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緑川真人 篇
第20話
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街からの帰り道、偶然男性に会った。
ー「おや?きみは緑川先生の...」
真人は嫌そうな顔をして、
▲「...こんばんは」
いつもとは違う笑顔を浮かべていた。
(...真人、様子がおかしい)
▲「失礼します」
いつでもにこやかにしている真人が暗い表情で乾いた口調で答える。
「真人...?」
▲「なんでもない。帰ろうか」
そう言ったときの真人はいつもの真人だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▲「うん、美味しい!」
(さっきのこと、聞いてみようかな...)
「真人、さっきの人...」
▲「なんでもないよ」
真人はまた、暗い表情をしている。
「ごめん、忘れて。...ごちそうさまでした」
その時流れた涙を真人は見逃さなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「私じゃ、力になれないの?私じゃ真人のために、何か出来ないの?私じゃ...真人を、支えられないの?」
ポロポロと零れ落ちる雫を掬いとれるものはおらず...
▲「ごめんね」
雫は、いつの間にか真人に掬いとられていた。
「真、人」
▲「今は話したくない。...ううん、話すのが怖いんだ。それに、今日は疲れたでしょ?だから...ちゃんと話すのは、もう少しあとにするね」
「うん」
▲「黒羽が悪い訳じゃないから...だから、泣くときは一人で泣かないで?少しだけ、俺も頼らせてね」
「...うん」
▲「よしよし」
黒羽が泣きつかれて寝てしまうまで、ずっと頭を撫で続けていた...。
ー「おや?きみは緑川先生の...」
真人は嫌そうな顔をして、
▲「...こんばんは」
いつもとは違う笑顔を浮かべていた。
(...真人、様子がおかしい)
▲「失礼します」
いつでもにこやかにしている真人が暗い表情で乾いた口調で答える。
「真人...?」
▲「なんでもない。帰ろうか」
そう言ったときの真人はいつもの真人だった。
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▲「うん、美味しい!」
(さっきのこと、聞いてみようかな...)
「真人、さっきの人...」
▲「なんでもないよ」
真人はまた、暗い表情をしている。
「ごめん、忘れて。...ごちそうさまでした」
その時流れた涙を真人は見逃さなかった。
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「私じゃ、力になれないの?私じゃ真人のために、何か出来ないの?私じゃ...真人を、支えられないの?」
ポロポロと零れ落ちる雫を掬いとれるものはおらず...
▲「ごめんね」
雫は、いつの間にか真人に掬いとられていた。
「真、人」
▲「今は話したくない。...ううん、話すのが怖いんだ。それに、今日は疲れたでしょ?だから...ちゃんと話すのは、もう少しあとにするね」
「うん」
▲「黒羽が悪い訳じゃないから...だから、泣くときは一人で泣かないで?少しだけ、俺も頼らせてね」
「...うん」
▲「よしよし」
黒羽が泣きつかれて寝てしまうまで、ずっと頭を撫で続けていた...。
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