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夏彦ルート
第5話
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近くに他の植物があるのか、気配を察知しやすかった。
泣いているのは女の子で、周りに人はいない。
ただ、近くに似たような気配を纏った女性がいる。
どこか自分と重なって、どうしても放っておくことができなかった。
「…夏彦」
「どうかした?」
「ごめんなさい、少しだけそっちの部屋に行ってもいいですか?」
「それは別に構わないけど…って、その手どうしたの!?早く手当てしないと、」
「女の子が、いるみたいなんです。泣いているみたいで…」
能力について臥せながら話すのは難しい。
それでもやってみるしかなかった。
本当に女の子が泣いているなら、それはきっと困っているからだ。
「分かった。それじゃあ先に見に行ってみよう」
「ありがとう」
小走りで向かうと、そこにはやはり独りで泣いている小さな女の子がいた。
「こんにちは!君は迷子かな?」
「お姉ちゃん、いなくなっちゃったの…」
「…多分、向こうではありませんか?」
血が流れる手のひらを隠しながら指さした方向には、間違いなく雰囲気が似ている女性が辺りを見回していた。
「あの、すみません!お姉さんの探し物はこの子ですか?」
夏彦が咄嗟に声をかけてくれたおかげで、姉妹は無事に再会することができた。
…探してくれる人がいるのは、少し羨ましい。
「お手柄だったね、月見ちゃん」
「私は何も…。夏彦が、声をかけてくれたからです」
「でも、あの子に気づいたのは君だったでしょ?…戻ったらまずは怪我の確認をしないとね」
「ごめんなさい」
「別に謝ることじゃないよ。ただ、何かあったときはちゃんと教えてくれればそれでいいから。
今みたいに気になることがあったときも、怪我をしたときもね」
お店まで戻ると、夏彦はすぐにてきぱきと慣れた手つきで処置を施してくれた。
「はい、これで終わり!」
「あ、ありがとう」
「けど、女の子ならなおのことこういうの気になったりするよね…。ちょっと待ってて」
独りになった瞬間、ほっと息を吐く。
傷について深掘りされなかったのは本当にありがたい。
敢えて何も訊かずにいてくれるのは何故だろう。
疑問に思うものの、それを尋ねてしまっていいのか分からずにいる。
「月見ちゃん、サイズはこれでいいはずだからつけてみて」
それは、上品なデザインの手袋だった。
「夏用だし、室内で使う分にも問題ないから…よければもらって?」
「いいの…?」
「女の子用だからね」
夏彦は私の両手にそっとつけてくれて、似合っていると言ってくれた。
「…ごめん、電話だ。ちょっとだけここで待っててくれる?」
首を縦にふると、夏彦は走ってどこかへ行ってしまった。
何があったのか気になるけれど、一先ず座って待つことにする。
ここ数日の生活は、本当に驚くことばかりだ。
泣いているのは女の子で、周りに人はいない。
ただ、近くに似たような気配を纏った女性がいる。
どこか自分と重なって、どうしても放っておくことができなかった。
「…夏彦」
「どうかした?」
「ごめんなさい、少しだけそっちの部屋に行ってもいいですか?」
「それは別に構わないけど…って、その手どうしたの!?早く手当てしないと、」
「女の子が、いるみたいなんです。泣いているみたいで…」
能力について臥せながら話すのは難しい。
それでもやってみるしかなかった。
本当に女の子が泣いているなら、それはきっと困っているからだ。
「分かった。それじゃあ先に見に行ってみよう」
「ありがとう」
小走りで向かうと、そこにはやはり独りで泣いている小さな女の子がいた。
「こんにちは!君は迷子かな?」
「お姉ちゃん、いなくなっちゃったの…」
「…多分、向こうではありませんか?」
血が流れる手のひらを隠しながら指さした方向には、間違いなく雰囲気が似ている女性が辺りを見回していた。
「あの、すみません!お姉さんの探し物はこの子ですか?」
夏彦が咄嗟に声をかけてくれたおかげで、姉妹は無事に再会することができた。
…探してくれる人がいるのは、少し羨ましい。
「お手柄だったね、月見ちゃん」
「私は何も…。夏彦が、声をかけてくれたからです」
「でも、あの子に気づいたのは君だったでしょ?…戻ったらまずは怪我の確認をしないとね」
「ごめんなさい」
「別に謝ることじゃないよ。ただ、何かあったときはちゃんと教えてくれればそれでいいから。
今みたいに気になることがあったときも、怪我をしたときもね」
お店まで戻ると、夏彦はすぐにてきぱきと慣れた手つきで処置を施してくれた。
「はい、これで終わり!」
「あ、ありがとう」
「けど、女の子ならなおのことこういうの気になったりするよね…。ちょっと待ってて」
独りになった瞬間、ほっと息を吐く。
傷について深掘りされなかったのは本当にありがたい。
敢えて何も訊かずにいてくれるのは何故だろう。
疑問に思うものの、それを尋ねてしまっていいのか分からずにいる。
「月見ちゃん、サイズはこれでいいはずだからつけてみて」
それは、上品なデザインの手袋だった。
「夏用だし、室内で使う分にも問題ないから…よければもらって?」
「いいの…?」
「女の子用だからね」
夏彦は私の両手にそっとつけてくれて、似合っていると言ってくれた。
「…ごめん、電話だ。ちょっとだけここで待っててくれる?」
首を縦にふると、夏彦は走ってどこかへ行ってしまった。
何があったのか気になるけれど、一先ず座って待つことにする。
ここ数日の生活は、本当に驚くことばかりだ。
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