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第二章•魔王編
50話◆魔王さま、無意味な地球の知識持ち。執事はストーカー 。
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「はい、注目!さぁ皆さん、お家に帰りましょうね!!」
地球映像で見た引率の先生みたいにパンパンと手を叩いて少女達に話し掛けるスティーヴンを残し、ロージアを抱きかかえたライアンが歩く。
歩く……ずっと歩く……。歩調を変えずに、もう数キロ。
「お前!転移魔法使えるよな!!
サクッと移動してしまえばいいじゃないか!!
何で僕を抱えたまま歩き続ける!!」
ロージアがライアンの腕から降りようとジタバタ暴れ出す。
むしろ、なぜ数キロも大人しく抱きかかえられていたのだろうか。
「目的地に着いたらロージア様を降ろさなきゃならないじゃないですか。
だから、次の町が見えるまで歩こうかと。」
暴れるロージアの、ライアンからズリ落ちようとする箇所を先回りするようにライアンの腕が掬い上げ、ロージアの足を地面に着かせようとしないライアンは、キラキラな笑顔をロージアに向ける。
ロージアは何だかウナギになった気分だった。
ツルリヌルリとライアンの手から逃れようとするのに、ままならない。
「次の町ってディアナンネか?
兄上達に、こんな姿見せられるワケ無いだろ!!降ろせ!」
元バクスガハーツ帝国だった、この地の一番近くの町は、ディアナンネである。
甥っ子に抱きかかえられた姿を、その甥っ子の両親である兄や妹に見られたくない!
恥ずかし過ぎる!!
ライアンに抱きかかえられたまま、ロージアがライアンに食って掛かり降ろすように訴え続けるが、ライアンは笑顔のまま平然と答える。
「大丈夫です!
俺はもう、ディアナンネには入りませんので見られなくて済みます!だから、その次の町ですね!!」
「何が大丈夫なんだよ!!バッカじゃないの!!!
ディアナンネの次に人が集まる町って、歩いたら数日かかるじゃないか!!!」
「はい。」
ライアンの顔を見て理解した。
こいつは本気だ。
数日、僕を抱きかかえたまま歩き続けるつもりだ。
こいつは魔力も剣の腕も人間離れしているが、体力も化け物並みっぽい。
「………ライアン……お前は僕の…従者になったんだよな……?」
ロージアの問いかけに、ライアンの顔が明るく、そして感極まったように頬を紅潮させ、何度も頷いた。
「はい!そうです!
俺は、貴女の執事であり、剣であり、盾なのです!!
俺を従者と認めて下さるのですね…!」
「認めてやるから、主人の命令を聞け!
許しも無くこの僕を抱きかかえるなど、不敬だ!降ろせ!」
ライアンはロージアを降ろし、地面に片方の膝をついてかしずいた。
「はい、仰せのままに…。」
やっと地面に両足を着く事が出来たロージアは、安堵のため息を漏らす。
精神的に疲労したロージアは、今すぐ地べたに座り込みたかった。
もう、色々疲れ過ぎてダラリと力を抜きたかった。
だが、そんな姿を見せたらまた、ライアンが抱きかかえるかも知れない。
頭のおかしくなったライアンが。
「……お前、ディアーナ達と旅すれば?
僕は疲れたから創造神界に帰って寝る。
旅はもうやめる。じゃーな。」
ライアンに背を向け、転移魔法を使おうとしたロージアの身体が背後から抱きすくめられた。
「それは…なりません。ロージア様。」
「……!!っひ…!!」
16歳となっていたライアンの身長はロージアを上回り、鍛え上げられた身体は、初めて抱き付かれた時のような子供のそれとは大きく違い、大人の男の体躯をしている。
15歳程の、少年寄りの少女の身体を持つ小柄なロージアの身体は容易くライアンに包み込まれて逃げ場を失った。
「スティーヴンさんから、何があっても帰すなと言われております。
俺はお会いした事がありませんが、創造神様のご命令との事。」
背後から抱きすくめられたまま、ライアンの唇がロージアの耳元を掠める。
「ご命令を無視すれば、ロージア様が重い罰を受けるとの事…
俺の主に、そのような事をさせられません。
ですから、この場から…俺の元から逃げると言うのであれば…
俺も貴女を守る為に手段を選びません。」
しゅ、手段てナニ!?なにすんだよ!!
声が出せないまま頭の中で問うが、身体が硬直してライアンに何の返答も出来ない。
「……例えば……貴女を縛りつけて離れないようにするとか……」
ロージアを抱きすくめたライアンの右手が、ロージアの喉元に行き首を撫で、シャツの襟元からライアンの小指がロージアのシャツの中に入る。
「縛りつけて…は、貴女を何処かの場所に閉じ込めて……の場合と、俺に縛りつけて離さない…場合と……」
腰に回されたライアンの左手がロージアのシャツの裾を親指で持ち上げ、滑るように中に入ろうとするのを掴んで止める。
「わ、分かった!分かった!逃げない!
だから…!とりあえず離せ!」
ロージアは硬直した身体を気合いで動かし、ライアンの手を掴んでシャツに潜ろうとするのを制止した。
「…ロージア様、逃げようとなさって良いのですよ?
…俺は貴女を逃がさない自信がありますので…
むしろ、追って捕まえるのも…」
背後からロージアの肩に顎を乗せたライアンが、おっそろしい事を囁く。
怖い!怖い!魔王を怯えさせる人間て、何なの!!
「逃げないって言ってるじゃないか!!!」
強引にライアンから身体を離し、振り返って背後のライアンの身体を力任せに突き飛ばす。
ライアンは僅かに上体を反らせ、笑っている。
くそぅ…!力任せに突き飛ばしたのに、よろけもしない!
「約束ですよ?」
突き飛ばした手を取られ、手の甲に口付けされた。
ゾゾゾッと怖気が走る。
何で?ライアン、いつからこんなんになった?
アホなのは…逢った時からアホだった。
クソガキだった頃に、僕と結婚したいとか言ってたよな?
今も結婚するつもり?
胸がちょうどいいとか、顔が母親に似ているとか、わー!!
思い出したら腹立ってきた!!
「逃げないけど!お前みたいなアホなサイテー男とは、絶対結婚なんてしないからな!!
第一、僕は男だからね!!
お前はその内、可愛い女でも見つけて結婚すりゃいーよ!」
ライアンは微笑んでいる。
何か…怖い…。
「俺はロージア様と結婚出来なくても構いません。
ですが、命尽きるまで傍におります。
貴女が男でも女でも関係ありません。
どちらでも抱けます。」
…………は?
僕は今、何の宣言を受けたの……?
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歩く……ずっと歩く……。歩調を変えずに、もう数キロ。
「お前!転移魔法使えるよな!!
サクッと移動してしまえばいいじゃないか!!
何で僕を抱えたまま歩き続ける!!」
ロージアがライアンの腕から降りようとジタバタ暴れ出す。
むしろ、なぜ数キロも大人しく抱きかかえられていたのだろうか。
「目的地に着いたらロージア様を降ろさなきゃならないじゃないですか。
だから、次の町が見えるまで歩こうかと。」
暴れるロージアの、ライアンからズリ落ちようとする箇所を先回りするようにライアンの腕が掬い上げ、ロージアの足を地面に着かせようとしないライアンは、キラキラな笑顔をロージアに向ける。
ロージアは何だかウナギになった気分だった。
ツルリヌルリとライアンの手から逃れようとするのに、ままならない。
「次の町ってディアナンネか?
兄上達に、こんな姿見せられるワケ無いだろ!!降ろせ!」
元バクスガハーツ帝国だった、この地の一番近くの町は、ディアナンネである。
甥っ子に抱きかかえられた姿を、その甥っ子の両親である兄や妹に見られたくない!
恥ずかし過ぎる!!
ライアンに抱きかかえられたまま、ロージアがライアンに食って掛かり降ろすように訴え続けるが、ライアンは笑顔のまま平然と答える。
「大丈夫です!
俺はもう、ディアナンネには入りませんので見られなくて済みます!だから、その次の町ですね!!」
「何が大丈夫なんだよ!!バッカじゃないの!!!
ディアナンネの次に人が集まる町って、歩いたら数日かかるじゃないか!!!」
「はい。」
ライアンの顔を見て理解した。
こいつは本気だ。
数日、僕を抱きかかえたまま歩き続けるつもりだ。
こいつは魔力も剣の腕も人間離れしているが、体力も化け物並みっぽい。
「………ライアン……お前は僕の…従者になったんだよな……?」
ロージアの問いかけに、ライアンの顔が明るく、そして感極まったように頬を紅潮させ、何度も頷いた。
「はい!そうです!
俺は、貴女の執事であり、剣であり、盾なのです!!
俺を従者と認めて下さるのですね…!」
「認めてやるから、主人の命令を聞け!
許しも無くこの僕を抱きかかえるなど、不敬だ!降ろせ!」
ライアンはロージアを降ろし、地面に片方の膝をついてかしずいた。
「はい、仰せのままに…。」
やっと地面に両足を着く事が出来たロージアは、安堵のため息を漏らす。
精神的に疲労したロージアは、今すぐ地べたに座り込みたかった。
もう、色々疲れ過ぎてダラリと力を抜きたかった。
だが、そんな姿を見せたらまた、ライアンが抱きかかえるかも知れない。
頭のおかしくなったライアンが。
「……お前、ディアーナ達と旅すれば?
僕は疲れたから創造神界に帰って寝る。
旅はもうやめる。じゃーな。」
ライアンに背を向け、転移魔法を使おうとしたロージアの身体が背後から抱きすくめられた。
「それは…なりません。ロージア様。」
「……!!っひ…!!」
16歳となっていたライアンの身長はロージアを上回り、鍛え上げられた身体は、初めて抱き付かれた時のような子供のそれとは大きく違い、大人の男の体躯をしている。
15歳程の、少年寄りの少女の身体を持つ小柄なロージアの身体は容易くライアンに包み込まれて逃げ場を失った。
「スティーヴンさんから、何があっても帰すなと言われております。
俺はお会いした事がありませんが、創造神様のご命令との事。」
背後から抱きすくめられたまま、ライアンの唇がロージアの耳元を掠める。
「ご命令を無視すれば、ロージア様が重い罰を受けるとの事…
俺の主に、そのような事をさせられません。
ですから、この場から…俺の元から逃げると言うのであれば…
俺も貴女を守る為に手段を選びません。」
しゅ、手段てナニ!?なにすんだよ!!
声が出せないまま頭の中で問うが、身体が硬直してライアンに何の返答も出来ない。
「……例えば……貴女を縛りつけて離れないようにするとか……」
ロージアを抱きすくめたライアンの右手が、ロージアの喉元に行き首を撫で、シャツの襟元からライアンの小指がロージアのシャツの中に入る。
「縛りつけて…は、貴女を何処かの場所に閉じ込めて……の場合と、俺に縛りつけて離さない…場合と……」
腰に回されたライアンの左手がロージアのシャツの裾を親指で持ち上げ、滑るように中に入ろうとするのを掴んで止める。
「わ、分かった!分かった!逃げない!
だから…!とりあえず離せ!」
ロージアは硬直した身体を気合いで動かし、ライアンの手を掴んでシャツに潜ろうとするのを制止した。
「…ロージア様、逃げようとなさって良いのですよ?
…俺は貴女を逃がさない自信がありますので…
むしろ、追って捕まえるのも…」
背後からロージアの肩に顎を乗せたライアンが、おっそろしい事を囁く。
怖い!怖い!魔王を怯えさせる人間て、何なの!!
「逃げないって言ってるじゃないか!!!」
強引にライアンから身体を離し、振り返って背後のライアンの身体を力任せに突き飛ばす。
ライアンは僅かに上体を反らせ、笑っている。
くそぅ…!力任せに突き飛ばしたのに、よろけもしない!
「約束ですよ?」
突き飛ばした手を取られ、手の甲に口付けされた。
ゾゾゾッと怖気が走る。
何で?ライアン、いつからこんなんになった?
アホなのは…逢った時からアホだった。
クソガキだった頃に、僕と結婚したいとか言ってたよな?
今も結婚するつもり?
胸がちょうどいいとか、顔が母親に似ているとか、わー!!
思い出したら腹立ってきた!!
「逃げないけど!お前みたいなアホなサイテー男とは、絶対結婚なんてしないからな!!
第一、僕は男だからね!!
お前はその内、可愛い女でも見つけて結婚すりゃいーよ!」
ライアンは微笑んでいる。
何か…怖い…。
「俺はロージア様と結婚出来なくても構いません。
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貴女が男でも女でも関係ありません。
どちらでも抱けます。」
…………は?
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