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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~
口が滑った
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(馬上の暴坊将軍も、下に居る馬どちらも重装甲…
馬の脚を斬り飛ばし、転かして首を撥ね飛ばそうかとも考えたが、厚さが戸板位あるぞ…
こりゃ装甲を突破するだけでも骨だな…)
死合いを挑まれたノアは早速馬上の暴坊将軍を睨め回して攻略法を模索。
だが暴坊将軍の鎧は厚く、幾らノアの膂力と超重量の荒鬼神を以てしても突破は容易では無い。
[むっふっふ…良いぞ良いぞぅ、その眼。
大抵の者は我を前にすると臆し、逃げる算段を図るモノだが少年は違う!
我にどう挑み、どう打ち倒すかを分析しておる。
それで少年よ、良い攻略法は見出だせたかな?]
ノアの視線を受けた暴坊将軍はニンマリと笑みを浮かべ、早く戦いたそうにウズウズしている。
「いや、なーんも。
取り敢えず剣を交えてみてから考える事にしますよ。」スラッ…
[ふふ…策を練らずに剣で語るか…良い良い。]
ブゥンッ!パシッ!ブォンブォンブォンッ!
ノアは腰に差していた荒鬼神2本を抜き、暴坊将軍は頭上に手を掲げると、3メルはあろう長さの薙刀が姿を現し、頭上でブンブンと振り回す。
膂力が凄まじいからか、その回転力に周囲の砂埃や火の粉が吸い寄せられていた。
「そう言えばこちらから名乗ってはいませんでしたね。
僕は新人冒険者で二つ名【鬼神】のノアと申します。」
[ほほぅ、【鬼神】か。
【鬼神】の二つ名に恥じない戦いを所望するぞ。
そして金成様の言い付けである"城下の復興"を阻止させて貰うぞ!]
「…え?"城下の復興"?…何の事です?」
[え?…知らんのか?]
「はい、初耳です。」
[え?"時"を使い〈将軍。〉城下の者達や〈将軍。〉兵、重要施設の復興を〈おい将軍!〉成す為に時羽軍を〈聞けぇ将軍っ!〉屠り続けていたのではないのか?]
後ろで待機していた地均明王が声を荒げ、幾度と無く止めに入るが、暴坊将軍は聞く耳持たず、全部喋ってしまった。
「"時"を使って復興?
そんな事出来る訳が…あ。」
暴坊将軍の言葉を頭の中で反芻しつつノアの後方で待機している老齢の男性に目をやり、"時"を使って回復した時の事を思い出す。
「お爺さーん、"時"を使って街を復活させる事って出来ますかー?」
「は、はい、今の今まで言えずにすみませぬ。
この様な多勢の状況ではお伝えしない方が良いと思い…」
どうやら出来るらしい。
後に老齢の男性から聞いた所によると、皆がずっと戦い通しだった為、"城下の復興"に関して言い遅れていたとの事だ。
「それじゃあ皆さんは、やり方を聞いて復興に務めてて下さい!
この方達の相手は僕の方で承るので!」
「は、はい!分かりました!(ハナ)」
ハナに指示を飛ばし、一行には"城下の復興"とやらに努めて貰う事に。
だが、相手方も黙って見ている訳にはいかず
〈チッ、将軍が喋っちまったから仕方無ぇ。
女子供相手に手を上げるのは気が引けるが、止めに行くぞ闇蜘蛛。〉
〔クケケ。〕
後ろで待機していた地均明王が頭を掻きつつ闇蜘蛛と共にハナ達の元へ向かおうとする。
と
ドズンッ!
「させる訳無いでしょう?
あっちへ行くなら僕を倒してからにしてくれません?」
地均明王の足下に荒鬼神をぶん投げて足止めをするノア。
〈俺らは構わんが、幾ら強者である少年とて我ら3対1では流石に手に余るのではないか?〉
〔クケケケ…〕
「さてね。
僕はまだ3人の実力がどれ程のモノか測りかねますし、僕の手に余るかどうかは皆さんの頑張り次第ではないですかね。」
この状況でも敢えて3人を煽るノア。
こうやって煽る事で、後方に居る一行へと敵視を向けさせない目的である。
[がははっ!
言ってくれるなぁ少年よ。]
〈まぁ多少復興したとしてもどうにでもなる。
それに、さっきも言ったが女子供、それと弱者に手を上げるのは本意では無い。
その点については安心して欲しい。〉
〔ケケケ。〕
3人、特に地均明王はノアの意図を察知していたらしく、一行へと向けていた体をノアの方へと向け臨戦態勢に入った。
[〈それじゃあ開戦といこうか!〉]ダンッ!
〔ケヒャアッ!!〕ボファッ!
「【鎧袖一贖】発動っ!』ズァッ!
暴坊将軍は大太刀を構えた状態で装甲馬が駆け出し、鉄塊の様な拳を振り上げた地均明王は一足飛びで急速接近し、闇蜘蛛は周囲に留めていた黒いモヤを周囲に飛散させた。
対するノアは荒鬼神を地面に刺して攻撃力特化である【鎧袖一贖】を発動して迎撃態勢に入る。
〈ほぅれご挨拶だ!俺の拳を受けてみろっ!〉ボッ!
『ッラァッ!』バォッ!
『ゴギンッ!!!』
〈おぉっ!?〉メキ…ミシッ…
『ぐっ…』ドゴンッ!
振り下ろされた地均明王の拳と、【鎧袖一贖】で強化された拳に<渾身>を乗せたノアの攻撃が衝突すると、まるでハンマー同士を打ち合わせたかの様な音が響いたかと思うと、体重の軽いノアが吹き飛ばされ地面に叩き付けられた。
ドガッ!…ガガッ!ボゴゴッ!
地面を二度程跳ねた後、地面に足をめり込ませて停止したノアが顔を上げると
[でぇええええりゃぁああああっ!]
フォンッ!
ガギギッ、『ゾッ!』キィリュンッ!
風斬り音にも似た速度で繰り出された暴坊将軍の大太刀を、オーラを纏わせた腕を剣の代わりに合わせ、背中の丸み等も使って<受け流し>を発動。
その際、僅かに肩の肉を削いだが、何とか流しきり、暴坊将軍の側面を取った。
[おおっ!見事っ!!]
暴坊将軍が感嘆の声を上げるが、ノアの攻撃はまだ続いている。
(『食らえ、<渾身>を乗せた拳を馬の腹『ゴギャッ!』…ぅぐっ!?』)
暴坊将軍の乗っている馬の腹に拳を振るおうとした所、その馬から強烈な蹴りが飛んできた。
だが寸での所でノアは衝撃吸収効果のある防具でガードをした為、大したダメージは無い。
が
ドガガガガガガッ!バギバギッ!
ガラガラ…ズズン!
馬自体の健脚も凄まじく、風圧でもって押し込まれたノアは焼け落ちた家屋まで吹き飛ばされた。
『くっ…何つー蹴『シャキン!』り…』
瓦礫の中から顔を出したノアの視界には、左右から4本の鋭い刃物が映っていた。
ザシュッ!!
ダガッ!ズザザッ!
〔クケケ…イマノ、ヨケル、カ。〕
『喋れたのか…にしても何だ今の…全く気配が感じられなかったぞ…』
目の前には黒いモヤで何とか人型と分かる形状の闇蜘蛛が長く鋭い爪をダラリと垂らして立っていた。
闇蜘蛛の攻撃を見てから回避したノアは、気配が感じられなかった事に多少焦っていた。
ズンッ!
[闇蜘蛛は己のモヤを周囲に多く存在する影と同調させる事により、そこから攻撃を繰り出すだけでなく完全に気配も消せる。]
〈少年の拳、中々であったぞ。
見てみろ、中指がへし折れてしまったが…〉
『ビキッ!』グッパッグッパッ…
〈問題無い。〉
地均明王は折れた中指を元の位置に戻して数回握り締めると、何でも無さそうに再び構え始めた。
〔ヒヒヒ…オレハフタリヨリバヒリキ。
カゲ、ヤミ、ウラカラネラウノミ。〕シャキン!
闇蜘蛛はモヤのあちこちから鋭い爪を出してノアを見やる。
その見た目は確かに蜘蛛の様であった。
馬の脚を斬り飛ばし、転かして首を撥ね飛ばそうかとも考えたが、厚さが戸板位あるぞ…
こりゃ装甲を突破するだけでも骨だな…)
死合いを挑まれたノアは早速馬上の暴坊将軍を睨め回して攻略法を模索。
だが暴坊将軍の鎧は厚く、幾らノアの膂力と超重量の荒鬼神を以てしても突破は容易では無い。
[むっふっふ…良いぞ良いぞぅ、その眼。
大抵の者は我を前にすると臆し、逃げる算段を図るモノだが少年は違う!
我にどう挑み、どう打ち倒すかを分析しておる。
それで少年よ、良い攻略法は見出だせたかな?]
ノアの視線を受けた暴坊将軍はニンマリと笑みを浮かべ、早く戦いたそうにウズウズしている。
「いや、なーんも。
取り敢えず剣を交えてみてから考える事にしますよ。」スラッ…
[ふふ…策を練らずに剣で語るか…良い良い。]
ブゥンッ!パシッ!ブォンブォンブォンッ!
ノアは腰に差していた荒鬼神2本を抜き、暴坊将軍は頭上に手を掲げると、3メルはあろう長さの薙刀が姿を現し、頭上でブンブンと振り回す。
膂力が凄まじいからか、その回転力に周囲の砂埃や火の粉が吸い寄せられていた。
「そう言えばこちらから名乗ってはいませんでしたね。
僕は新人冒険者で二つ名【鬼神】のノアと申します。」
[ほほぅ、【鬼神】か。
【鬼神】の二つ名に恥じない戦いを所望するぞ。
そして金成様の言い付けである"城下の復興"を阻止させて貰うぞ!]
「…え?"城下の復興"?…何の事です?」
[え?…知らんのか?]
「はい、初耳です。」
[え?"時"を使い〈将軍。〉城下の者達や〈将軍。〉兵、重要施設の復興を〈おい将軍!〉成す為に時羽軍を〈聞けぇ将軍っ!〉屠り続けていたのではないのか?]
後ろで待機していた地均明王が声を荒げ、幾度と無く止めに入るが、暴坊将軍は聞く耳持たず、全部喋ってしまった。
「"時"を使って復興?
そんな事出来る訳が…あ。」
暴坊将軍の言葉を頭の中で反芻しつつノアの後方で待機している老齢の男性に目をやり、"時"を使って回復した時の事を思い出す。
「お爺さーん、"時"を使って街を復活させる事って出来ますかー?」
「は、はい、今の今まで言えずにすみませぬ。
この様な多勢の状況ではお伝えしない方が良いと思い…」
どうやら出来るらしい。
後に老齢の男性から聞いた所によると、皆がずっと戦い通しだった為、"城下の復興"に関して言い遅れていたとの事だ。
「それじゃあ皆さんは、やり方を聞いて復興に務めてて下さい!
この方達の相手は僕の方で承るので!」
「は、はい!分かりました!(ハナ)」
ハナに指示を飛ばし、一行には"城下の復興"とやらに努めて貰う事に。
だが、相手方も黙って見ている訳にはいかず
〈チッ、将軍が喋っちまったから仕方無ぇ。
女子供相手に手を上げるのは気が引けるが、止めに行くぞ闇蜘蛛。〉
〔クケケ。〕
後ろで待機していた地均明王が頭を掻きつつ闇蜘蛛と共にハナ達の元へ向かおうとする。
と
ドズンッ!
「させる訳無いでしょう?
あっちへ行くなら僕を倒してからにしてくれません?」
地均明王の足下に荒鬼神をぶん投げて足止めをするノア。
〈俺らは構わんが、幾ら強者である少年とて我ら3対1では流石に手に余るのではないか?〉
〔クケケケ…〕
「さてね。
僕はまだ3人の実力がどれ程のモノか測りかねますし、僕の手に余るかどうかは皆さんの頑張り次第ではないですかね。」
この状況でも敢えて3人を煽るノア。
こうやって煽る事で、後方に居る一行へと敵視を向けさせない目的である。
[がははっ!
言ってくれるなぁ少年よ。]
〈まぁ多少復興したとしてもどうにでもなる。
それに、さっきも言ったが女子供、それと弱者に手を上げるのは本意では無い。
その点については安心して欲しい。〉
〔ケケケ。〕
3人、特に地均明王はノアの意図を察知していたらしく、一行へと向けていた体をノアの方へと向け臨戦態勢に入った。
[〈それじゃあ開戦といこうか!〉]ダンッ!
〔ケヒャアッ!!〕ボファッ!
「【鎧袖一贖】発動っ!』ズァッ!
暴坊将軍は大太刀を構えた状態で装甲馬が駆け出し、鉄塊の様な拳を振り上げた地均明王は一足飛びで急速接近し、闇蜘蛛は周囲に留めていた黒いモヤを周囲に飛散させた。
対するノアは荒鬼神を地面に刺して攻撃力特化である【鎧袖一贖】を発動して迎撃態勢に入る。
〈ほぅれご挨拶だ!俺の拳を受けてみろっ!〉ボッ!
『ッラァッ!』バォッ!
『ゴギンッ!!!』
〈おぉっ!?〉メキ…ミシッ…
『ぐっ…』ドゴンッ!
振り下ろされた地均明王の拳と、【鎧袖一贖】で強化された拳に<渾身>を乗せたノアの攻撃が衝突すると、まるでハンマー同士を打ち合わせたかの様な音が響いたかと思うと、体重の軽いノアが吹き飛ばされ地面に叩き付けられた。
ドガッ!…ガガッ!ボゴゴッ!
地面を二度程跳ねた後、地面に足をめり込ませて停止したノアが顔を上げると
[でぇええええりゃぁああああっ!]
フォンッ!
ガギギッ、『ゾッ!』キィリュンッ!
風斬り音にも似た速度で繰り出された暴坊将軍の大太刀を、オーラを纏わせた腕を剣の代わりに合わせ、背中の丸み等も使って<受け流し>を発動。
その際、僅かに肩の肉を削いだが、何とか流しきり、暴坊将軍の側面を取った。
[おおっ!見事っ!!]
暴坊将軍が感嘆の声を上げるが、ノアの攻撃はまだ続いている。
(『食らえ、<渾身>を乗せた拳を馬の腹『ゴギャッ!』…ぅぐっ!?』)
暴坊将軍の乗っている馬の腹に拳を振るおうとした所、その馬から強烈な蹴りが飛んできた。
だが寸での所でノアは衝撃吸収効果のある防具でガードをした為、大したダメージは無い。
が
ドガガガガガガッ!バギバギッ!
ガラガラ…ズズン!
馬自体の健脚も凄まじく、風圧でもって押し込まれたノアは焼け落ちた家屋まで吹き飛ばされた。
『くっ…何つー蹴『シャキン!』り…』
瓦礫の中から顔を出したノアの視界には、左右から4本の鋭い刃物が映っていた。
ザシュッ!!
ダガッ!ズザザッ!
〔クケケ…イマノ、ヨケル、カ。〕
『喋れたのか…にしても何だ今の…全く気配が感じられなかったぞ…』
目の前には黒いモヤで何とか人型と分かる形状の闇蜘蛛が長く鋭い爪をダラリと垂らして立っていた。
闇蜘蛛の攻撃を見てから回避したノアは、気配が感じられなかった事に多少焦っていた。
ズンッ!
[闇蜘蛛は己のモヤを周囲に多く存在する影と同調させる事により、そこから攻撃を繰り出すだけでなく完全に気配も消せる。]
〈少年の拳、中々であったぞ。
見てみろ、中指がへし折れてしまったが…〉
『ビキッ!』グッパッグッパッ…
〈問題無い。〉
地均明王は折れた中指を元の位置に戻して数回握り締めると、何でも無さそうに再び構え始めた。
〔ヒヒヒ…オレハフタリヨリバヒリキ。
カゲ、ヤミ、ウラカラネラウノミ。〕シャキン!
闇蜘蛛はモヤのあちこちから鋭い爪を出してノアを見やる。
その見た目は確かに蜘蛛の様であった。
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