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夏彦ルート
第7話
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「あれ、なっちゃんだけじゃなかったんだ…というより、もしかしてその人恋人!?」
「えっと、」
「可愛い!」
短髪の女性は、なんだか楽しそうに沢山話しはじめる。
どんな反応をするのが正解か分からなくて混乱していると、ため息混じりの言葉がふってきた。
「…ちょっと落ち着こうか、花菜ちゃん?」
すると女性ははっとしたように黙りこみ、今度はゆっくり話しはじめた。
「ごめん、私ったらつい癖で…。はじめまして、私は花菜!花に野菜の菜って書いて、花菜。花菜って呼んでね!」
「あ、はい…」
こういうとき、どんな反応を返すのが正解だろうか。
どうすればいいのか分からずに困っていると、夏彦が花菜の背中をぐいぐい押す。
「ごめんね月見ちゃん。うちの常連さんなんだけど、洋服の相談を受けてたのすっかり忘れてた。
またちょっとだけここで待っててもらってもいい?」
「なっちゃん…?」
「ほら、花菜ちゃんはこっち。ごめんね」
「いえ、大丈夫です」
ふたりの背中を見送っていると、花菜がくるりとこちらを向いた。
「また一緒におしゃべりしようね!」
「あ、はい…」
底無し沼のような明るさに少し気圧されながら、その場から動かず待つことにする。
お仕事の話なら聞くわけにはいかないし、何より洋服のことは詳しくないので私がいても邪魔なだけだろう。
ただ独り、ぼんやりと椅子に腰掛ける。
どんな話をしているのか気にならないと言えば嘘になるし、話を聞こうと思えば方法がない訳じゃない。
ただ、蕀たちを悪用したくなかった。
真っ暗な部屋に閉じこめられたときも、気に入らないと暴力をふるわれたときも、その後は蕀たちに癒されたのだ。
本気で蕀たちに手伝ってもらえば、危険を察知したり相手の感情を探れるだけではない。
「……これから先、ずっと黙っていないといけない。ごめんなさい、蕀さんたち」
しばらくすると夏彦が部屋に戻ってくる。
「さっきはごめんね。花菜ちゃん、いつもあんなふうに人の話を最後まで聞かずにドアを開けたりするから…」
「ちょっと吃驚したけど、大丈夫です」
彼の手には色々な洋服が描かれたノートが抱えられていて、本当にすごい人なんだなとつい見つめてしまう。
「こっちはお店で出そうと思ってるデザインを描いてある方だから、見られても問題ないよ。
…月見ちゃんも見てみる?」
「ありがとう、ございます」
色々なお客さんがやってきて、ここで服を買う。
それを想像しただけで、今持っているノートがずっしり重く感じた。
「全部のお洋服がわくわくしているように感じます」
「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな。
…まずい、もう開店時間だ。今日はここからお店を見学しててもらえるかな?」
「分かりました」
そして、初めてお店がどういうふうに営業されているのかを知ることになる。
「いらっしゃいませ、『ハイドランジア』へようこそ。ゆっくり見ていってください」
「えっと、」
「可愛い!」
短髪の女性は、なんだか楽しそうに沢山話しはじめる。
どんな反応をするのが正解か分からなくて混乱していると、ため息混じりの言葉がふってきた。
「…ちょっと落ち着こうか、花菜ちゃん?」
すると女性ははっとしたように黙りこみ、今度はゆっくり話しはじめた。
「ごめん、私ったらつい癖で…。はじめまして、私は花菜!花に野菜の菜って書いて、花菜。花菜って呼んでね!」
「あ、はい…」
こういうとき、どんな反応を返すのが正解だろうか。
どうすればいいのか分からずに困っていると、夏彦が花菜の背中をぐいぐい押す。
「ごめんね月見ちゃん。うちの常連さんなんだけど、洋服の相談を受けてたのすっかり忘れてた。
またちょっとだけここで待っててもらってもいい?」
「なっちゃん…?」
「ほら、花菜ちゃんはこっち。ごめんね」
「いえ、大丈夫です」
ふたりの背中を見送っていると、花菜がくるりとこちらを向いた。
「また一緒におしゃべりしようね!」
「あ、はい…」
底無し沼のような明るさに少し気圧されながら、その場から動かず待つことにする。
お仕事の話なら聞くわけにはいかないし、何より洋服のことは詳しくないので私がいても邪魔なだけだろう。
ただ独り、ぼんやりと椅子に腰掛ける。
どんな話をしているのか気にならないと言えば嘘になるし、話を聞こうと思えば方法がない訳じゃない。
ただ、蕀たちを悪用したくなかった。
真っ暗な部屋に閉じこめられたときも、気に入らないと暴力をふるわれたときも、その後は蕀たちに癒されたのだ。
本気で蕀たちに手伝ってもらえば、危険を察知したり相手の感情を探れるだけではない。
「……これから先、ずっと黙っていないといけない。ごめんなさい、蕀さんたち」
しばらくすると夏彦が部屋に戻ってくる。
「さっきはごめんね。花菜ちゃん、いつもあんなふうに人の話を最後まで聞かずにドアを開けたりするから…」
「ちょっと吃驚したけど、大丈夫です」
彼の手には色々な洋服が描かれたノートが抱えられていて、本当にすごい人なんだなとつい見つめてしまう。
「こっちはお店で出そうと思ってるデザインを描いてある方だから、見られても問題ないよ。
…月見ちゃんも見てみる?」
「ありがとう、ございます」
色々なお客さんがやってきて、ここで服を買う。
それを想像しただけで、今持っているノートがずっしり重く感じた。
「全部のお洋服がわくわくしているように感じます」
「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな。
…まずい、もう開店時間だ。今日はここからお店を見学しててもらえるかな?」
「分かりました」
そして、初めてお店がどういうふうに営業されているのかを知ることになる。
「いらっしゃいませ、『ハイドランジア』へようこそ。ゆっくり見ていってください」
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