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冬真ルート
第23話
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どうしてそんなことを言うのか分からない。
ただ、何もしない選択肢はなさそうだった。
「…分かりました」
「それじゃあ、好きなカードを選んで」
取り敢えず言われたままカードを選ぶ。
「そのカードは大切に持ってて。それじゃあシャッフルするよ」
じっと見ているけれど、次に何がおこるか予想することはできなかった。
「…それじゃあ、このカードが全部君が選んだカードと同じ模様になってるかどうか確認してね」
「え…?」
私が引いたカードはジョーカーだった。
目の前に広げられた束のカードは、全部同じものになっている。
「…さあ、タネは分かった?」
「すごいです。全然分かりませんでした」
「楽しんでもらえたようでよかった。…それで、何があったの?」
「それは、」
「人に話しておいた方が意外と楽になることもあるんだ。
名前を知りたいとか、そういうわけじゃなくて…単純に、どう困っているのか知りたい」
手品師さんは悪い人ではないみたいだ。
それに、私の蕀さんたちのことを秘密にしてくれた。
そんな人が悪い人だとは思えない。
「蕀さんたちがばっと出る瞬間を見られてしまって…相手を怖がらせたくなかったんです。それに、近くにいたらその人を不幸にしてしまいそうで逃げてしまいました。
それから、嫌われたくないと思ってしまって、上手く話せる自信もないんです」
もし今顔を合わせたとしても、私はただ怖くなってその場から逃げ出してしまうだろう。
そんなの、深く考えなくても分かる。
「君は誰かが自分のせいで傷つくのが怖いみたいだけど、勝手に家を出られたら相手は君がどうなったか心配で怖くなるんじゃないかな?」
「どういう、ことですか?」
「もし君が出ていかれた側だったらどう思う?」
「…寂しいし、悲しいです」
「そういうことだよ。たとえ相手にどんな事情があろうと、寂しいって考えるんじゃないかな?」
手品師さんの言葉にはっとさせられる。
どんなことをしているのか知りたくて、ちゃんと話してほしかったって考ええくれる可能性があることを考えていなかった。
「…もう1度相手と話してみる気になった?」
「手品師さんは、本当に色々なことができるんですね」
「僕はそんなすごいことができるわけじゃないよ」
手品師さんと話しただけで心が軽くなって、不思議ともう少し冬真さんにちゃんと話をしたいと思えた。
「それから、僕はトウカ。冬の香りで冬香っていうんだ。夜会ったとき以外はその名前で呼んでね、蕀姫」
「私は、月見っていうんです」
「そう。それじゃあ夜以外にこうしてただの人として会ったらその名前で呼ぶよ。…またね月見」
「あの…これ、食べてみてもらえませんか…?」
冬香さんは笑って、ありがとうと言ってくれた。
本当はもう少しお礼がしたかったけれど、何か用事があるみたいだ。
戻るのは怖いと不安に思ったものの、話すと約束したんだからやれることからやってみよう。
来た道を辿ろうとした瞬間、後ろから腕を掴まれた。
「…やっと見つけた」
ただ、何もしない選択肢はなさそうだった。
「…分かりました」
「それじゃあ、好きなカードを選んで」
取り敢えず言われたままカードを選ぶ。
「そのカードは大切に持ってて。それじゃあシャッフルするよ」
じっと見ているけれど、次に何がおこるか予想することはできなかった。
「…それじゃあ、このカードが全部君が選んだカードと同じ模様になってるかどうか確認してね」
「え…?」
私が引いたカードはジョーカーだった。
目の前に広げられた束のカードは、全部同じものになっている。
「…さあ、タネは分かった?」
「すごいです。全然分かりませんでした」
「楽しんでもらえたようでよかった。…それで、何があったの?」
「それは、」
「人に話しておいた方が意外と楽になることもあるんだ。
名前を知りたいとか、そういうわけじゃなくて…単純に、どう困っているのか知りたい」
手品師さんは悪い人ではないみたいだ。
それに、私の蕀さんたちのことを秘密にしてくれた。
そんな人が悪い人だとは思えない。
「蕀さんたちがばっと出る瞬間を見られてしまって…相手を怖がらせたくなかったんです。それに、近くにいたらその人を不幸にしてしまいそうで逃げてしまいました。
それから、嫌われたくないと思ってしまって、上手く話せる自信もないんです」
もし今顔を合わせたとしても、私はただ怖くなってその場から逃げ出してしまうだろう。
そんなの、深く考えなくても分かる。
「君は誰かが自分のせいで傷つくのが怖いみたいだけど、勝手に家を出られたら相手は君がどうなったか心配で怖くなるんじゃないかな?」
「どういう、ことですか?」
「もし君が出ていかれた側だったらどう思う?」
「…寂しいし、悲しいです」
「そういうことだよ。たとえ相手にどんな事情があろうと、寂しいって考えるんじゃないかな?」
手品師さんの言葉にはっとさせられる。
どんなことをしているのか知りたくて、ちゃんと話してほしかったって考ええくれる可能性があることを考えていなかった。
「…もう1度相手と話してみる気になった?」
「手品師さんは、本当に色々なことができるんですね」
「僕はそんなすごいことができるわけじゃないよ」
手品師さんと話しただけで心が軽くなって、不思議ともう少し冬真さんにちゃんと話をしたいと思えた。
「それから、僕はトウカ。冬の香りで冬香っていうんだ。夜会ったとき以外はその名前で呼んでね、蕀姫」
「私は、月見っていうんです」
「そう。それじゃあ夜以外にこうしてただの人として会ったらその名前で呼ぶよ。…またね月見」
「あの…これ、食べてみてもらえませんか…?」
冬香さんは笑って、ありがとうと言ってくれた。
本当はもう少しお礼がしたかったけれど、何か用事があるみたいだ。
戻るのは怖いと不安に思ったものの、話すと約束したんだからやれることからやってみよう。
来た道を辿ろうとした瞬間、後ろから腕を掴まれた。
「…やっと見つけた」
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