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夏彦ルート
第5.5話
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「もしもし?」
こんなときに電話なんてと思いつつ、仕方なく出てみることにする。
『夏彦、おまえ…』
「え、アッキーなんでそんなに怒ってるの?」
食事を摂りながら連絡してきているのか、途中もごもごと音が入りながらお説教を受ける。
『昨日の作戦会議、すっぽかしただろ』
「あ、ごめん」
『あ、じゃない。まったく…遅刻してもいいから、次回以降しっかり来るように』
「分かった。本当にごめん。…それで、今回の案件はどういう方針でいくことになったの?」
作戦会議に参加していない分、話をしっかり聞いておく必要がある。
誰かひとりでも失敗すれば、カルテット自体が標的にされかねない。
『今回はバックアップデータを送るから、そのサイトにアクセスして管理人を探し出しておいてほしい。
…おまえの得意分野だろ?』
「了解!それで、解析と炙り出しが終わったらアッキーに連絡すればいいの?」
月見ちゃんを待たせてしまうのは申し訳ないが、こんな話を一般の女の子に聞かせるわけにはいかない。
『…念のため、春人と冬真にも連絡しておいてくれ』
「アッキーが先行するんじゃないの?」
『一応そうだが…アッキーはやめろ』
「いいじゃん、親しみやすいから」
秋久はなんだかんだ言っていつも優しい。
…こういう人間が家族だったら、今の俺はきっとなかっただろう。
『無理してねえか?お嬢ちゃんのこともあるだろうし、個人で調べてる件に関しても別に咎めるつもりはないが…』
「俺は通常運転だよ。ただ、ちょっと気になることがあっただけ」
勘が鋭いのか、聴覚が異様にいいだけなのか。
先程の一件だけでは判断しかねている。
それに、月見ちゃんについてのデータはほとんど出てきていない。
何かを秘匿するにしても、あまりに異質なのだ。
『まあ、困ったらすぐ言え』
「アッキー優しい。ありがとう」
それからすぐ電話を切り、待たせてある部屋の扉をノックする。
「月見ちゃん、入っても大丈夫かな?」
「は、はい」
彼女に嘘を吐いている様子がないということは、何か捜索願が出されていない理由があるはずだ。
死んでも構わないと思われているからなのか、他人に見つかってはいけないものがあるからなのか…。
それはこれから考えていくしかないのだろう。
「月見ちゃん、お菓子ってどんなのなら食べたことがある?」
「クッキーやケーキなら、作ったことがあります」
彼女はなかなか自分から動かない。
…否、動けないが正確か。
あんなに掃除や料理ができるのに、本人は食事でさえも食べていいと言われるまで口にしようとしない。
つまり、使用人同然の生活をしてきている…監禁生活だけではすまされなかったということだろうか。
「それじゃあ、一緒にアイス食べよう!」
「アイ、ス…?」
とにかく今の俺にできるのは、月見ちゃんに楽しい思い出を作ってもらえるように動くことだけだ。
「こっちに食事ができる店があるんだ。一緒に行こう!」
「え、あ、」
戸惑う彼女の腕をひいていると、なんだか俺まで和んでしまう。
──そんなふうに考えていることは、誰にも見つからないくらい深くに仕舞いこんでおくことにした。
こんなときに電話なんてと思いつつ、仕方なく出てみることにする。
『夏彦、おまえ…』
「え、アッキーなんでそんなに怒ってるの?」
食事を摂りながら連絡してきているのか、途中もごもごと音が入りながらお説教を受ける。
『昨日の作戦会議、すっぽかしただろ』
「あ、ごめん」
『あ、じゃない。まったく…遅刻してもいいから、次回以降しっかり来るように』
「分かった。本当にごめん。…それで、今回の案件はどういう方針でいくことになったの?」
作戦会議に参加していない分、話をしっかり聞いておく必要がある。
誰かひとりでも失敗すれば、カルテット自体が標的にされかねない。
『今回はバックアップデータを送るから、そのサイトにアクセスして管理人を探し出しておいてほしい。
…おまえの得意分野だろ?』
「了解!それで、解析と炙り出しが終わったらアッキーに連絡すればいいの?」
月見ちゃんを待たせてしまうのは申し訳ないが、こんな話を一般の女の子に聞かせるわけにはいかない。
『…念のため、春人と冬真にも連絡しておいてくれ』
「アッキーが先行するんじゃないの?」
『一応そうだが…アッキーはやめろ』
「いいじゃん、親しみやすいから」
秋久はなんだかんだ言っていつも優しい。
…こういう人間が家族だったら、今の俺はきっとなかっただろう。
『無理してねえか?お嬢ちゃんのこともあるだろうし、個人で調べてる件に関しても別に咎めるつもりはないが…』
「俺は通常運転だよ。ただ、ちょっと気になることがあっただけ」
勘が鋭いのか、聴覚が異様にいいだけなのか。
先程の一件だけでは判断しかねている。
それに、月見ちゃんについてのデータはほとんど出てきていない。
何かを秘匿するにしても、あまりに異質なのだ。
『まあ、困ったらすぐ言え』
「アッキー優しい。ありがとう」
それからすぐ電話を切り、待たせてある部屋の扉をノックする。
「月見ちゃん、入っても大丈夫かな?」
「は、はい」
彼女に嘘を吐いている様子がないということは、何か捜索願が出されていない理由があるはずだ。
死んでも構わないと思われているからなのか、他人に見つかってはいけないものがあるからなのか…。
それはこれから考えていくしかないのだろう。
「月見ちゃん、お菓子ってどんなのなら食べたことがある?」
「クッキーやケーキなら、作ったことがあります」
彼女はなかなか自分から動かない。
…否、動けないが正確か。
あんなに掃除や料理ができるのに、本人は食事でさえも食べていいと言われるまで口にしようとしない。
つまり、使用人同然の生活をしてきている…監禁生活だけではすまされなかったということだろうか。
「それじゃあ、一緒にアイス食べよう!」
「アイ、ス…?」
とにかく今の俺にできるのは、月見ちゃんに楽しい思い出を作ってもらえるように動くことだけだ。
「こっちに食事ができる店があるんだ。一緒に行こう!」
「え、あ、」
戸惑う彼女の腕をひいていると、なんだか俺まで和んでしまう。
──そんなふうに考えていることは、誰にも見つからないくらい深くに仕舞いこんでおくことにした。
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