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夏彦ルート
第43話
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「ご、ごめんなさい…」
「ううん。ありがとう。月見ちゃんのおかげでちょっと落ち着いたよ。…どきっとはしたけど」
夏彦からはもう憎しみを感じない。
ただ、やっぱり大切な人をいきなり奪われてしまうというのはとても悲しいことだと思う。
今まではそんな当たり前なことを考える余裕も…そもそも、大切な人なんていなかった。
けれど今は、もし夏彦がいなくなってしまったらと不安になる。
「俺は大丈夫だよ。…そう簡単にやられたりしないから」
「怪我、ゆっくり治してくださいね。人前に出ることはできないけど、私にできることがあればやりますから」
「ありがとう。本当に月見ちゃんは優しいね」
撫でてくれる手は温かくて優しいけれど、袖からのぞく包帯が痛々しい。
肩とお腹を刺されたと聞いたけれど、どのくらい酷い怪我なのだろうか。
「店に立つくらいはできるし、見た目ほど酷いものでもないからそんなに気にしなくても大丈夫だよ。
それに…今回は独りじゃないから、なんだか早く治せそうな気もするんだ」
夏彦の笑顔はいつもどおり眩しい。
翳りがなくなった瞳を見ていると安心する。
ただ、彼は自分のことなんてどうでもいいと思っているのかもしれない。
もしそうだとしたら、私は…
「……ちゃん、月見ちゃん」
「え、あ、ごめんなさい…」
「ぼんやりしているのは珍しいね。やっぱりあんな話をしちゃったからかな?」
「いえ、そうではなくて…すみません」
「謝らなくても大丈夫だよ。無理矢理寝ろなんて言わないから、横になって休んでおいた方がいいよ」
「夏彦は、どうするんですか?」
彼は少し考えるような仕草を見せた後、ただ微笑んで答えた。
「俺も横になって休むよ」
「ちゃんと、休まないと…傷が癒えません」
「月見ちゃんほど無茶はしないから大丈夫だよ」
そんな会話を交わして、部屋の前でわかれる。
扉を開けると、足元にもふもふしたものが少し強めに当たった。
「そ、ソルト…」
にゃあ、と不機嫌そうに鳴くソルトを抱きあげて、そのままベッドに座る。
少し疲れてはいたけれど、やっぱり眠る気にはなれなかった。
「ごめんなさい。ソルトももう眠くない?」
首の下あたりを撫でると、ごろごろと嬉しそうにしている。
そんな姿を見ているだけで、なんだか心が癒された。
「…少しだけ横になるね」
いつもなら自分の寝言で横になるソルトは、何故かこの日は私のすぐ側で丸くなった。
「ここだと寝づらくない?」
その後ソルトは何を話しかけても動こうとしなかったけれど、寄り添ってくれているような気がした。
「…ありがとう。私は大丈夫だから」
「ううん。ありがとう。月見ちゃんのおかげでちょっと落ち着いたよ。…どきっとはしたけど」
夏彦からはもう憎しみを感じない。
ただ、やっぱり大切な人をいきなり奪われてしまうというのはとても悲しいことだと思う。
今まではそんな当たり前なことを考える余裕も…そもそも、大切な人なんていなかった。
けれど今は、もし夏彦がいなくなってしまったらと不安になる。
「俺は大丈夫だよ。…そう簡単にやられたりしないから」
「怪我、ゆっくり治してくださいね。人前に出ることはできないけど、私にできることがあればやりますから」
「ありがとう。本当に月見ちゃんは優しいね」
撫でてくれる手は温かくて優しいけれど、袖からのぞく包帯が痛々しい。
肩とお腹を刺されたと聞いたけれど、どのくらい酷い怪我なのだろうか。
「店に立つくらいはできるし、見た目ほど酷いものでもないからそんなに気にしなくても大丈夫だよ。
それに…今回は独りじゃないから、なんだか早く治せそうな気もするんだ」
夏彦の笑顔はいつもどおり眩しい。
翳りがなくなった瞳を見ていると安心する。
ただ、彼は自分のことなんてどうでもいいと思っているのかもしれない。
もしそうだとしたら、私は…
「……ちゃん、月見ちゃん」
「え、あ、ごめんなさい…」
「ぼんやりしているのは珍しいね。やっぱりあんな話をしちゃったからかな?」
「いえ、そうではなくて…すみません」
「謝らなくても大丈夫だよ。無理矢理寝ろなんて言わないから、横になって休んでおいた方がいいよ」
「夏彦は、どうするんですか?」
彼は少し考えるような仕草を見せた後、ただ微笑んで答えた。
「俺も横になって休むよ」
「ちゃんと、休まないと…傷が癒えません」
「月見ちゃんほど無茶はしないから大丈夫だよ」
そんな会話を交わして、部屋の前でわかれる。
扉を開けると、足元にもふもふしたものが少し強めに当たった。
「そ、ソルト…」
にゃあ、と不機嫌そうに鳴くソルトを抱きあげて、そのままベッドに座る。
少し疲れてはいたけれど、やっぱり眠る気にはなれなかった。
「ごめんなさい。ソルトももう眠くない?」
首の下あたりを撫でると、ごろごろと嬉しそうにしている。
そんな姿を見ているだけで、なんだか心が癒された。
「…少しだけ横になるね」
いつもなら自分の寝言で横になるソルトは、何故かこの日は私のすぐ側で丸くなった。
「ここだと寝づらくない?」
その後ソルトは何を話しかけても動こうとしなかったけれど、寄り添ってくれているような気がした。
「…ありがとう。私は大丈夫だから」
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