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獣人国編~御前試合の代表決め~
最終戦(時間にして約5分の出来事)
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スッ…
最終戦の火蓋は、ゴフゥが徐に拳を振り上げた所から切って落とされた。
ギィイイッ!
「ッリャァア″ア″ッ!」 ガボンッ!!!
『っ!?』
拳に光が集束した直後、ノアでは無く地面に向かってその拳を振り下ろした。
すると闘技場の地面は爆砕し、光の奔流と衝撃波が3人を中心とした半径50メル内を激震が襲った。
バチバチバチバチッ!
ボフォッ!
「ッゼェアアアッ!」ゴォッ!
『シッ!』ボッ!
ガッ!『バガァッ!!』『ぬぅ…!』
爆砕した礫が弾丸となって襲い掛かるも、ノアは怯みすらしない。
すると土煙の中から怒声を上げながら金属柱の様な左腕を振るい、ゴファンが殴り掛かってきた。
ノアは生成された腕で迎撃するが、僅かに拮抗したものの押し込まれてしまった。
「<縮地>ぃっ!『ズァッ!』 ゼェアッ!」ゴッ!
『ッラァッ!』バォッ!
ガヂンッ!『っとっと…』
<縮地>を発動してノアとの距離を詰めたゴファンは、次に右腕を振るう。
再び迎撃したノアだが、また押し込まれ、たたらを踏んでしまった。
″『おおっ!?おおおおおおおおっ!
こ、ここに来て超犀野人2が押し始めました!
【獣化】した事で大幅な攻撃力の上昇が起こったのでしょう!
あの【鬼神】がたたらを踏んでいます!
ここから逆襲が行われるのでしょうかぁっ!』″
「「「「「「「「「「「「「「「オォオオオオオッ!(観客)」」」」」」」」」」」」」」」
最初と打って変わって押し始めた超犀野人に、観客は沸きに沸いた。
だが当の本人達はと言うと
(くっ、この状態でも単純な力で言えば彼の方が上か…!(ゴフゥ))
(今押し切っているのは【獣化】した事で重量が増えた為、重さでこちらが勝っているだけに過ぎない…!(ゴファン))
(うーん…いつも腰に荒鬼神を差していたから気付かなかったけど、力で勝ってても重さで押し切られちゃうな…(ノア))
超犀野人とノアは元々大人と子供。
【獣化】も行っている為、体重差で言えば8倍以上はあるだろう。
幾ら腕力に自信のあるノアでも、それだけの体重差があれば押し切られてしまうのは仕方の無い事であった。
だが漸く逆転の兆しが見えてきた事で、その事を実況含め観客の誰も気付く事はなかった。
((だがこれは好機!
彼に最大とも言える隙を産み出した!
この隙を利用し、俺達の全身全霊を叩き込んでやる!
<縮地>発動!))
『『ズザッ!』』
「ぬりゃあああっ!」バォッ!
「っえぇぃっ!」ボッ!
ゴガンッ!
『うぉ。』ガガガッ!
<縮地>を発動し、ノアの左右に移動したゴフゥとゴファンの2人は金属塊の様な拳をノアに叩き付け、更に後退させる。
バッ!ババッ!
ガシッ!
ギィイイイイイイイイイイイッ!
『え?ちょ、待…』
よろけた隙に<縮地>を連続発動してノアの背後に回り込んだゴフゥは、ノアの胴体を掴むと、急速に力を溜める動作に入る。
だが溜めている箇所が今までの手や足とは違い、″口″なのであった。
ゴバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
″『んなぁっ!?
突如ゴフゥがブレスの様な物を吐き出しました!
もう素手喧嘩関係無ぇじゃん!と思うかも知れませんが、あれは波動弾の応用であるとの事!
手や足から凝縮した気を発射出来るなら口からもいけるよね?って事だと思うんだけど絵面的には完全アウト!
つか諸に食らってるけど大丈夫か!?』″
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア『ボッ!』「おぐっ!?」ボフッ!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
ドガァアッ!
「うごぁっ!」ズザザッ!
未だ吐き出される波動ブレスだったが、そのブレスの中から赤黒い腕が伸び、ゴフゥの口内に突っ込まれ、強制的にブレスを中断された。
直後、目にも止まらぬ速さで繰り出された連続パンチがゴフゥを襲い、流石の威力に吹き飛ばされた。
『だーっ!流石にウザったい!そしてやっぱ堅ぇなっ!』
「ぐっ…嘘だろ…アレを食らって何でピンピンしてんだ…(ゴフゥ)」
「【獣化】状態の俺達が出せる最大火力だぞ…(ゴファン)」
殴り飛ばされたゴフゥがブレスによって発生した光の奔流に目を向けると、しかめっ面のノアが飛び出してきた。
どうやら吐き出されたブレスは赤黒いオーラに阻まれ、ノアに届いてはいなかったらしい。
(『はっ、龍種のブレスでも無い限りそんな物が通るかよ。』)
(うーん…それにしても【獣化】によって防御力が格段に上がってるな…
力を溜めればいけるかもだけど、2人がそんな隙を与えてくれるとも思えない…
仕方無い、熟練度が規定量に達して進化したスキルで威力の底上げを図るとするか…)
「くっ、ゴフゥ!
次は2人で一斉にやるぞ!2人で力を合わせれば『もう…』…え?」
『もう掴ませない。
反撃の隙も与えずに終わらせてやる。』
『『ゾッ…』』
静かにそう呟いたノアからただならぬ殺気を感じたゴフゥとゴファンの2人。
何かマズイ攻撃がこれから始まる。
そう感じた2人は手を出させまいと攻勢に移るのであった。
「う、うぉおおおおっ!<縮『パ『ゴンッ!!』うぶぉあああっ!?」
「な!?何『パ『ドボォッ!』がぁあああっ!?」
殺気立つノアに仕掛けようとしたゴフゥだったが、いつの間にか側面に移動していたノアの拳が金属を思わせる硬質の腹筋に深くめり込んだ。
隣に居たゴフゥに何が起こったのか一瞬分からなかったゴファンだが、今度は自身の背後で僅かに破裂音の様な物が聞こえた後に強烈な衝撃が背中を襲った。
パンッ!パパンッ!
パパパパパパパパパパパパパンッ!
「「な…なぁっ!?」」
2人は目をひん剥く。
前方から断続的に破裂音が聞こえてくるが、その音の発生源となる者の姿が見えないのだ。
だが瞬間的に赤黒い靄が漂い、僅かに地面から砂埃が上がっている為、ノアの仕業である事は間違い無い。
だがその現象を確認した時には既に別の場所で同じ現象が起こる為対処が出来ず、2人は動くに動けないでいた。
「「「「「「オオオオッ!?(観客)」」」」」」
″『え!?ええええ~っ!?
と、突然【鬼神】の居なくなりました!
…あ、いえ、居るのは分かっているのですが、姿がまるで見付ける事が出来ません!
恐らく<縮地>…はここまで速く無いでしょうから<転移>?に似たスキルでも発動しているのでしょうかぁ!』″
相手の体の向きや傾き、足先の位置や筋肉の動かし方等から次の動きを把握する事は出来る。
だが姿が見えなければどうしようも無い。
と
パパンッ!ザッ、ザザッ!
『っとっと…』
体をフラつかせながらノアが漸く姿を現した。
その場に急停止した為か、足下に砂埃が舞っていた。
『よし、感覚が分かってきた。
お待たせしました、始めましょうか。』
「な、何だその速度は…?」
「今迄の比では無かったぞ…?」
『そりゃそうですよ。
スキルが進化してから始めて使ったのですから。』
「「は?」」
『重量では2人に敵わないので、僕はスピードを上げて攻撃の威力を上げる事にしました。
これが<縮地>の上位スキル<瞬間移動>の力です。これで決着を着けます。』
パァンッ!
そう言ってノアは再び高速移動を開始した。
最終戦の火蓋は、ゴフゥが徐に拳を振り上げた所から切って落とされた。
ギィイイッ!
「ッリャァア″ア″ッ!」 ガボンッ!!!
『っ!?』
拳に光が集束した直後、ノアでは無く地面に向かってその拳を振り下ろした。
すると闘技場の地面は爆砕し、光の奔流と衝撃波が3人を中心とした半径50メル内を激震が襲った。
バチバチバチバチッ!
ボフォッ!
「ッゼェアアアッ!」ゴォッ!
『シッ!』ボッ!
ガッ!『バガァッ!!』『ぬぅ…!』
爆砕した礫が弾丸となって襲い掛かるも、ノアは怯みすらしない。
すると土煙の中から怒声を上げながら金属柱の様な左腕を振るい、ゴファンが殴り掛かってきた。
ノアは生成された腕で迎撃するが、僅かに拮抗したものの押し込まれてしまった。
「<縮地>ぃっ!『ズァッ!』 ゼェアッ!」ゴッ!
『ッラァッ!』バォッ!
ガヂンッ!『っとっと…』
<縮地>を発動してノアとの距離を詰めたゴファンは、次に右腕を振るう。
再び迎撃したノアだが、また押し込まれ、たたらを踏んでしまった。
″『おおっ!?おおおおおおおおっ!
こ、ここに来て超犀野人2が押し始めました!
【獣化】した事で大幅な攻撃力の上昇が起こったのでしょう!
あの【鬼神】がたたらを踏んでいます!
ここから逆襲が行われるのでしょうかぁっ!』″
「「「「「「「「「「「「「「「オォオオオオオッ!(観客)」」」」」」」」」」」」」」」
最初と打って変わって押し始めた超犀野人に、観客は沸きに沸いた。
だが当の本人達はと言うと
(くっ、この状態でも単純な力で言えば彼の方が上か…!(ゴフゥ))
(今押し切っているのは【獣化】した事で重量が増えた為、重さでこちらが勝っているだけに過ぎない…!(ゴファン))
(うーん…いつも腰に荒鬼神を差していたから気付かなかったけど、力で勝ってても重さで押し切られちゃうな…(ノア))
超犀野人とノアは元々大人と子供。
【獣化】も行っている為、体重差で言えば8倍以上はあるだろう。
幾ら腕力に自信のあるノアでも、それだけの体重差があれば押し切られてしまうのは仕方の無い事であった。
だが漸く逆転の兆しが見えてきた事で、その事を実況含め観客の誰も気付く事はなかった。
((だがこれは好機!
彼に最大とも言える隙を産み出した!
この隙を利用し、俺達の全身全霊を叩き込んでやる!
<縮地>発動!))
『『ズザッ!』』
「ぬりゃあああっ!」バォッ!
「っえぇぃっ!」ボッ!
ゴガンッ!
『うぉ。』ガガガッ!
<縮地>を発動し、ノアの左右に移動したゴフゥとゴファンの2人は金属塊の様な拳をノアに叩き付け、更に後退させる。
バッ!ババッ!
ガシッ!
ギィイイイイイイイイイイイッ!
『え?ちょ、待…』
よろけた隙に<縮地>を連続発動してノアの背後に回り込んだゴフゥは、ノアの胴体を掴むと、急速に力を溜める動作に入る。
だが溜めている箇所が今までの手や足とは違い、″口″なのであった。
ゴバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
″『んなぁっ!?
突如ゴフゥがブレスの様な物を吐き出しました!
もう素手喧嘩関係無ぇじゃん!と思うかも知れませんが、あれは波動弾の応用であるとの事!
手や足から凝縮した気を発射出来るなら口からもいけるよね?って事だと思うんだけど絵面的には完全アウト!
つか諸に食らってるけど大丈夫か!?』″
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア『ボッ!』「おぐっ!?」ボフッ!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
ドガァアッ!
「うごぁっ!」ズザザッ!
未だ吐き出される波動ブレスだったが、そのブレスの中から赤黒い腕が伸び、ゴフゥの口内に突っ込まれ、強制的にブレスを中断された。
直後、目にも止まらぬ速さで繰り出された連続パンチがゴフゥを襲い、流石の威力に吹き飛ばされた。
『だーっ!流石にウザったい!そしてやっぱ堅ぇなっ!』
「ぐっ…嘘だろ…アレを食らって何でピンピンしてんだ…(ゴフゥ)」
「【獣化】状態の俺達が出せる最大火力だぞ…(ゴファン)」
殴り飛ばされたゴフゥがブレスによって発生した光の奔流に目を向けると、しかめっ面のノアが飛び出してきた。
どうやら吐き出されたブレスは赤黒いオーラに阻まれ、ノアに届いてはいなかったらしい。
(『はっ、龍種のブレスでも無い限りそんな物が通るかよ。』)
(うーん…それにしても【獣化】によって防御力が格段に上がってるな…
力を溜めればいけるかもだけど、2人がそんな隙を与えてくれるとも思えない…
仕方無い、熟練度が規定量に達して進化したスキルで威力の底上げを図るとするか…)
「くっ、ゴフゥ!
次は2人で一斉にやるぞ!2人で力を合わせれば『もう…』…え?」
『もう掴ませない。
反撃の隙も与えずに終わらせてやる。』
『『ゾッ…』』
静かにそう呟いたノアからただならぬ殺気を感じたゴフゥとゴファンの2人。
何かマズイ攻撃がこれから始まる。
そう感じた2人は手を出させまいと攻勢に移るのであった。
「う、うぉおおおおっ!<縮『パ『ゴンッ!!』うぶぉあああっ!?」
「な!?何『パ『ドボォッ!』がぁあああっ!?」
殺気立つノアに仕掛けようとしたゴフゥだったが、いつの間にか側面に移動していたノアの拳が金属を思わせる硬質の腹筋に深くめり込んだ。
隣に居たゴフゥに何が起こったのか一瞬分からなかったゴファンだが、今度は自身の背後で僅かに破裂音の様な物が聞こえた後に強烈な衝撃が背中を襲った。
パンッ!パパンッ!
パパパパパパパパパパパパパンッ!
「「な…なぁっ!?」」
2人は目をひん剥く。
前方から断続的に破裂音が聞こえてくるが、その音の発生源となる者の姿が見えないのだ。
だが瞬間的に赤黒い靄が漂い、僅かに地面から砂埃が上がっている為、ノアの仕業である事は間違い無い。
だがその現象を確認した時には既に別の場所で同じ現象が起こる為対処が出来ず、2人は動くに動けないでいた。
「「「「「「オオオオッ!?(観客)」」」」」」
″『え!?ええええ~っ!?
と、突然【鬼神】の居なくなりました!
…あ、いえ、居るのは分かっているのですが、姿がまるで見付ける事が出来ません!
恐らく<縮地>…はここまで速く無いでしょうから<転移>?に似たスキルでも発動しているのでしょうかぁ!』″
相手の体の向きや傾き、足先の位置や筋肉の動かし方等から次の動きを把握する事は出来る。
だが姿が見えなければどうしようも無い。
と
パパンッ!ザッ、ザザッ!
『っとっと…』
体をフラつかせながらノアが漸く姿を現した。
その場に急停止した為か、足下に砂埃が舞っていた。
『よし、感覚が分かってきた。
お待たせしました、始めましょうか。』
「な、何だその速度は…?」
「今迄の比では無かったぞ…?」
『そりゃそうですよ。
スキルが進化してから始めて使ったのですから。』
「「は?」」
『重量では2人に敵わないので、僕はスピードを上げて攻撃の威力を上げる事にしました。
これが<縮地>の上位スキル<瞬間移動>の力です。これで決着を着けます。』
パァンッ!
そう言ってノアは再び高速移動を開始した。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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