222 / 385
夏彦ルート
第91話
しおりを挟む
「お疲れ様」
「ごめんなさい…」
「あんな無茶した後だもん、こうなるだろうってことはなんとなく分かってた。
俺の方こそごめんね。あのとき動けていれば、月見ちゃんに無理させずにすんだのに…」
あの蕀さんたちにお願いしてできた鎌…あれを振るときに、思いの外力が必要だったらしい。
あれから足の動きはがたがたになって、余計に歩きづらくなってしまった。
特に、冬真さんには負担をかけてしまっていると思う。
「…今、まー君に迷惑かけてるなって考えてた?」
「ごめんなさい。夏彦にだって迷惑をかけているのに…」
「いや、それはいいんだ。誰にも迷惑をかけずに生きていくなんて無理な話だし…そもそも、迷惑だなんて思ってないしね!」
夏彦は優しく笑いかけてくれたけれど、私はどうしても気になってしまう。
「ただ、まー君は月見ちゃんの能力について話してないから、無闇やたらと検査したがってるかもしれない」
「え…?」
「怪我が悪化してないか心配なんだと思うけど、ちょっと頻度を減らしてもらえるように俺から言ってみるよ」
確かに、最近ずっと血液検査をしているような気がする。
痛み止めや処置に使う包帯も、前のものとは違うものになっていた。
「悪くなっているかもしれないから、だったんですね。知りませんでした」
「そもそも走っちゃいけないのに走っちゃってるから、それもあって治りが遅くなってるんだとは思うんだけど…」
「すみません」
「いや、あれは俺が油断したからなわけだし、護ってくれてありがとう。
おかげで俺は今もこうやって動けてるし、怪我も割りとよくなったよ」
こうやって話していると、夏彦とふたりで生活していたときのことを思い出す。
色々な話をして、笑い合って…そんな時間が続いてほしいと願っていた。
「そういえば、俺が行きたい場所について話してなかったね」
「どこに行くんですか?」
「…どうしても、挨拶しに行きたい相手がいるんだ。色々報告しておきたいしね」
「どんな場所なのか楽しみです」
「月見ちゃんはそうやって色々な気持ちを話してくれるようになったね。…そういうの、俺はすごく嬉しいんだ」
夏彦の笑顔は太陽みたいにきらきらしていて、一緒に過ごす時間がすごく楽しい。
沢山思い出の花が咲いて、毎日が輝いている。
…そう感じてはいるけれど、今はどきどきしてちゃんと目を見て話せそうにない。
「焦っても駄目だろうし、今日はこれで終わり!改めて、今日はお疲れ様」
「あ、ありがとうございました…」
このきらきらした感情を、しっかり言葉にできるだろうか。
今は無理でも、ハンカチを完成させられたら話したい。
どんな反応がかえってくるのか、不安がない訳ではないけれど…話さないと何も始まらないから。
「ごめんなさい…」
「あんな無茶した後だもん、こうなるだろうってことはなんとなく分かってた。
俺の方こそごめんね。あのとき動けていれば、月見ちゃんに無理させずにすんだのに…」
あの蕀さんたちにお願いしてできた鎌…あれを振るときに、思いの外力が必要だったらしい。
あれから足の動きはがたがたになって、余計に歩きづらくなってしまった。
特に、冬真さんには負担をかけてしまっていると思う。
「…今、まー君に迷惑かけてるなって考えてた?」
「ごめんなさい。夏彦にだって迷惑をかけているのに…」
「いや、それはいいんだ。誰にも迷惑をかけずに生きていくなんて無理な話だし…そもそも、迷惑だなんて思ってないしね!」
夏彦は優しく笑いかけてくれたけれど、私はどうしても気になってしまう。
「ただ、まー君は月見ちゃんの能力について話してないから、無闇やたらと検査したがってるかもしれない」
「え…?」
「怪我が悪化してないか心配なんだと思うけど、ちょっと頻度を減らしてもらえるように俺から言ってみるよ」
確かに、最近ずっと血液検査をしているような気がする。
痛み止めや処置に使う包帯も、前のものとは違うものになっていた。
「悪くなっているかもしれないから、だったんですね。知りませんでした」
「そもそも走っちゃいけないのに走っちゃってるから、それもあって治りが遅くなってるんだとは思うんだけど…」
「すみません」
「いや、あれは俺が油断したからなわけだし、護ってくれてありがとう。
おかげで俺は今もこうやって動けてるし、怪我も割りとよくなったよ」
こうやって話していると、夏彦とふたりで生活していたときのことを思い出す。
色々な話をして、笑い合って…そんな時間が続いてほしいと願っていた。
「そういえば、俺が行きたい場所について話してなかったね」
「どこに行くんですか?」
「…どうしても、挨拶しに行きたい相手がいるんだ。色々報告しておきたいしね」
「どんな場所なのか楽しみです」
「月見ちゃんはそうやって色々な気持ちを話してくれるようになったね。…そういうの、俺はすごく嬉しいんだ」
夏彦の笑顔は太陽みたいにきらきらしていて、一緒に過ごす時間がすごく楽しい。
沢山思い出の花が咲いて、毎日が輝いている。
…そう感じてはいるけれど、今はどきどきしてちゃんと目を見て話せそうにない。
「焦っても駄目だろうし、今日はこれで終わり!改めて、今日はお疲れ様」
「あ、ありがとうございました…」
このきらきらした感情を、しっかり言葉にできるだろうか。
今は無理でも、ハンカチを完成させられたら話したい。
どんな反応がかえってくるのか、不安がない訳ではないけれど…話さないと何も始まらないから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる