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春人ルート
第81話
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「お嬢ちゃん、流石にそれは…」
秋久さんが焦ったように私に言う。
「この前会った人たちは、片手が動かせない相手を警戒するような人たちには見えませんでした。それに、どのみち中に入れる人がいないなら、誰かが本当ならしなくてもいい危ないことをしないといけなくなります。
いつも皆さんに助けてもらってばかりで、何もしないのは嫌なんです。また護られているだけなんて、絶対に…。迷惑をかけないようにします。だから、私を仲間に入れてください」
これで説得できるとは思っていない。
ただ、私にできるのは自分の体を動かすことだけだ。
場が静まりかえって困っていると、誰かに腕を引っ張られる。
…いつの間にか私に近づいていた春人はすごく怒っていた。
腕を引かれるまま部屋を出て、ふたりだけになったところで声をかける。
「あ、あの…」
「自分から犠牲になろうとするなんて、何を考えているの?」
「私は私にできることをしたいんです」
「そんなことをして、もしものことがあったら…」
「…私は顔を見られています。でも、もしかしたら冬真さんは知られていないかもしれません。
それなら、私が行った方が何かあったとき私に集中してくれるでしょう?」
春人の家を襲った人も、春人を呼び出して襲った人も、私の顔は覚えているはずだ。
片手が使えなくても走ることはできる。
逃げて気を引くくらいなら…それくらいのことしかできないけれど、それで春人が背負っているものを少しでもおろせるなら力になりたい。
「お、お願いします…」
頭を下げるとしばらく沈黙が続く。
やっぱり怒られてしまうと身をすくめると、春人が小さく呟いた。
「…君が傷ついたら、俺はきっと前を向けない」
春人の側にいた大切な人は、ある日突然命を奪われた。
そうなってしまうんじゃないかと心配してくれるのは嬉しい。
それでも、今回は引き下がるわけにはいかなかった。
「私はちゃんと、春人の隣に帰ってきます。勝手にいなくなったりなんてしません」
「…本当に?」
「はい」
春人が不安がっているのも、私では役不足なのも分かっている。
それでも今は、ただひたすらもがくしかないのだ。
「お願いします」
「…ここまで言ってくれてるんだから、月見ちゃんに賭けてみようよ」
「夏彦、いつからそこに、」
「だって、ふたりがラブロマンスみたいに出て行っちゃうから…」
「別にそんなつもりじゃない」
夏彦さんは少し笑った後、真剣な表情を春人に向けた。
「それはさておき、もう少し周りを頼ってくれてもいいんじゃない?
それとも、俺たちじゃ月見ちゃんを護れなさそう?」
「それは…」
「もうちょっと俺たちを信じてよ、ハル」
春人は大きく息を吐くと、小さく頷いた。
「…分かった。その代わり俺も近くで待機させてもらう」
「それじゃあ、一応交渉成立ってことで。…月見ちゃん、ちょっと大変な仕事になるけどよろしくね」
「が、頑張ります」
その後他のふたりからも了承を得て、私も参加させてもらうことが決まった。
春人の過去への後悔を少しでも断ち切ってもらう為に、私も小さな歯車になろう。
…彼の明日が、今よりもっと輝くように。
秋久さんが焦ったように私に言う。
「この前会った人たちは、片手が動かせない相手を警戒するような人たちには見えませんでした。それに、どのみち中に入れる人がいないなら、誰かが本当ならしなくてもいい危ないことをしないといけなくなります。
いつも皆さんに助けてもらってばかりで、何もしないのは嫌なんです。また護られているだけなんて、絶対に…。迷惑をかけないようにします。だから、私を仲間に入れてください」
これで説得できるとは思っていない。
ただ、私にできるのは自分の体を動かすことだけだ。
場が静まりかえって困っていると、誰かに腕を引っ張られる。
…いつの間にか私に近づいていた春人はすごく怒っていた。
腕を引かれるまま部屋を出て、ふたりだけになったところで声をかける。
「あ、あの…」
「自分から犠牲になろうとするなんて、何を考えているの?」
「私は私にできることをしたいんです」
「そんなことをして、もしものことがあったら…」
「…私は顔を見られています。でも、もしかしたら冬真さんは知られていないかもしれません。
それなら、私が行った方が何かあったとき私に集中してくれるでしょう?」
春人の家を襲った人も、春人を呼び出して襲った人も、私の顔は覚えているはずだ。
片手が使えなくても走ることはできる。
逃げて気を引くくらいなら…それくらいのことしかできないけれど、それで春人が背負っているものを少しでもおろせるなら力になりたい。
「お、お願いします…」
頭を下げるとしばらく沈黙が続く。
やっぱり怒られてしまうと身をすくめると、春人が小さく呟いた。
「…君が傷ついたら、俺はきっと前を向けない」
春人の側にいた大切な人は、ある日突然命を奪われた。
そうなってしまうんじゃないかと心配してくれるのは嬉しい。
それでも、今回は引き下がるわけにはいかなかった。
「私はちゃんと、春人の隣に帰ってきます。勝手にいなくなったりなんてしません」
「…本当に?」
「はい」
春人が不安がっているのも、私では役不足なのも分かっている。
それでも今は、ただひたすらもがくしかないのだ。
「お願いします」
「…ここまで言ってくれてるんだから、月見ちゃんに賭けてみようよ」
「夏彦、いつからそこに、」
「だって、ふたりがラブロマンスみたいに出て行っちゃうから…」
「別にそんなつもりじゃない」
夏彦さんは少し笑った後、真剣な表情を春人に向けた。
「それはさておき、もう少し周りを頼ってくれてもいいんじゃない?
それとも、俺たちじゃ月見ちゃんを護れなさそう?」
「それは…」
「もうちょっと俺たちを信じてよ、ハル」
春人は大きく息を吐くと、小さく頷いた。
「…分かった。その代わり俺も近くで待機させてもらう」
「それじゃあ、一応交渉成立ってことで。…月見ちゃん、ちょっと大変な仕事になるけどよろしくね」
「が、頑張ります」
その後他のふたりからも了承を得て、私も参加させてもらうことが決まった。
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…彼の明日が、今よりもっと輝くように。
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