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春人ルート
第10話
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食べ終わる頃にはいつの間にか沢山の人がいて、だんだん具合が悪くなってくる。
「それでは、僕たちはこれで失礼します。…行きましょう」
春人は私の手をひいて歩き出す。
どうすればいいのだろうと困っていると、彼は人気がない道まできて息を吐いた。
「…月見」
「あ、あの、えっと、」
「体調が悪くなったり怪我をしたらすぐに教えてって、前に言ったよね?」
「ご、ごめんなさい…」
帰り道、彼を怒らせてしまった。
理由は自分でも分かっている…つもりだ。
まさかあんなに人が沢山集まってくるとは思っていなかった。
ただ、その人混みにあてられてしまったのは事実だ。
「こっち来て」
「え…」
春人は思いきり手を振り上げている。
叩かれる──そう思った私はぎゅっと目を閉じた。
それなのに、痛みはいつまでもやってこない。
恐る恐る目を開けると、悲しげに揺れる春人の瞳がすぐ前にあった。
「具合が悪いときはすぐ言ってくれないと、どうすればいいのか考えることもできない」
何故か頭をゆっくり撫でながら、彼はそんなことを言う。
私の体調なんて関係ないはずなのに、どうして彼は不安そうにしているのか分からない。
「…誰かに心配されたこと、なかった?」
「た、多分……」
「俺もそうだったから、戸惑ってしまうのはなんとなく分かる。
それから…ごめん。頭の上に手を振り上げられるのは怖かったよね」
私が勝手に勘違いしただけなのに、どうして謝ってくるのだろう。
やっぱりまだまだ分からないことだらけで、頭が混乱しそうになる。
「…春人は」
「ん?」
「どうして春人は、私に優しくしてくれるんですか?」
〈役立たずなおまえなんて要らないんだよ!〉
そう吐き捨てられて何度も殴られてきた。
最近はあまり考えないように気をつけていたつもりだったものの、そんなに上手くはいかないらしい。
思い出したくもない言葉がもやもやと浮かんできて、だんだん息が苦しくなってくる。
「月見?」
苦しくなったとき、頭がくらくらしたとき、私の蕀さんたちは無意識のうちに出現きてしまう。
更に焦っていると、何故か抱きしめられた。
「…大丈夫、ゆっくり息を吸って」
「……はあ」
「そう、そのまま吐いて…」
どのくらいの時間そうしていただろう。
頭がぼんやりとしていてあまり思い出せないけれど、ずっと背中をさすってもらっていたような気がする。
「ごめんなさい、私、」
「嫌なことを思い出せば誰だってそうなる。…俺もそうだったから。
あと、俺は優しくない。普通のことしかしてないよ」
優しく頭に触れた手は温かくて、そのぬくもりにずっと包まれていたいと思ってしまった。
……私にそんな価値なんてないのに。
「それでは、僕たちはこれで失礼します。…行きましょう」
春人は私の手をひいて歩き出す。
どうすればいいのだろうと困っていると、彼は人気がない道まできて息を吐いた。
「…月見」
「あ、あの、えっと、」
「体調が悪くなったり怪我をしたらすぐに教えてって、前に言ったよね?」
「ご、ごめんなさい…」
帰り道、彼を怒らせてしまった。
理由は自分でも分かっている…つもりだ。
まさかあんなに人が沢山集まってくるとは思っていなかった。
ただ、その人混みにあてられてしまったのは事実だ。
「こっち来て」
「え…」
春人は思いきり手を振り上げている。
叩かれる──そう思った私はぎゅっと目を閉じた。
それなのに、痛みはいつまでもやってこない。
恐る恐る目を開けると、悲しげに揺れる春人の瞳がすぐ前にあった。
「具合が悪いときはすぐ言ってくれないと、どうすればいいのか考えることもできない」
何故か頭をゆっくり撫でながら、彼はそんなことを言う。
私の体調なんて関係ないはずなのに、どうして彼は不安そうにしているのか分からない。
「…誰かに心配されたこと、なかった?」
「た、多分……」
「俺もそうだったから、戸惑ってしまうのはなんとなく分かる。
それから…ごめん。頭の上に手を振り上げられるのは怖かったよね」
私が勝手に勘違いしただけなのに、どうして謝ってくるのだろう。
やっぱりまだまだ分からないことだらけで、頭が混乱しそうになる。
「…春人は」
「ん?」
「どうして春人は、私に優しくしてくれるんですか?」
〈役立たずなおまえなんて要らないんだよ!〉
そう吐き捨てられて何度も殴られてきた。
最近はあまり考えないように気をつけていたつもりだったものの、そんなに上手くはいかないらしい。
思い出したくもない言葉がもやもやと浮かんできて、だんだん息が苦しくなってくる。
「月見?」
苦しくなったとき、頭がくらくらしたとき、私の蕀さんたちは無意識のうちに出現きてしまう。
更に焦っていると、何故か抱きしめられた。
「…大丈夫、ゆっくり息を吸って」
「……はあ」
「そう、そのまま吐いて…」
どのくらいの時間そうしていただろう。
頭がぼんやりとしていてあまり思い出せないけれど、ずっと背中をさすってもらっていたような気がする。
「ごめんなさい、私、」
「嫌なことを思い出せば誰だってそうなる。…俺もそうだったから。
あと、俺は優しくない。普通のことしかしてないよ」
優しく頭に触れた手は温かくて、そのぬくもりにずっと包まれていたいと思ってしまった。
……私にそんな価値なんてないのに。
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