王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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白鳥雪 編

第20話

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この日黒羽は、仕事を休んでしまった。
(雪、ごめんなさい...)
窓辺から海を見ながら歌っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「~♪」
◯「...黒羽」
「あ、雪...。おかえりなさい」
◯「今の歌、もう一度歌っていただけますか?」
「...?うん。...~♪」
◯「...!」
「きゃっ!?...どうしたの、雪...」
急に抱きしめられた。突然のことに焦る黒羽。
◯「あなた、だったのですね...」
「ん?何が...?」
◯「あなたがあの日、私を助けてくださったのですね」
「...もしかして、『勿忘草』」
◯「...はい」
雪ははじめから説明してくれた。
遥の仕事で一緒に船に乗っていたこと。
遥が流されそうになったのを庇って自らが流されたこと...。
◯「しかしながら、あの女性は人魚だったような気がするのです」
「雪、あのね...。ちゃんと説明するから聞いてほしいの」
黒羽も説明した。
助けた相手が心配で人間になりたいと海の魔王に願ったこと。
その時もらった薬の代償で足が痛むこと...。
◯「...そうでしたか」
「黙っててごめんなさい...」
◯「いえ、なかなか言えることではないでしょう。それにしても...『人の縁は固く結ばれている』というやつでしょうか」
「それって、」
◯「はい。...姉の言葉です。その時から絆が繋がっていたのかもしれません。それと...あの時は、ありがとうございました。ずっとお礼が言いたかったのです」
そう言ってキスをする。
「でも、私が陸にあがって見つけた王子様は...雪だよ」
◯「はい、私も見つけた姫君は、あなたですから」
お互いの顔を見合わせて笑った。
◯「それなら、あなたの足の痛み止め、私が頑張って完成させますね」
「ありがとう、雪...」
雪と出会えてよかったと心から思う黒羽だった。
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