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143話◆緑豊かな土属性の魔法使い。
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魔法に貴賤は無い━━自称女神の、言動の可笑しな美しい少女にそう言われたオースティンは応接室の長椅子に座り項垂れた。
「確かに魔法自体には貴賤は無いのかも知れないが…」
この世界では魔法が珍しくはないとは言え、全ての者が魔法を使える訳では無い。
それゆえにどの様なカタチであれ、魔法を使えるというだけで羨望の眼差しを向けられる事もある。
だがウィットワース伯爵家ではそうはいかなかった。
土属性の魔法を使える者が多かったウィットワース家の騎士は、その力を用いて戦場では護りの要として重用された。
君主の側に仕え主の前に盾となる壁を作り、あるいは敵に向け石つぶての雨を降らす。
代々その様な誉れ高き騎士を輩出してきたウィットワース家の当主は、オースティンが使える魔法を知り落胆した。
━━土壌を豊かにする魔法だと?
騎士には使う意味の無い力だ。
農民じゃあるまいに━━
「……はぁ……俺だって、こんな力を好きこのんで手に入れたワケじゃない。」
土属性の魔法を使える資質を持ちながら、オースティンには先代達の様に土を壁や石つぶてに変化させる魔法は一切使えなかった。
昨夜のマンバドナ襲撃時に、そんな戦力になり得ない魔法を使ったからと言って何が出来たと言うのだろうか。
オースティンは項垂れたまま溜め息をつき、緩く首を振った。
やがてオースティンが仮眠を取った応接室の扉がノックされた。
オースティンの許しを得てドアが開き、カチュアと従者の青年が部屋に入って来た。
カチュアは長椅子に座ったままボンヤリしているオースティンの前に行き、身を屈めて目線を合わせた。
「睡眠を取らせて頂きありがとうございます。
少し落ち着きました。
……オースティン様も、あまり睡眠が取れてないとうかがいましたが、大丈夫ですか?」
身を屈めて合わされたカチュアの瞳に、呆けた自分の姿が映るのを見たオースティンはポロポロと涙を零し始めた。
オースティンの目の前に居たカチュアより先に、従者の青年が「げっ!」と素で声を上げてしまう。
カチュアが応接室に居るオースティンを訪ねて来たのは、邸を去る挨拶の為なのだろう。
そして邸を去れば、今後カチュアがオースティンに会う理由は無くなる。
これがカチュアとの永遠の別れのように感じてしまったオースティンは高ぶる感情を抑え切れず、堰を切ったかの様に泣き出してしまった。
「カチュア殿……私は……私は……!
貴方と離れたくないんです……!
貴方は、この邸を去れば私の事など無かった事の様に忘れてしまう!
私は貴方の中に何も残せない!それが嫌なのです!」
泣いて縋るオースティンに、どうして良いか分からずにカチュアは無言で固まっている。
従者の青年はそおっとカチュアとオースティンの側に近寄り、号泣するオースティンと虚無の表情をしているカチュアとを見比べる様に目を左右に動かして何度も見た。
「嫌なのです!…ってオースティン様、そんな事を言ったってカチュア様を困らせるだけですよ。
ね、カチュア様。」
名を呼ばれ、虚無の状態だったカチュアが八っと表情を取り戻した。
カチュアは顔面を涙でグシャグシャにしたオースティンの左側の目尻を親指で拭い、頭を下げた。
「オースティン様が私を思うお気持ちは有り難いのですが、今の私にはそれに対する答えを考える余裕すらありません。
……私の憂いが晴れたら、その答えを届けに参ります。
それまでどうか、お待ち下さいますよう。」
━━嘘だ……カチュアはもう自ら俺に会いに来たりしない。
でも、それを「嘘だ」と追及して何になる?
そんな事をすればカチュアは俺を軽蔑し、二度と近寄らせてくれなくなる━━
「分かりました……私も、カチュア殿のために何かお力になれる事が無いか……考えてみます。」
泣きじゃくりながらもオースティンはカチュアの言う事を涙を呑んで無理矢理受け入れた。
自身が仕える主のために奔走するカチュアを無茶を言って繋ぎ止めておく事は出来ない。
ホッと安堵の溜め息をついたカチュアと従者の青年。
少し間を置き、カチュアはウィットワース伯爵邸を去って行った。
カチュアを見送る事も出来ずに終始、仮眠を取ったままの長椅子でぼーっとしていたオースティンの目の前にに、カチュアを見送り戻って来た従者の青年が手をかざして意識の確認をする様に振った。
「もしもし?オースティン様、生きてらっしゃいますか?
いつまでも応接室に引きこもってられちゃ困りますよ?」
「……かろうじて生きている。でも、死んだ様な気分だ…」
「死んだ事も無いクセに、死んだ気分なんて分かりゃしないでしょうが。
いつまでウジウジしてるんですか!
いい大人が大号泣した挙げ句に引きこもりって。
ますますカチュア様に愛想を尽かされますよ!」
従者の口からカチュアの名を聞き、ピクッと反応を見せたオースティンは、従者の方に泣き腫らした目を向けた。
「だったら、どうすればいい?
愛されなくとも、彼女の側に居たい…それを許されるには…俺の事を忘れないでいて貰うには!」
真剣な眼差しで問うて来るオースティンに従者の青年が苦笑した。
「いやぁ…オースティン様、ホント性格が変わりましたよね。
今までお付き合いしたレディ達が見たら驚くだろうなぁ…」
「誰にどう思われようと構わない、カチュア殿に俺を認められさえすれば!」
「そりゃ好印象を持って貰うのが一番ですね。
でしたら、オースティン様がカチュア様の憂いを晴らすのに1役買うのはどうですか?
カチュア様は情報を欲しているご様子。
こちらでも情報を集めてカチュア様にお渡しましょう。」
それには危険が伴い、再びマンバドナの様な賊に生命を脅かされる可能性もある。
「俺はカチュア殿の為なら生命も惜しくは無いが、お前まで危険に晒してしまう事になる。」
「それは…構いませんよ。オースティン様のお役に立てるならば私の身など。
我々はヒールナー伯爵家にて起こった事件も詳しくは知りません。
カチュア様の父君がマンバドナに怪我を負わされて使用人が拐われたとしか。
正直たかが使用人が1人拐われた位で、ここまで大事となっているのが不思議に思える位です。」
「お前が拐われたって俺は懸命に探すぞ。
友であるお前を失いたくないからな。
使用人だとかは関係無い。」
オースティンの答えに面食らった様な表情を見せた従者だったが、フッと照れくさそうに笑った。
「ありがとうございます…でしたら、我々もカチュア様の為に頑張りませんとね。」
「時間もそう無い、早速取り掛かろう。」
ヒールナー伯爵家に仕えるスファイという少年の素性、そして「赤い宝石」という言葉。
これらが繋がる何らかを調べるべく、オースティン達は情報を募り始めた。
▼
▼
▼
ヒールナー伯爵邸に帰ったカチュアは、真っ先にミランダの居る寝室を訪ねた。
寝室にはサイモンもおり、ベッドに腰掛けたミランダの周りにはたくさんの菓子と果物が並べてあった。
「奥様、ただいま戻りました。」
「カチュア、お帰りなさい。
会うのは久しぶりなハズなんだけど、さっきまで会ってたのにって感じがするわね。」
ミランダの言葉に、カチュアが「やはり、あれはただの夢ではなかったのか」と納得した。
「夢でお会いしましたよね…?
一緒に食しましたし、あの灰色をした不気味な…」
「ええ、モアイの黒ゴマプリンを食べたわね。」
カチュアとミランダの意味不明な会話を聞き、サイモンがあからさまに不機嫌な顔をした。
「俺の知らない所で2人、楽しそうな逢瀬を…」
「夢の中の話なんで!
わたし達の意思に関係無くディアーナに呼び出されたんだから変なヤキモチ妬かないで下さい!
カチュアが萎縮しちゃうでしょ!」
ムスッとしたサイモンの袖をミランダが摘み、クイクイ引っ張りながらサイモンを嗜める。
カチュアは苦笑しつつ、夢での会話を振り返る。
「夢とは言え、現実とたがわず自分の意思で会話が出来、その記憶も鮮明にある…不思議な経験をしました。
それでディアーナ様の言っていた話なんですが。」
「うん…肝心の事は何にも言って無かった気がするわね。単なる激励と言うか……。
結局、何の手掛かりも無いままだわ。」
はぁーっと溜め息を吐いてミランダがサイモンを見る。
サイモンは無言で首を横に振った。
サイモンの方でも情報を集めてはいるが、思った様な効果は得られてないようだ。
「スファイは無事かしら…心配だわ。」
「誘拐されたまま飲まず食わずで囚われているとしたら…もうとうに限界を迎えていてもおかしくありませんが。
でも遺体が見つかってないので無事かも知れません。」
縁起でもない事をサラリと口にしたカチュアにミランダが焦る。
夢の中でディアーナが言った『スファイは死にやすい』がミランダの頭の中でリフレイン状態になった。
「縁起でもない事を言わないでよカチュアぁ!」
「申し訳御座いません…ですが、唯一の手掛かりであったマンバドナが廃人のような状態ですし情報が得られませんでした。
赤い宝石が何を示しているかも分からず。」
「それ多分、赤い宝石と青い宝石の事だと思うの。
………だから、それが何なんだって情報が無いんだけど!」
ミランダは頭を抱えた。
垣間見た前世でゲームの記憶でヒロインが赤と青の宝石をスファイの目に例えていたが……だから、それが何のフラグよ!って伏線未回収な状態でゲームは終わっている。
「創造神様、この世界とゲームをリンクさせたなら、もうちょい分かりやすくして欲しかったわ。」
このいい加減さは、ジャンセンさんらしいと言えばそうなんだけど。
サイモンが言うには、街の方でも最近若者の行方不明事件が多発しているという。
だが、それらも足取りが掴めず行方不明者の捜索は難航している模様。
その若者の行方不明事件とスファイが拐われた事が同一の事件である事を、わたし達はディアーナから聞いて知ってるけれど、その理由等については知らされてないし結局手詰まり状態。
「詰んだ…?
いや、スファイ達が生かされてる状態ならばまだ希望はある。」
スファイが死ぬというバッドエンドだけは何としても避けたい。
スファイが死んだらメイが悲しむもの………
悲しむ……メイが……?
悲しむのかしら??
「確かに魔法自体には貴賤は無いのかも知れないが…」
この世界では魔法が珍しくはないとは言え、全ての者が魔法を使える訳では無い。
それゆえにどの様なカタチであれ、魔法を使えるというだけで羨望の眼差しを向けられる事もある。
だがウィットワース伯爵家ではそうはいかなかった。
土属性の魔法を使える者が多かったウィットワース家の騎士は、その力を用いて戦場では護りの要として重用された。
君主の側に仕え主の前に盾となる壁を作り、あるいは敵に向け石つぶての雨を降らす。
代々その様な誉れ高き騎士を輩出してきたウィットワース家の当主は、オースティンが使える魔法を知り落胆した。
━━土壌を豊かにする魔法だと?
騎士には使う意味の無い力だ。
農民じゃあるまいに━━
「……はぁ……俺だって、こんな力を好きこのんで手に入れたワケじゃない。」
土属性の魔法を使える資質を持ちながら、オースティンには先代達の様に土を壁や石つぶてに変化させる魔法は一切使えなかった。
昨夜のマンバドナ襲撃時に、そんな戦力になり得ない魔法を使ったからと言って何が出来たと言うのだろうか。
オースティンは項垂れたまま溜め息をつき、緩く首を振った。
やがてオースティンが仮眠を取った応接室の扉がノックされた。
オースティンの許しを得てドアが開き、カチュアと従者の青年が部屋に入って来た。
カチュアは長椅子に座ったままボンヤリしているオースティンの前に行き、身を屈めて目線を合わせた。
「睡眠を取らせて頂きありがとうございます。
少し落ち着きました。
……オースティン様も、あまり睡眠が取れてないとうかがいましたが、大丈夫ですか?」
身を屈めて合わされたカチュアの瞳に、呆けた自分の姿が映るのを見たオースティンはポロポロと涙を零し始めた。
オースティンの目の前に居たカチュアより先に、従者の青年が「げっ!」と素で声を上げてしまう。
カチュアが応接室に居るオースティンを訪ねて来たのは、邸を去る挨拶の為なのだろう。
そして邸を去れば、今後カチュアがオースティンに会う理由は無くなる。
これがカチュアとの永遠の別れのように感じてしまったオースティンは高ぶる感情を抑え切れず、堰を切ったかの様に泣き出してしまった。
「カチュア殿……私は……私は……!
貴方と離れたくないんです……!
貴方は、この邸を去れば私の事など無かった事の様に忘れてしまう!
私は貴方の中に何も残せない!それが嫌なのです!」
泣いて縋るオースティンに、どうして良いか分からずにカチュアは無言で固まっている。
従者の青年はそおっとカチュアとオースティンの側に近寄り、号泣するオースティンと虚無の表情をしているカチュアとを見比べる様に目を左右に動かして何度も見た。
「嫌なのです!…ってオースティン様、そんな事を言ったってカチュア様を困らせるだけですよ。
ね、カチュア様。」
名を呼ばれ、虚無の状態だったカチュアが八っと表情を取り戻した。
カチュアは顔面を涙でグシャグシャにしたオースティンの左側の目尻を親指で拭い、頭を下げた。
「オースティン様が私を思うお気持ちは有り難いのですが、今の私にはそれに対する答えを考える余裕すらありません。
……私の憂いが晴れたら、その答えを届けに参ります。
それまでどうか、お待ち下さいますよう。」
━━嘘だ……カチュアはもう自ら俺に会いに来たりしない。
でも、それを「嘘だ」と追及して何になる?
そんな事をすればカチュアは俺を軽蔑し、二度と近寄らせてくれなくなる━━
「分かりました……私も、カチュア殿のために何かお力になれる事が無いか……考えてみます。」
泣きじゃくりながらもオースティンはカチュアの言う事を涙を呑んで無理矢理受け入れた。
自身が仕える主のために奔走するカチュアを無茶を言って繋ぎ止めておく事は出来ない。
ホッと安堵の溜め息をついたカチュアと従者の青年。
少し間を置き、カチュアはウィットワース伯爵邸を去って行った。
カチュアを見送る事も出来ずに終始、仮眠を取ったままの長椅子でぼーっとしていたオースティンの目の前にに、カチュアを見送り戻って来た従者の青年が手をかざして意識の確認をする様に振った。
「もしもし?オースティン様、生きてらっしゃいますか?
いつまでも応接室に引きこもってられちゃ困りますよ?」
「……かろうじて生きている。でも、死んだ様な気分だ…」
「死んだ事も無いクセに、死んだ気分なんて分かりゃしないでしょうが。
いつまでウジウジしてるんですか!
いい大人が大号泣した挙げ句に引きこもりって。
ますますカチュア様に愛想を尽かされますよ!」
従者の口からカチュアの名を聞き、ピクッと反応を見せたオースティンは、従者の方に泣き腫らした目を向けた。
「だったら、どうすればいい?
愛されなくとも、彼女の側に居たい…それを許されるには…俺の事を忘れないでいて貰うには!」
真剣な眼差しで問うて来るオースティンに従者の青年が苦笑した。
「いやぁ…オースティン様、ホント性格が変わりましたよね。
今までお付き合いしたレディ達が見たら驚くだろうなぁ…」
「誰にどう思われようと構わない、カチュア殿に俺を認められさえすれば!」
「そりゃ好印象を持って貰うのが一番ですね。
でしたら、オースティン様がカチュア様の憂いを晴らすのに1役買うのはどうですか?
カチュア様は情報を欲しているご様子。
こちらでも情報を集めてカチュア様にお渡しましょう。」
それには危険が伴い、再びマンバドナの様な賊に生命を脅かされる可能性もある。
「俺はカチュア殿の為なら生命も惜しくは無いが、お前まで危険に晒してしまう事になる。」
「それは…構いませんよ。オースティン様のお役に立てるならば私の身など。
我々はヒールナー伯爵家にて起こった事件も詳しくは知りません。
カチュア様の父君がマンバドナに怪我を負わされて使用人が拐われたとしか。
正直たかが使用人が1人拐われた位で、ここまで大事となっているのが不思議に思える位です。」
「お前が拐われたって俺は懸命に探すぞ。
友であるお前を失いたくないからな。
使用人だとかは関係無い。」
オースティンの答えに面食らった様な表情を見せた従者だったが、フッと照れくさそうに笑った。
「ありがとうございます…でしたら、我々もカチュア様の為に頑張りませんとね。」
「時間もそう無い、早速取り掛かろう。」
ヒールナー伯爵家に仕えるスファイという少年の素性、そして「赤い宝石」という言葉。
これらが繋がる何らかを調べるべく、オースティン達は情報を募り始めた。
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ヒールナー伯爵邸に帰ったカチュアは、真っ先にミランダの居る寝室を訪ねた。
寝室にはサイモンもおり、ベッドに腰掛けたミランダの周りにはたくさんの菓子と果物が並べてあった。
「奥様、ただいま戻りました。」
「カチュア、お帰りなさい。
会うのは久しぶりなハズなんだけど、さっきまで会ってたのにって感じがするわね。」
ミランダの言葉に、カチュアが「やはり、あれはただの夢ではなかったのか」と納得した。
「夢でお会いしましたよね…?
一緒に食しましたし、あの灰色をした不気味な…」
「ええ、モアイの黒ゴマプリンを食べたわね。」
カチュアとミランダの意味不明な会話を聞き、サイモンがあからさまに不機嫌な顔をした。
「俺の知らない所で2人、楽しそうな逢瀬を…」
「夢の中の話なんで!
わたし達の意思に関係無くディアーナに呼び出されたんだから変なヤキモチ妬かないで下さい!
カチュアが萎縮しちゃうでしょ!」
ムスッとしたサイモンの袖をミランダが摘み、クイクイ引っ張りながらサイモンを嗜める。
カチュアは苦笑しつつ、夢での会話を振り返る。
「夢とは言え、現実とたがわず自分の意思で会話が出来、その記憶も鮮明にある…不思議な経験をしました。
それでディアーナ様の言っていた話なんですが。」
「うん…肝心の事は何にも言って無かった気がするわね。単なる激励と言うか……。
結局、何の手掛かりも無いままだわ。」
はぁーっと溜め息を吐いてミランダがサイモンを見る。
サイモンは無言で首を横に振った。
サイモンの方でも情報を集めてはいるが、思った様な効果は得られてないようだ。
「スファイは無事かしら…心配だわ。」
「誘拐されたまま飲まず食わずで囚われているとしたら…もうとうに限界を迎えていてもおかしくありませんが。
でも遺体が見つかってないので無事かも知れません。」
縁起でもない事をサラリと口にしたカチュアにミランダが焦る。
夢の中でディアーナが言った『スファイは死にやすい』がミランダの頭の中でリフレイン状態になった。
「縁起でもない事を言わないでよカチュアぁ!」
「申し訳御座いません…ですが、唯一の手掛かりであったマンバドナが廃人のような状態ですし情報が得られませんでした。
赤い宝石が何を示しているかも分からず。」
「それ多分、赤い宝石と青い宝石の事だと思うの。
………だから、それが何なんだって情報が無いんだけど!」
ミランダは頭を抱えた。
垣間見た前世でゲームの記憶でヒロインが赤と青の宝石をスファイの目に例えていたが……だから、それが何のフラグよ!って伏線未回収な状態でゲームは終わっている。
「創造神様、この世界とゲームをリンクさせたなら、もうちょい分かりやすくして欲しかったわ。」
このいい加減さは、ジャンセンさんらしいと言えばそうなんだけど。
サイモンが言うには、街の方でも最近若者の行方不明事件が多発しているという。
だが、それらも足取りが掴めず行方不明者の捜索は難航している模様。
その若者の行方不明事件とスファイが拐われた事が同一の事件である事を、わたし達はディアーナから聞いて知ってるけれど、その理由等については知らされてないし結局手詰まり状態。
「詰んだ…?
いや、スファイ達が生かされてる状態ならばまだ希望はある。」
スファイが死ぬというバッドエンドだけは何としても避けたい。
スファイが死んだらメイが悲しむもの………
悲しむ……メイが……?
悲しむのかしら??
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