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春人ルート
第18話
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朝御飯を作っていると、なんだか体が重い。
ふらふらして、ちゃんと真っ直ぐ歩けていないような気がする。
「痛…」
包丁か何かで切ったみたいだけど、それを確認することさえ難しい。
立っているのも辛くなってきて、その場に崩れ落ちる。
「…月見?」
ちゃんと挨拶をしないといけないのに、息ばかりが漏れていく。
言葉が言葉にならないまま、目の前が真っ暗になった。
──からんころんと音がする。
歩いて確認したいけれど、足には枷がついていて動けない。
ただ立ちあがることも難しくて、結局その場に座り直した。
「やっと起きたの。早くしなさい」
これは夢だ。あの人たちが目の前にいるはずがない。
…それとも、さっきまで春人たちと過ごしていた時間が夢?
「そんな足枷くらい、あんたのあのおぞましい力があれば解けるでしょ?早く食事の用意をしなさい!」
この怒鳴り声が怖かった。
彼女がこんなに叫ぶようになったのは、一体いつからだろうか。
傍観している知らないおじさんと、けたけたと笑う少年。
他に別の女性が来たとき、彼女が勉強を教えてくれた。
何故かこの場所を見つけて、いつも外の世界のことを教えてくれる優しい人…。
今思うと、あの人は一体誰だったのだろう。
「あんたなんて、そんなことでくらいしか役に立たないんだから」
体が震える。嫌なのに勝手に動き出す。
助けなんて、救いなんてなかった…?
「──起きて月見」
「…!は、」
「よかった。魘されてるみたいだったから…。君は体調を崩したんだ。今日はそのまま大人しくしてて」
体を動かそうとしたけれど、寝返りをうつのも辛い。
さっきまでキッチンにいたはずなのに、どうして私はベッドにいるのだろう。
蕀さんたちにお願いしようにも、どうしても体に力が入らない。
春人に迷惑をかけてしまう前になんとかしたいのに、何もできないのが悔しくて仕方がなかった。
「…、ごほごほ」
「風邪みたいだね。無理せず横になって休んでて」
行かないでほしくて、つい腕を掴んでしまう。
いつも独りだったのに、あんな夢を見てしまったからだろうか。
「…分かった、側にいるから取り敢えず目を閉じて」
黒柿色の髪がふわふわと揺れて、優しく包みこむように手を握ってくれる。
春人はやっぱりいい人だ。
本当はふりほどかないといけないのに、どうしても不安が押し寄せてきてその手を握り返してしまう。
「…心配しなくても、ここなら怖い人たちは来ないから」
少しずつ瞼が重くなってくる。
本当は眠りたくなんてないのに、どんどん目を開けていられなくなってしまう。
──また挨拶できなかったな…。
そんなことを考えているうちに夢も見ないほど深く眠りに落ちていた。
ふらふらして、ちゃんと真っ直ぐ歩けていないような気がする。
「痛…」
包丁か何かで切ったみたいだけど、それを確認することさえ難しい。
立っているのも辛くなってきて、その場に崩れ落ちる。
「…月見?」
ちゃんと挨拶をしないといけないのに、息ばかりが漏れていく。
言葉が言葉にならないまま、目の前が真っ暗になった。
──からんころんと音がする。
歩いて確認したいけれど、足には枷がついていて動けない。
ただ立ちあがることも難しくて、結局その場に座り直した。
「やっと起きたの。早くしなさい」
これは夢だ。あの人たちが目の前にいるはずがない。
…それとも、さっきまで春人たちと過ごしていた時間が夢?
「そんな足枷くらい、あんたのあのおぞましい力があれば解けるでしょ?早く食事の用意をしなさい!」
この怒鳴り声が怖かった。
彼女がこんなに叫ぶようになったのは、一体いつからだろうか。
傍観している知らないおじさんと、けたけたと笑う少年。
他に別の女性が来たとき、彼女が勉強を教えてくれた。
何故かこの場所を見つけて、いつも外の世界のことを教えてくれる優しい人…。
今思うと、あの人は一体誰だったのだろう。
「あんたなんて、そんなことでくらいしか役に立たないんだから」
体が震える。嫌なのに勝手に動き出す。
助けなんて、救いなんてなかった…?
「──起きて月見」
「…!は、」
「よかった。魘されてるみたいだったから…。君は体調を崩したんだ。今日はそのまま大人しくしてて」
体を動かそうとしたけれど、寝返りをうつのも辛い。
さっきまでキッチンにいたはずなのに、どうして私はベッドにいるのだろう。
蕀さんたちにお願いしようにも、どうしても体に力が入らない。
春人に迷惑をかけてしまう前になんとかしたいのに、何もできないのが悔しくて仕方がなかった。
「…、ごほごほ」
「風邪みたいだね。無理せず横になって休んでて」
行かないでほしくて、つい腕を掴んでしまう。
いつも独りだったのに、あんな夢を見てしまったからだろうか。
「…分かった、側にいるから取り敢えず目を閉じて」
黒柿色の髪がふわふわと揺れて、優しく包みこむように手を握ってくれる。
春人はやっぱりいい人だ。
本当はふりほどかないといけないのに、どうしても不安が押し寄せてきてその手を握り返してしまう。
「…心配しなくても、ここなら怖い人たちは来ないから」
少しずつ瞼が重くなってくる。
本当は眠りたくなんてないのに、どんどん目を開けていられなくなってしまう。
──また挨拶できなかったな…。
そんなことを考えているうちに夢も見ないほど深く眠りに落ちていた。
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