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逆境を壊す
第56話
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「こんにちは。久しぶりだね」
家を訪ねてから数日、バイトも学校も休みの日を合わせてデートすることになった。
水族館の話と恩人への贈り物を一緒に選んでほしいとお願いすると、空いている日を教えてくれたのだ。
「もしかして髪切った?可愛いね」
「…【ありがとう。少し切っただけなのによく分かったね】」
前に会ったときは肩より下まであったはずだと思っていたから、的はずれなことを言ってなくてほっとした。
「なんとなくそうなんじゃないかと思ったんだ。それじゃあ早速行こうか」
桜雪の手は少し冷えていて、そのまま上着のポケットに入れる。
「……!」
「カイロ入れてるから温かいでしょ?俺もよく指先がかじかむんだ」
肩より少し上までになった桜雪の髪がさらさらと揺れる。
手をつないだまま駅から少し歩いた。
「すみません、大人2枚お願いします」
「ありがとうございます」
ふたりで同時にぴったりのお金を出して、思わず笑ってしまう。
店員さんに頭を下げてから館内を見てみることにした。
「タッチングプールだって。生き物を触ってもいいみたい」
「……!」
そっと触ったなまこのようなものに驚いたのか、桜雪は少しあとずさっていた。
「大丈夫?」
首をゆっくり縦にふっていたものの、やっぱり吃驚したみたいだった。
そんな姿も可愛いな…なんて思いながら手を洗う。
小さめの水槽が沢山あって、前にぺんぎんたちを見たあの場所とは違う良さがあった。
「あっという間だったけど楽しかったね」
「……」
珊瑚のキーホルダーを持った桜雪が小さく頷く。
朝早かったおかげでゆっくり見られた。
「【お買い物、私も楽しみ】」
そう書かれたメモを見てほっとする。
小さな雑貨屋さんが沢山ある通りがあるので、そこへ向かおうと思っていたのだ。
「もし調子が悪くなったり、人に酔ったら教えてね。勿論、ゆっくり見たいときも」
桜雪が頷いたのを確認して、今度はバスに乗る。
今こうしてふたりで一緒に出かけられるのが嬉しい。
どこまでも走っていきそうなバスに揺られながら、目的地まで景色を楽しんだ。
「着いた。ここ、来たことある?」
桜雪はもう何かに目を奪われているのか、聞こえていないみたいだった。
「向こうのお店、行ってみようか」
肩をたたいてそう声をかけると、少し恥ずかしそうに頷く。
彼女が見ていたものはなんだったんだろう。
もう少しよく見ておけばよかったと思いながら、心奪われるものがあったらしい店に入ってみた。
「いらっしゃいませ」
まだ朝早いからあんまり人がいなくて助かる。
桜雪は硝子でできたアクセサリーを手に取り、じっと俺を見た。
「どうしたの?」
一旦アクセサリーをその場に置き、遠慮がちに指をさす。
そこには体験コーナーのお知らせが貼られていた。
「…【もしよければ、やってみませんか?】」
手話になると丁寧になるところが桜雪らしい。
「丁度時間みたいだし聞いてみようか」
今日もこうしていい思い出が作れそうだ。
家を訪ねてから数日、バイトも学校も休みの日を合わせてデートすることになった。
水族館の話と恩人への贈り物を一緒に選んでほしいとお願いすると、空いている日を教えてくれたのだ。
「もしかして髪切った?可愛いね」
「…【ありがとう。少し切っただけなのによく分かったね】」
前に会ったときは肩より下まであったはずだと思っていたから、的はずれなことを言ってなくてほっとした。
「なんとなくそうなんじゃないかと思ったんだ。それじゃあ早速行こうか」
桜雪の手は少し冷えていて、そのまま上着のポケットに入れる。
「……!」
「カイロ入れてるから温かいでしょ?俺もよく指先がかじかむんだ」
肩より少し上までになった桜雪の髪がさらさらと揺れる。
手をつないだまま駅から少し歩いた。
「すみません、大人2枚お願いします」
「ありがとうございます」
ふたりで同時にぴったりのお金を出して、思わず笑ってしまう。
店員さんに頭を下げてから館内を見てみることにした。
「タッチングプールだって。生き物を触ってもいいみたい」
「……!」
そっと触ったなまこのようなものに驚いたのか、桜雪は少しあとずさっていた。
「大丈夫?」
首をゆっくり縦にふっていたものの、やっぱり吃驚したみたいだった。
そんな姿も可愛いな…なんて思いながら手を洗う。
小さめの水槽が沢山あって、前にぺんぎんたちを見たあの場所とは違う良さがあった。
「あっという間だったけど楽しかったね」
「……」
珊瑚のキーホルダーを持った桜雪が小さく頷く。
朝早かったおかげでゆっくり見られた。
「【お買い物、私も楽しみ】」
そう書かれたメモを見てほっとする。
小さな雑貨屋さんが沢山ある通りがあるので、そこへ向かおうと思っていたのだ。
「もし調子が悪くなったり、人に酔ったら教えてね。勿論、ゆっくり見たいときも」
桜雪が頷いたのを確認して、今度はバスに乗る。
今こうしてふたりで一緒に出かけられるのが嬉しい。
どこまでも走っていきそうなバスに揺られながら、目的地まで景色を楽しんだ。
「着いた。ここ、来たことある?」
桜雪はもう何かに目を奪われているのか、聞こえていないみたいだった。
「向こうのお店、行ってみようか」
肩をたたいてそう声をかけると、少し恥ずかしそうに頷く。
彼女が見ていたものはなんだったんだろう。
もう少しよく見ておけばよかったと思いながら、心奪われるものがあったらしい店に入ってみた。
「いらっしゃいませ」
まだ朝早いからあんまり人がいなくて助かる。
桜雪は硝子でできたアクセサリーを手に取り、じっと俺を見た。
「どうしたの?」
一旦アクセサリーをその場に置き、遠慮がちに指をさす。
そこには体験コーナーのお知らせが貼られていた。
「…【もしよければ、やってみませんか?】」
手話になると丁寧になるところが桜雪らしい。
「丁度時間みたいだし聞いてみようか」
今日もこうしていい思い出が作れそうだ。
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