王子と内緒の人魚姫

黒蝶

文字の大きさ
609 / 732
緑川真人 篇

第19話

しおりを挟む
○「遥様...!」
「やっぱりここだったんだね、雪」
▼「おい、危ねえ!」
(あ...)
真人がそっと抱き寄せてくれた。
▲「大丈夫...?」
「うん」
☆「何故ここだと思ったんだ?」
そこは、一軒の漢方屋だった。
「雪と渚が仲良しだって聞いたから、もしかしたらって思ったの...」
○「今しがた、丁度遥様を探そうとしていたところでした。渚にも頼んだ方が早いと思いまして...」
▼「探索する前に見つかったがな」
渚はため息をついている。
▼「おまえ、本当に方向音痴だな」
☆「う...うるさい」
▲「渚、頼んでおいたものは?」
▼「ん?ああ、これか」
見たこともないような小包を出す。
「それ、なあに?」
▲「ああ、ちょっとね...」
▼「お前のためだって言えばいいだろう」
黒羽の方を指差して渚が意地悪な笑みを浮かべている。
▲「な、渚!」
「私の...?」
(もしかして)
▲「その、まだ足が痛そうだったから...」
○「相変わらず、足の痛みが酷いようですね...」
「...ごめんなさい」
▲「俺は、きみにそんな顔をさせたかった訳じゃない。ただ...黒羽に、ずっと笑っていてほしいから、ただそれだけなんだ」
☆▼○「...!」
真人は黒羽をそのまま抱き寄せ、そっとキスをした。
「真人...」
▲「...」
しばらく場が静まり返った。
▲「うわぁ!?ご、ごめん!また俺...」
○「足の件に関しましては私も協力させていただきます。さあ、お二人の邪魔にならないように...遥様、いきますよ」
☆「ま、またな」
▼「俺も店に戻る」
三人が散り散りに散っていったあと...
▲「な、なんかごめん...」
「私は、嫌じゃなかったよ?」
▲「黒羽...」
誰も見ていないことを確認して、二人はもう一度キスをした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...