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夏彦ルート
第67.5話
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「…花菜、いつもノックしてって言ってるでしょ?」
これは恥ずかしいところを見られてしまった。
正直からかわれるんじゃないかと思ったが、彼女の瞳はただ輝いている。
「ラブストーリーだね!いいなあ、私も王子様に助けに来てほしい…」
「えっと、その…」
月見ちゃんはただ恥ずかしそうに頬を赤らめていて、それを見てまた鼓動が高鳴る。
「ありがとう、月見ちゃん。元気になったよ」
「い、いえ…」
「…それで、いつまで隠れてるつもり?花菜を止められなかった責任はとってもらうよ、アッキー」
先程から人の気配がする方に話しかけると、すぐに姿を現してただ頭を下げた。
「悪い、突進していくのを止められなかった…」
このふたりが揃って来たということは、何かあったのだろう。
急ぎの調べものか、それともあいつに関することなのか…どのみち早く話を聞く必要がありそうだ。
「えっと、お茶を淹れてきますね」
「うん、お願い」
まずはふたりよ出方を見る為に、一旦月見ちゃんをこの場から離れさせてみる。
「…それで?何の情報がほしいの?それとも、逆に何か分かったことがあるの?」
「忙しいところ悪いが、実は裏カジノが開かれるという噂がある。何か訊いていないか?」
「よく分からないけど、春人が嫌がりそうな名前が並んでたよ」
「…水戸川か。つまりは今のトップが儲けようとしているということか」
「え、警視総監がですか!?」
「花菜、今の話は忘れろ。それがおまえ自身を護ることに繋がる」
「先輩はすごいですね。…私、今のこと忘れました!」
秋久とのばっちりなコンビネーションを見せてもらった後、単刀直入に訊いてみる。
「あの家についての情報って、あれで大丈夫?」
「ああ。蔡原の家についてはあれだけあれば充分だ。だが、相変わらず行方知れずというのが引っかかるな…」
隣に座っている花菜も大きく頷く。
こちらに直接仕掛ける機会を狙ってはいるのだろうが、残念なことに俺たちもそこまで甘くはない。
「監視カメラのデータを集めたところ、あいつがいる可能性がある場所は5箇所。
そこから先は絞れてないけど、一応データは渡しておぬね」
やはり無垢な月見ちゃんに聞かせられるような話ではなかった。
ただ今は、もうすぐ終わらせられるかもしれないという希望を持てただけで充分だ。
「ねえ、なっちゃんは月見のこと好きなの?」
「おい、花菜、」
「いいよアッキー。…好きだよ。だけど、今はそれを伝えるつもりはない」
「え、なんだか勿体ない…」
「そろそろ月見ちゃんが戻ってくるから、くれぐれも平常心でね」
あいつに対する憎しみは消えないが、彼女と過ごす日々を考えている自分がいる。
…どうすればいいのかもう分からない。
「お、お待たせしました」
「ありがとう」
そのとき、俺にだけ聞こえるように秋久が呟いた。
「…もし憎しみで目の前が見えなくなりそうになったら、夏樹とお嬢ちゃんの笑顔を思い浮かべろ。そうすれば大丈夫なはずだ」
「ありがとう、やってみるよ」
誰かの笑顔が好きだった。兄の笑顔も月見ちゃんの笑顔も大切なんだ。
…それを護る為に戦いたい。
もう兄は戻ってこないが、それが遺された俺にできる唯一のことだ。
これは恥ずかしいところを見られてしまった。
正直からかわれるんじゃないかと思ったが、彼女の瞳はただ輝いている。
「ラブストーリーだね!いいなあ、私も王子様に助けに来てほしい…」
「えっと、その…」
月見ちゃんはただ恥ずかしそうに頬を赤らめていて、それを見てまた鼓動が高鳴る。
「ありがとう、月見ちゃん。元気になったよ」
「い、いえ…」
「…それで、いつまで隠れてるつもり?花菜を止められなかった責任はとってもらうよ、アッキー」
先程から人の気配がする方に話しかけると、すぐに姿を現してただ頭を下げた。
「悪い、突進していくのを止められなかった…」
このふたりが揃って来たということは、何かあったのだろう。
急ぎの調べものか、それともあいつに関することなのか…どのみち早く話を聞く必要がありそうだ。
「えっと、お茶を淹れてきますね」
「うん、お願い」
まずはふたりよ出方を見る為に、一旦月見ちゃんをこの場から離れさせてみる。
「…それで?何の情報がほしいの?それとも、逆に何か分かったことがあるの?」
「忙しいところ悪いが、実は裏カジノが開かれるという噂がある。何か訊いていないか?」
「よく分からないけど、春人が嫌がりそうな名前が並んでたよ」
「…水戸川か。つまりは今のトップが儲けようとしているということか」
「え、警視総監がですか!?」
「花菜、今の話は忘れろ。それがおまえ自身を護ることに繋がる」
「先輩はすごいですね。…私、今のこと忘れました!」
秋久とのばっちりなコンビネーションを見せてもらった後、単刀直入に訊いてみる。
「あの家についての情報って、あれで大丈夫?」
「ああ。蔡原の家についてはあれだけあれば充分だ。だが、相変わらず行方知れずというのが引っかかるな…」
隣に座っている花菜も大きく頷く。
こちらに直接仕掛ける機会を狙ってはいるのだろうが、残念なことに俺たちもそこまで甘くはない。
「監視カメラのデータを集めたところ、あいつがいる可能性がある場所は5箇所。
そこから先は絞れてないけど、一応データは渡しておぬね」
やはり無垢な月見ちゃんに聞かせられるような話ではなかった。
ただ今は、もうすぐ終わらせられるかもしれないという希望を持てただけで充分だ。
「ねえ、なっちゃんは月見のこと好きなの?」
「おい、花菜、」
「いいよアッキー。…好きだよ。だけど、今はそれを伝えるつもりはない」
「え、なんだか勿体ない…」
「そろそろ月見ちゃんが戻ってくるから、くれぐれも平常心でね」
あいつに対する憎しみは消えないが、彼女と過ごす日々を考えている自分がいる。
…どうすればいいのかもう分からない。
「お、お待たせしました」
「ありがとう」
そのとき、俺にだけ聞こえるように秋久が呟いた。
「…もし憎しみで目の前が見えなくなりそうになったら、夏樹とお嬢ちゃんの笑顔を思い浮かべろ。そうすれば大丈夫なはずだ」
「ありがとう、やってみるよ」
誰かの笑顔が好きだった。兄の笑顔も月見ちゃんの笑顔も大切なんだ。
…それを護る為に戦いたい。
もう兄は戻ってこないが、それが遺された俺にできる唯一のことだ。
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