707 / 732
茶園 渚 続篇
第2話
しおりを挟む
家に着いた頃には、もう夜中だった。
▼「...」
「渚?怒ってる...?」
そう聞くと、黒羽はいきなり強く抱きしめられた。
「渚、痛いよ」
▼「ちょっと黙ってろ」
「でも、」
▼「あんな奴に笑顔を見せつけやがって」
「?」
▼「...あんなに嬉しそうな顔、他の奴に見せるなよ」
「!」
渚の小さな呟きに、黒羽はとても心踊った。
「ありがとう、渚」
ふわり。
▼「なっ...」
「渚、嫉妬してくれたんでしょ?」
▼「う、うるせえ」
「ふふ...」
『なぎ すなおに なって』
▼「白玉まで言うのかよ...」
黒羽は白玉にも微笑みかけた。
「嫉妬してくれて、ありがとう」
▼「なんでおまえはいつもそうなんだよ...」
「?」
▼「おまえといると、どんなことでも悪くないと思う。嫉妬なんてカッコ悪くて言えねえと思ってたけど、おまえとならいいと思う。ただ、バレないようにと思ったのに...くそっ」
「私は、そんな渚も好きだよ」
ふわり。
▼「白玉。ちょっと部屋に行ってろ」
「え、え、」
身体が少し浮いたかと思うと、渚の唇が触れて...
「んっ!」
▼「もう少し、このまま声聞かせろよ」
「渚、待っ...」
▼「待てない」
「ぁ...はぅ...な、ぎ」
どさりとソファにおろされる。
▼「おまえの声なら、俺が独占したい」
「渚...」
二人で溶けていきながら、そのまま夜は更けていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「悪い」
「何が?」
▼「おまえが危険かもしれないときに、俺は...」
「気にしないで、渚はすごく優しいから...私は嫌じゃないよ」
黒羽はいつものようにふわりと笑った。
しばらく見つめあっていると、白玉がとてとてと寄ってくる。
『なぎ くれはと らぶらぶ』
▼「う、うるせえ」
『いちゃいちゃ なかよし』
▼「恥ずかしいからもう言うな」
渚は恥ずかしそうにぱっと顔を背けた。
「白玉、私も恥ずかしいから...」
『くれは』
「どうしたの?」
『ありがとう』
「!」
二人に向かって、白玉が微笑んでくれたような気がした。
「ご飯作るね!」
▼「あ、ああ...。そしたらまた出掛けるか」
「うん!」
実は二人で決めたことがある。
それは、《いつもどおりに過ごす》こと。
出掛けられるのは黒羽にとって、最高の喜びだ。
▼「但し、今日は仕事を手伝ってもらう」
「お仕事?」
▼「ああ。いい加減、漢方屋をあけないと客が困るからな」
(渚はやっぱり優しいな...)
「お仕事教えて?」
▼「準備はいいか?」
「うん」
黒羽は渚とともに...白玉も一緒に店へと向かった。
▼「...」
「渚?怒ってる...?」
そう聞くと、黒羽はいきなり強く抱きしめられた。
「渚、痛いよ」
▼「ちょっと黙ってろ」
「でも、」
▼「あんな奴に笑顔を見せつけやがって」
「?」
▼「...あんなに嬉しそうな顔、他の奴に見せるなよ」
「!」
渚の小さな呟きに、黒羽はとても心踊った。
「ありがとう、渚」
ふわり。
▼「なっ...」
「渚、嫉妬してくれたんでしょ?」
▼「う、うるせえ」
「ふふ...」
『なぎ すなおに なって』
▼「白玉まで言うのかよ...」
黒羽は白玉にも微笑みかけた。
「嫉妬してくれて、ありがとう」
▼「なんでおまえはいつもそうなんだよ...」
「?」
▼「おまえといると、どんなことでも悪くないと思う。嫉妬なんてカッコ悪くて言えねえと思ってたけど、おまえとならいいと思う。ただ、バレないようにと思ったのに...くそっ」
「私は、そんな渚も好きだよ」
ふわり。
▼「白玉。ちょっと部屋に行ってろ」
「え、え、」
身体が少し浮いたかと思うと、渚の唇が触れて...
「んっ!」
▼「もう少し、このまま声聞かせろよ」
「渚、待っ...」
▼「待てない」
「ぁ...はぅ...な、ぎ」
どさりとソファにおろされる。
▼「おまえの声なら、俺が独占したい」
「渚...」
二人で溶けていきながら、そのまま夜は更けていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「悪い」
「何が?」
▼「おまえが危険かもしれないときに、俺は...」
「気にしないで、渚はすごく優しいから...私は嫌じゃないよ」
黒羽はいつものようにふわりと笑った。
しばらく見つめあっていると、白玉がとてとてと寄ってくる。
『なぎ くれはと らぶらぶ』
▼「う、うるせえ」
『いちゃいちゃ なかよし』
▼「恥ずかしいからもう言うな」
渚は恥ずかしそうにぱっと顔を背けた。
「白玉、私も恥ずかしいから...」
『くれは』
「どうしたの?」
『ありがとう』
「!」
二人に向かって、白玉が微笑んでくれたような気がした。
「ご飯作るね!」
▼「あ、ああ...。そしたらまた出掛けるか」
「うん!」
実は二人で決めたことがある。
それは、《いつもどおりに過ごす》こと。
出掛けられるのは黒羽にとって、最高の喜びだ。
▼「但し、今日は仕事を手伝ってもらう」
「お仕事?」
▼「ああ。いい加減、漢方屋をあけないと客が困るからな」
(渚はやっぱり優しいな...)
「お仕事教えて?」
▼「準備はいいか?」
「うん」
黒羽は渚とともに...白玉も一緒に店へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる