王子と内緒の人魚姫

黒蝶

文字の大きさ
12 / 732
コラボストーリー

4滴目『スリーペア』・壱(White×Black)

しおりを挟む
《黒羽目線》
「メルちゃん、こっちだよ」
ー*ー「はい!」
私はメルちゃんを連れて温泉にきていた。
二人しかいないのに、とても広く創られていた。
(これだけ大人数になることもあるってことかな?)
ー*ー「黒羽さん...?」
私が何も話さなかったので、メルちゃんを不安がらせてしまったようだ。
「ごめんね、広いなって思って...」
ー*ー「普通はこんなに広くないんですか?」
「ここまでは広くないかな」
メルちゃんの体は傷だらけで、とても痛そうだった。
「メルちゃん、答えたくないかもしれないけど...その傷痕、どうしたの?」
ー*ー「これは、その...」
色違いの瞳がゆらゆらと切なげに揺れている。
「ごめんね」
ー*ー「いえ、ちゃんと話します。これは...」
メルちゃんはその傷について教えてくれた。
それは、聞いている私まで痛くなるような話だった。
(そんなことがあったなんて...)
「メルちゃん、あのね!」
話そうとしたその時、壁の向こうから聞き覚えのある声が聞こえた。
「いきなり攻撃はズルいです!」
ー**ー「エリックが苦戦してるの、珍しいね」
(何かで遊んでいるのかな?)
ー*ー「あの...気を遣わせてしまってごめんなさい」
「ううん、私の方こそごめんね。それにしても...メルちゃん、お肌すべすべだね」
ー*ー「そうですか?」
私は痣を避けつつメルちゃんの体をぺたぺた触っていた。
ー*ー「ふふ、くすぐったいです」
ふわふわした笑顔をみせてくれて、私はほっとした。
(メルちゃん、可愛いな...)
《渚目線》
▼「これの使い方、分かるか?」
ー**ー「...こう、ですか?」
「カムイ、あとで覚えておけよ」
俺たちは年甲斐もなく、水鉄砲でわいわい遊んでいた。
○「こんなふうに騒ぐのは久しぶりな気がする」
▼「そうだな」
他の奴等とも騒いだりするが、最近は仕事の都合で日程が合わなくなり、まともに会えていなかった。
▼「...」
俺はエリックに向かって1発撃った。
「いきなり攻撃はズルいです!」
ー**ー「エリックが苦戦してるの、珍しいね」
「う...」
ー**ー「えっ!」
エリックはいきなり連射しはじめた。
...カムイに向かって。
俺と雪は呆然とその様子を見守った。
○「2人とも、そろそろ体を洗って出ましょう」
ー**ー「すいません、つい夢中になってしまって...」
カムイの体には、いくつか小さな傷があった。
恐らく、仕事関係のものだろう。
▼「よく痛がらないな」
ー**ー「小さい傷なんて、しょっちゅうですから」
カムイがなんでもないと言うように言ったあと、エリックが辛そうな表情をしていた。
(仲いいんだな)
《雪目線》
「渚さんも傷があるんですね」
渚には、『あのとき』の傷がある。
▼「古傷だ」
渚は平気そうだったが、俺はつい思い出してしまい、渚がまた無茶をしないか不安になった。
ー**ー「雪さん?」
○「すみません、ぼんやりしてしまって...」
カムイくんは俺の体にそっと触れた。
ー**ー「脈が乱れている...というわけではなさそうですね。って、すみません!体調が悪いのかと思って...」
○「いえ、ありがとうございます」
律儀な子なのだろうと思いつつ、隣の壁から聞こえる声に耳を傾けた。
ー*ー「ふふ、くすぐったいです」
「私もここ弱いんだ」
どうやら二人も楽しく話しているようで安心した。
○「先にあがりますね」
「俺もあがります」
カムイくんと渚を残し、俺とエリックは先に出た。
取り敢えず料理を作ることにした。
○「エリック、あとで話があります」
「俺も話したかったところだ」
どうやら俺たちは気が合うらしいと、そのときふと思った。
《黒羽目線》
ご飯を食べたあと、私はあることに気づいた。
(...そういえば)
「おいで、白玉。メルちゃんも一緒にくる?」
ー*ー「いえ、お部屋で待っています」
メルちゃんの背中を見送り、私は白玉を温泉へ連れていった。
「ごめんね、気づかなくて」
『ありがとう』
渚が作った水を弾くボードに、白玉は文字をつらつらと書いていた。
シャワーで流すと、白玉はさっきより綺麗になった。
「乾かさないと...きゃっ」
白玉は濡れたまま走っていってしまった。
▼「おい白玉」
渚に捕まえられ、あとは渚がやってくれることになった。
(メルちゃんのところへ行こう)
私がお部屋に入ると、メルちゃんはトランプとにらめっこしていた。
「メルちゃん、何してるの?」
ー*ー「メランコリーです!」
(神経衰弱か...って!)
メルちゃんは1度も間違えることなく全て当てた。
「得意なんだね」
ー*ー「見ていたら、なんとなく分かるんです」
「私は得意じゃないから、羨ましいな」
ふわり。
ー*ー「そういえば、渚さんが黒羽さんを探していましたよ?」
「さっき会った時には言ってなかったけど...メルちゃんも一緒に行こう?」
私が手を繋ぐと、メルちゃんは少し驚いていた。
だが、そのまますぐに一緒に歩き出した。
ー*ー「お邪魔になりませんか?」
「全然!寧ろ、私はもっとメルちゃんとお話したい」
ー*ー「ありがとうございます!」
メルちゃんはにこにこ笑って、私の手をきゅっと握ってくれた。
《渚目線》
▼「おまえは逃げまわるな」
『ごめんなさい』
ー**ー「白玉は遊ぶのが好きなんですね」
▼「まあな」
家でもいつもじっとしていないので、恐らくバタバタするのが好きなんだろう。
ー**ー「折角なので、賭けをしませんか?」
▼「何をするんだ?」
ー**ー「ポーカーをしましょう。それで、負けた方が勝った方の言うことを聞く...どうですか?」
▼「分かった」
俺は白玉を膝の上に乗せ、手札を確認した。
...とてつもなくいまいちだ。
▼「3枚交換だ」
ー**ー「俺はこのままいきます」
▼「ショウ・ダウン」
俺はなんとかワンペアになったものの...カムイはロイヤルストレートフラッシュ。
▼「俺の負けだ」
ー**ー「それじゃあ、質問に答えてください」
▼「分かった」
ー**ー「渚さんは、」
ガチャリと音がして、部屋の扉が開いた。
「渚が探してたって聞いたからきたんだけど...」
繋いでいる手を見て、メルとの距離が縮まったことがよく分かった。
...本当にこいつは、知らないうちに相手の心を開かせる天才だ。 
▼「雪が探していた。おまえたちも一緒にこい」
2人とも疑問を抱いている様子だったが、半ば強引に連れ出した。
(さっきの質問、あとでちゃんと答えないとな)
《雪目線》
「あいつはいつも無茶ばかりで...って、俺の話ばかり」
○「いいんです。私が聞きたかっただけなので」
エリックと2人で話していたのは、親友のことだ。
お互い無茶をする親友をもっているようなので、俺から話そうと切り出した。
○「渚も無茶ばかりで心配になります。黒羽がきてからは少し変わりましたが」
「カムイも、メルがきてからは変わったように見える」
愛の力は偉大なり...というやつだろうか。
部屋の扉が開き、全員が揃ったことを確認した俺は、エリックにだけ聞こえる声であとで続きを話そうと囁いた。
エリックは小さく頷いた。
▼「何の用だ?」
○「折角人数がいるから、やりたいことがあって...」
ー*ー「やりたいこと、ですか?」
○「はい」
子どもらしいと言われてしまうかもしれない。
だが、やってみたいと思った。
(上手くいけば、もっと他の人たちとも仲良くなれるはずだ)
○「枕投げをしませんか?」
ー**ー「枕投げって、どうやるんですか?」
俺はルールをできるだけ簡潔に説明した。
「面白そうだね!」
「俺もやってみたくなった」
満場一致で盛り上がり、枕投げをすることになった。
○「では、チーム分けをしましょう」













【次回予告】
ついにはじまった枕投げ。
しかし、ちょっとした事件が発生!
「誰か受け止めてあげて!」
そのあとは再び各々の部屋に戻り、トークに花が咲く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読者様方、こんばんは。
あまり予告通りのストーリーが書けませんでした。
ごめんなさい。
枕投げ、私も実際にやったのは1度だけなのですが、できるだけ上手く表現できるように努力します。
次回もお付き合いください。
本日も読んでいただきありがとうございます。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

処理中です...