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夏彦ルート
第93話
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「だ、駄目…離れて、ください」
ずっと我慢していたけれど、どうしても無理そうだ。
この部屋を蔦だらけにするわけにはいかないのに、体が震えてきちんと立てない。
離れないといけないのに、夏彦は私の体を抱きしめてくれた。
「落ち着いて、ゆっくり息を吸って…」
背中をさすってくれる優しさに感謝しながら、大きく深呼吸をする。
少しずつ落ち着いてきたものの、なかなか蕀さんたちが落ち着いてくれない。
指先に鈍い痛みがはしって、少しだけ蔦が伸びてしまった。
「ご、ごめんなさ…」
「大丈夫だよ。ごめんね、嫌なこと思い出しちゃったんでしょ?」
小さく頷いた私の頭を、夏彦は優しく撫でてくれた。
最近こんなふうに蔦が出ることが減っていたので、無意識のうちに油断していたのかもしれない。
「迷惑をかけてしまって、本当にすみませんでした」
「ううん。誰だって嫌なことを思い出したら色々な反応をしてしまうと思う。
…俺だって、未だにあいつらを殺しておけばよかったのか、なんて考えちゃってるから」
彼は笑っていたけれど、心のどこかで泣いているような気がした。
どんな言葉をかけようか考えている間に手を掴まれる。
「先に消毒してもいい?」
「あ、えっと、お願いします」
「ちょっと待っててね」
解けていく蕀さんたちを見つめながら、救急箱を用意してくれている夏彦に感謝と同時に申し訳なさがこみあげてきた。
彼だって決して具合がいい方ではないはずだ。
それなのに、私はいつも迷惑ばかりかけてしまう。
「俺は月見ちゃんに救われたんだ」
「え…」
「月見ちゃんがいなかったら、今頃檻に入っていたのは俺の方だったかもしれない。
だから、本当にありがとう。こんな言葉じゃ足りないくらいずっと思ってる」
「どうして急にそんなことを言ってくれたんですか?」
「自分なんかって考えてそうだったから、かな。月見ちゃん、意外と分かりやすいところがあるから」
それから椅子に座るように言われて指に包帯を巻いてもらう。
すぐに手当てをしてくれたおかげで全然痛くなかった。
「私の方こそ、いつもありがとうございます。他の皆さんもですけど、夏彦の優しさに助けてもらってばかりで…」
「それじゃあお互い様だね」
「そうだといいんですけど…」
そんな話をしていると、突然膝に白猫が飛び乗ってくる。
「ソルト、俺もうちょっと月見ちゃんと話していたいんだけど…駄目?」
その言葉にソルトはにゃあと鳴くばかりで、膝から降りる気配は全くない。
「分かったからそんなに睨まないでよ。それじゃあソルトも一緒に話そう」
その言葉に、今度は満足げに鳴いている。
ふたりで笑いあいながら、楽しい時間を過ごすことができた。
…蕀さんもなんとか回収できたし、今日はこれでよしとしよう。
ずっと我慢していたけれど、どうしても無理そうだ。
この部屋を蔦だらけにするわけにはいかないのに、体が震えてきちんと立てない。
離れないといけないのに、夏彦は私の体を抱きしめてくれた。
「落ち着いて、ゆっくり息を吸って…」
背中をさすってくれる優しさに感謝しながら、大きく深呼吸をする。
少しずつ落ち着いてきたものの、なかなか蕀さんたちが落ち着いてくれない。
指先に鈍い痛みがはしって、少しだけ蔦が伸びてしまった。
「ご、ごめんなさ…」
「大丈夫だよ。ごめんね、嫌なこと思い出しちゃったんでしょ?」
小さく頷いた私の頭を、夏彦は優しく撫でてくれた。
最近こんなふうに蔦が出ることが減っていたので、無意識のうちに油断していたのかもしれない。
「迷惑をかけてしまって、本当にすみませんでした」
「ううん。誰だって嫌なことを思い出したら色々な反応をしてしまうと思う。
…俺だって、未だにあいつらを殺しておけばよかったのか、なんて考えちゃってるから」
彼は笑っていたけれど、心のどこかで泣いているような気がした。
どんな言葉をかけようか考えている間に手を掴まれる。
「先に消毒してもいい?」
「あ、えっと、お願いします」
「ちょっと待っててね」
解けていく蕀さんたちを見つめながら、救急箱を用意してくれている夏彦に感謝と同時に申し訳なさがこみあげてきた。
彼だって決して具合がいい方ではないはずだ。
それなのに、私はいつも迷惑ばかりかけてしまう。
「俺は月見ちゃんに救われたんだ」
「え…」
「月見ちゃんがいなかったら、今頃檻に入っていたのは俺の方だったかもしれない。
だから、本当にありがとう。こんな言葉じゃ足りないくらいずっと思ってる」
「どうして急にそんなことを言ってくれたんですか?」
「自分なんかって考えてそうだったから、かな。月見ちゃん、意外と分かりやすいところがあるから」
それから椅子に座るように言われて指に包帯を巻いてもらう。
すぐに手当てをしてくれたおかげで全然痛くなかった。
「私の方こそ、いつもありがとうございます。他の皆さんもですけど、夏彦の優しさに助けてもらってばかりで…」
「それじゃあお互い様だね」
「そうだといいんですけど…」
そんな話をしていると、突然膝に白猫が飛び乗ってくる。
「ソルト、俺もうちょっと月見ちゃんと話していたいんだけど…駄目?」
その言葉にソルトはにゃあと鳴くばかりで、膝から降りる気配は全くない。
「分かったからそんなに睨まないでよ。それじゃあソルトも一緒に話そう」
その言葉に、今度は満足げに鳴いている。
ふたりで笑いあいながら、楽しい時間を過ごすことができた。
…蕀さんもなんとか回収できたし、今日はこれでよしとしよう。
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