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其の参
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「おねえちゃん、よしおにいさん、おかえりなさい!」
ぱたぱたと駆け寄ってくる穂乃の頭を撫でながら、痣になってしまった腕を隠す。
「風、ご苦労さま」
私の様子を見た風雲が怪訝そうな顔で口を開く。
《…あなたがその子の見込んでいるのは分かっていますが、少々やりすぎでは?》
「いいんだ。私が本気で打ちこんでほしいってお願いしたから」
攻撃を防ごうとしたところ、木刀が真っ二つに折れてしまったのだ。
そのとき義政さんは連撃を仕掛けてきていたため、運悪く腕に当たってしまった。
「ごめんね。怪我をさせるつもりじゃなかったんだ」
「竹刀もぼろぼろだし、それだけ鍛錬してきたってことですよね。…私はまだまだです」
自分が強いと驕っていたわけじゃない。
だが、ここまでこてんぱんにされると心が折れそうになる。
それでも穂乃の笑顔を見ると、自分がやるしかないと思うのだ。
「今日は何をして遊んだんだ?」
「おりょうり!」
「お料理ごっこじゃなくて、お料理…?」
《申し訳ありません。台所を勝手に使わせていただきました》
穂乃がにっこり笑って料理がのった皿を見せてくれる。
少し形は崩れていたものの、前に一緒に作ったときより上手になっていた。
「ありがとう、ふたりとも。おかげで元気が出たよ」
「よしおにいさんもいっしょにたべよう?」
「えっと、お兄さんは…」
「……駄目?」
穂乃のこの言葉はすさまじい破壊力を持つ。
私だけだと思っていたが、義政さんも同じらしい。
「それじゃあ、お言葉に甘えてごちそうになろうかな」
「やった!」
母が亡くなってまだそんなに経っていないのに、穂乃は明るく振る舞っている。
無理をさせてしまっていないか不安に思いながらも、本人に直接聞くのが怖い。
「おねえちゃん、おさらは…?」
「こっちのを使おうか」
穂乃に包帯を見られないように気をつけながら、風雲とふたりで作ってくれたのだという夕飯を食べてみる。
まだ小学生になったばかりの子が作ったとは思えないほど美味しかった。
「どう?」
「すごく美味しい」
「やった!」
日々の鍛錬にプラスしておこなう義政さんの修行メニューは厳しいけど、はしゃぐ穂乃の笑顔を護りたい。
妹が戦わずに済むくらい強くなろう…なんて考えながら料理を平らげた。
「それじゃあ俺たちはもう帰るよ」
「片づけまで手伝ってもらってすみません」
「いいんだ。料理のお礼と、生活能力向上のためだから。怪我したところ、痛くなったらすぐ言ってね」
「ありがとうございます。…風雲、もしよければまた妹の相手をしてやってくれ」
《私でよければ喜んで》
ふたりが帰っていくのを見送り、うとうとしている穂乃に話しかける。
「ちゃんと布団で寝ないと風邪ひくぞ」
「うう、ん……」
もう夢の中なのか、返事がはっきりしない。
眠くなるまで必死に頑張ってくれたんだと思うと、愛おしさがこみあげた。
「……夜紅、か」
穂乃が寝た後、母から受け継いだ紅を見つめる。
1度実戦で使っただけだが、攻撃力が格段に上がった。
だが、今の体力では少し疲れてしまう。
どう使っていくのがいいか考えながら、学校から出された課題を終わらせた。
ぱたぱたと駆け寄ってくる穂乃の頭を撫でながら、痣になってしまった腕を隠す。
「風、ご苦労さま」
私の様子を見た風雲が怪訝そうな顔で口を開く。
《…あなたがその子の見込んでいるのは分かっていますが、少々やりすぎでは?》
「いいんだ。私が本気で打ちこんでほしいってお願いしたから」
攻撃を防ごうとしたところ、木刀が真っ二つに折れてしまったのだ。
そのとき義政さんは連撃を仕掛けてきていたため、運悪く腕に当たってしまった。
「ごめんね。怪我をさせるつもりじゃなかったんだ」
「竹刀もぼろぼろだし、それだけ鍛錬してきたってことですよね。…私はまだまだです」
自分が強いと驕っていたわけじゃない。
だが、ここまでこてんぱんにされると心が折れそうになる。
それでも穂乃の笑顔を見ると、自分がやるしかないと思うのだ。
「今日は何をして遊んだんだ?」
「おりょうり!」
「お料理ごっこじゃなくて、お料理…?」
《申し訳ありません。台所を勝手に使わせていただきました》
穂乃がにっこり笑って料理がのった皿を見せてくれる。
少し形は崩れていたものの、前に一緒に作ったときより上手になっていた。
「ありがとう、ふたりとも。おかげで元気が出たよ」
「よしおにいさんもいっしょにたべよう?」
「えっと、お兄さんは…」
「……駄目?」
穂乃のこの言葉はすさまじい破壊力を持つ。
私だけだと思っていたが、義政さんも同じらしい。
「それじゃあ、お言葉に甘えてごちそうになろうかな」
「やった!」
母が亡くなってまだそんなに経っていないのに、穂乃は明るく振る舞っている。
無理をさせてしまっていないか不安に思いながらも、本人に直接聞くのが怖い。
「おねえちゃん、おさらは…?」
「こっちのを使おうか」
穂乃に包帯を見られないように気をつけながら、風雲とふたりで作ってくれたのだという夕飯を食べてみる。
まだ小学生になったばかりの子が作ったとは思えないほど美味しかった。
「どう?」
「すごく美味しい」
「やった!」
日々の鍛錬にプラスしておこなう義政さんの修行メニューは厳しいけど、はしゃぐ穂乃の笑顔を護りたい。
妹が戦わずに済むくらい強くなろう…なんて考えながら料理を平らげた。
「それじゃあ俺たちはもう帰るよ」
「片づけまで手伝ってもらってすみません」
「いいんだ。料理のお礼と、生活能力向上のためだから。怪我したところ、痛くなったらすぐ言ってね」
「ありがとうございます。…風雲、もしよければまた妹の相手をしてやってくれ」
《私でよければ喜んで》
ふたりが帰っていくのを見送り、うとうとしている穂乃に話しかける。
「ちゃんと布団で寝ないと風邪ひくぞ」
「うう、ん……」
もう夢の中なのか、返事がはっきりしない。
眠くなるまで必死に頑張ってくれたんだと思うと、愛おしさがこみあげた。
「……夜紅、か」
穂乃が寝た後、母から受け継いだ紅を見つめる。
1度実戦で使っただけだが、攻撃力が格段に上がった。
だが、今の体力では少し疲れてしまう。
どう使っていくのがいいか考えながら、学校から出された課題を終わらせた。
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