王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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茶園 渚篇

第14話

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♪「ねえ、この人たちって...」
○「渚...」
▼「仕方ねえだろ、これは俺の分野だからな。...錬、そっちでも調べられるか?」
♪「勿論!データベースを探ってみるよ」
☆「今日はここまでだな」
(何か分かったのかな...?)
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みんなが帰ったあと...
黒羽は白玉にご飯をあげながら、渚の方を見る。
「美味しい?」
白玉はもぐもぐと食べている。
「よかった」
そっと頭を撫でると、白玉はすり寄ってくる。
この日はパンの耳をあげたのだが、どうやら可愛い形がいいらしく...渚がただあげただけでは食べないので、黒羽がアレンジして食べさせている。
▼「おい」
「...?」
▼「これ、やる。持っとけ」
「これって何?」
▼「...ロザリオだ」
「ロザリオ?」
▼「...お前は無知すぎる」
「ごめんなさい」
黒羽は少し落ち込んだ。
▼「...そのために俺がいる」
「え?」
▼「だから、怖いことも辛いことも、一人で我慢するな。...いいな?」
「渚...ありがとう!」
ふわり。
後ろから思い切り渚を抱きしめた。
▼「い、いきなり何するんだ...!」
「...ごめんなさい!」
黒羽は離れようとしたものの、渚が身体を反転させ、ぎゅっと抱きしめてくる。
「渚...?」
▼「おまえ...柔らかいな」
「?」
▼「絶対に守るから、だから...いなくなったり、するなよ」
「うん。私は渚のそばにいるよ」
▼「あと、できるだけ名前で呼んでやる」
「えっ...」
▼「だがその前に、俺で後悔しないのか?」
「前も似たようなこと言ってたね」
▼「ああ」
「私は渚がいいの。渚じゃなきゃ、嫌なの」
(渚は何を抱えているんだろう?)
▼「なら、後悔はさせない。だが、まだ話せないことがある。許してほしい」
「うん。話したくなったらいつでも話してね」
▼「...ありがとう、黒羽」
この日はじめて、渚がきちんと黒羽の名前を呼んだ気がした。

そのあと何度も口づけを交わす二人を遠くから見つめる白玉は、とても穏やかな顔をしていた...。
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