森』へと逃げ込んで行った。
『あ、ちょ…『フシュ…』まぁ良いか…元々討伐対象じゃなかったし…」
ストン。
【鎧袖一贖】を解除したノアは、名残惜しそうにしつつも、その場に座り込んで少し休む事にした。
(…ってか今のが『ダックス憤怒』だよね…
中々の強さだったけど、あれでも"危険度(中)"なのか…
『滅びの森』探索!は一旦ここまでにして、素直に討伐対象のモンスターを狩る事だけに専念しよう…)
(『その方が良いな。
割とマトモな攻撃食らわせたにも関わらず、あの犬っコロ、まだ大丈夫そうだったからな。』)
ザッ!
「さって、善は急げだ。
チャッチャと対象モンスターを見付けて夜になる前には獣人国に戻るとしよう。」
(『だな。』)
下ろしていた腰を上げ、土を払ったノアは『滅びの森』周辺を散策する事にした。
そして結局『エレファント・バッファロー』は6頭、『ランス・ラビット』は7羽、『発火ネズミ』は4匹。
そして、自重が1トンを優に越える丸々と太った『トン豚』は 2頭仕留める事が出来たノアは、空が薄らと暗くなってきた頃合いでその日の狩りを終え、獣人国への帰路に着く事にしたのであった。
常日頃怒り状態で、獲物となる対象を見付ければ全力で殺しに掛かる。
一応魔法が使えるが、攻撃魔法以外に支援魔法を多用する。
『ヴワォオオオオンッ!』
ドゴォッ!バギバギバギッ!
と、咆哮を上げた直後、全身が赤く染まった『ダックス憤怒』が突進を仕掛けてきた。
巨体と胴長短足な見た目に反して俊敏で、木々を薙ぎ倒しながらあっという間に距離を詰められたのであった。
バチンッ!
(くっ、この森の中じゃ回避は難しいか!
迎撃するぞ!)
(『了解!』)
腰から荒鬼神を抜いたノアは盾の様に構え、迎撃体勢を取る。
ガヂンッ!ガギッ!
ヴボォオオオオオッ!ゴガガガガガガガッ!
「うおっ!?何つー力だっ!踏ん張りが利かない!」
盾にした荒鬼神に牙を立て、ガッチリと固定した状態で『ダックス憤怒』はノアを押し込んで行った。
何とか体勢を保ちつつ『ダックス憤怒』の突進を耐えるノアであったが
ヒュオッ、『ヴワ"ォンッ!』
「ちょ『ゴバアッ!』
バギバギバギッ!ドガガッ!
突如短く呼吸した『ダックス憤怒』が咆哮と共に口から不可視の衝撃波を放つと、堪らずノアは巻き込まれて木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされた。
防具のお陰でダメージはあまり無いが、軽く頭を打った為、少し視界がぐらつく。
「あ"あ"っ!!」ブォンッ!
木々が薙ぎ倒された為、ノアと『ダックス憤怒』の間には遮蔽物が一切無くなり、周囲の見晴らしが多少良くなった。
ノアは、発奮させる意味合いを込めて気合いと共に怒声を上げて『ダックス憤怒』へ向けて荒鬼神をぶん投げる。
ブォンブォンブォンッ!『ガチンッ!』シュバッ!
「おらぁっ!」ゴガンッ!
ギャゥンッ!?
飛来した荒鬼神を『ダックス憤怒』は易々と口でキャッチすると、それを見越していたノアが転移し、首元に<渾身>を乗せた拳を打ち込む。
犬らしい悲鳴を上げたものの、さしてダメージは無い様だ。
ヒュオッ…
ドシュッ!
『ダックス憤怒』が再び短く息を吸い込んだのを確認したノアは、<縮地>を発動して顎下に急速接近を果たすと
「『リベラ』っ!」
『ヴワ"『ドゥンッ!』ォンッ!?』
『ダックス憤怒』が咆哮と共に不可視の衝撃波を放つのとほぼ同時に、ノアの防具に吸収された衝撃を放出する技『リベラ』を『ダックス憤怒』の顎に当てて克ち上げる事に成功。
真上に放たれた衝撃波は、樹上の枝葉を吹き飛ばし、頭上に直径5メル程の大穴が空く。
そこから陽光が差し、辺りが明るく照らされる。
だがそれがマズかった。
今まで真っ暗だった『滅びの森』内でずっと<夜目>を発動していた為、突然の陽光に視界が真っ白に染まり、一瞬『ダックス憤怒』の姿を見失ってしまった。
ゾワッ…
「っ!?」ババッ!
ノアは、左から嫌な予感を感じ、荒鬼神を左側面に配置して盾とした。
直後
ドゴォッ!!「うおぉっ!?」
ドガガガガガガガガガガッ!
荒鬼神越しに強い衝撃を受けたノアは、再び吹き飛ばされる。
地面に激しく叩き付けられながらも<夜目>を解除したノアは、周囲の状況を確認してみると『滅びの森』から弾き出され、草原に1本の土色の線を引いていた。
少し離れた地点では、先程の冒険者パーティが『エレファント・バッファロー』や『ランス・ラビット』等と戦闘を繰り広げていた。
ドササッ…
ドドドドドドドドドッ!
ノアは体中に乗った土を落としつつ立ち上がると、視線の先では『ダックス憤怒』がノア目掛け駆け込んで来ている所であった。
ヒュォオオオッ…
『ダックス憤怒』は、今度は長く息を吸い込みながら駆けて来ている。
どうやら最大出力の咆哮を放つ様だ。
そしてお互いの距離が残り3メル程まで縮まった瞬間
『ヴワ"ォオ"オ"オ"オ"ンッ!』ドゴァッ!
『オ"ォオ"ア"ア"ア"ッ!!!』ドグァッ!
ズンッ!ボゴゴゴゴゴッ!
『ダックス憤怒』は咆哮と共に衝撃波を、ノアは大声量の<猿叫>を発動させると、ぶつかり合ったお互いの衝撃波が拮抗し、周囲の地面が激しく破砕。
周囲に礫の雨が降り注ぐ中、僅かに『ダックス憤怒』の巨体が宙に浮く。
「ふっ!」ダンッ!
ズザザザザザザッ!
その隙を見逃さず、即座に<縮地>を発動して『ダックス憤怒』の巨体の真下まで移動すると、<渾身>と短距離での<縮地>を発動して加速分の衝撃を乗せた鉄山靠を腹部に撃ち込んだ。
ズムンッ!ギャゥッ!?
短い悲鳴を上げ、再び宙に浮き上がった『ダックス憤怒』を見つつ、ノアは追撃の準備に入った。
「うぉぉおおおおおおおおっ!』ズォオッ!
ズァアッ!
【鎧袖一贖】を発動し、赤黒いオーラを立ち昇らせたノアは追加の腕を生成。
ヴォッ!?
『『『『『『ギュゥウウウッ!』』』』』』
生成した分の腕含め6つの拳を固く握りしめ、地面に落下してくる『ダックス憤怒』を待ち受ける。
ヴォッ…『クォオオオオーン!』
今までと違う鳴き声を上げ、今度は全身が黄色に染まった。
また何か違う支援魔法を掛けたのだろうが、そんな事知った事ではない。
『これ食らって少しは大人しくなりやがれぇっ!』
ドゴゴゴゴゴンッ!ギャボォ…ン…
【鎧袖一贖】の強化状態+<渾身>で攻撃力を上乗せした拳を、胴体6ヵ所に叩き込む。
どうやら先程の『ダックス憤怒』が行った支援魔法は防御力を上げる物だった様で、まるで岩を殴った様な感覚であった。
ズシャァアッ!
ゲッ…グ、ルルル…キャゥン、キャィンッ!
ダダダダダダダッ…
地面に落下した『ダックス憤怒』は、口から少量の血を吐いた後、軽くノアに唸った直後、鳴き声を上げて『滅びの森』へと逃げ込んで行った。
『あ、ちょ…『フシュ…』まぁ良いか…元々討伐対象じゃなかったし…」
ストン。
【鎧袖一贖】を解除したノアは、名残惜しそうにしつつも、その場に座り込んで少し休む事にした。
(…ってか今のが『ダックス憤怒』だよね…
中々の強さだったけど、あれでも"危険度(中)"なのか…
『滅びの森』探索!は一旦ここまでにして、素直に討伐対象のモンスターを狩る事だけに専念しよう…)
(『その方が良いな。
割とマトモな攻撃食らわせたにも関わらず、あの犬っコロ、まだ大丈夫そうだったからな。』)
ザッ!
「さって、善は急げだ。
チャッチャと対象モンスターを見付けて夜になる前には獣人国に戻るとしよう。」
(『だな。』)
下ろしていた腰を上げ、土を払ったノアは『滅びの森』周辺を散策する事にした。
そして結局『エレファント・バッファロー』は6頭、『ランス・ラビット』は7羽、『発火ネズミ』は4匹。
そして、自重が1トンを優に越える丸々と太った『トン豚』は 2頭仕留める事が出来たノアは、空が薄らと暗くなってきた頃合いでその日の狩りを終え、獣人国への帰路に着く事にしたのであった。
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