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冬真ルート
第28話
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「そのまま座ってて」
「え、あ、」
「…掴まって」
足が震えていることに気づかれてしまったのか、冬真が私の体を支えてくれた。
「ごめんなさい」
「僕が困ってたからあんなふうに言ってくれたんでしょ?…ありがとう」
「私は、そんなすごいことは何もしていないので…」
「こういうときは、素直に言葉を受け取っておけばいいと思う。
少なくとも、僕はそう返してもらえた方が嬉しい」
気を遣わせてしまって申し訳なく思っていると、冬真はおかずを温めなおしてくれた。
本当は手伝いたいのに、まだ足が震えて上手く立てない。
「怪我に響く可能性もあるし、そのまま座って待ってて」
「あの、さっきの人にあんなことを言ってしまって…冬真が嫌な思いをすることは増えませんか?」
人と関わってきていない私にとって、対応があれでよかったのか不安になる。
冬真はいつか見たように優しく笑って話をしてくれた。
「僕はあの人のことなんて気にしない。それに、あれだけ言ったらきっと諦めてくれるだろうし…それだけでいいんだ」
「どうして断りたかったのか、訊いてもいいですか?」
少し複雑そうな様子だったけれど、冬真は教えてくれた。
「…基本的に人と関わるのが好きじゃないから。特にああいう自分の損得しか考えてないタイプが苦手で、いつも言いすぎないように気をつけてる」
「だから今回も、言いたいことを我慢したんですか?」
「どこまでなら言っていいか分からないから、爆発しそうなのを堪えてた。
…人から勝手なイメージを持たれるのはすごく面倒だし、あんまり人と関わりたくない」
冬真の心を知る機会があまりなかったから、今この瞬間がすごく嬉しい。
ただ、そう感じる経験をしてきたと思うとなんだか胸が締めつけられる。
私もきっと人と関わるのが上手なわけではないし、寧ろ苦手だけれど、もっと彼のことを知りたいと思った。
「ご飯食べたら、また何か作ろう。気分転換にはなると思うから。それに、秋久さんも来るはずだし」
「ありがとうございます」
「…エプロン、嫌じゃなければそっちにあるの使って」
「いいんですか?」
「僕のお古だけど、それでよければ」
「ありがとうございます」
そんな話をしながらご飯を食べ終わった瞬間、インターホンが鳴らされる。
「今日は早いね」
「ああ。追ってた案件が片づいたから少し時間が空いたんだ。お嬢ちゃんも一緒か?」
「お、おはようございます」
冬真と一緒に食器を片づけて、秋久さんにお茶を出す。
「…美味いな」
「ありがとうございます」
「そういえば、冬真。おまえが探してたものを手に入れた。解析は夏彦に頼んだからもう少し時間がかかるが…」
「大丈夫。見つけてくれてありがとう」
何の話かよく分からなかったものの、冬真にとって嬉しいことがあったのはなんとなく分かる。
ふたりの様子を少し離れた場所で見ながら、飛んできたスノウを腕にとまらせた。
「え、あ、」
「…掴まって」
足が震えていることに気づかれてしまったのか、冬真が私の体を支えてくれた。
「ごめんなさい」
「僕が困ってたからあんなふうに言ってくれたんでしょ?…ありがとう」
「私は、そんなすごいことは何もしていないので…」
「こういうときは、素直に言葉を受け取っておけばいいと思う。
少なくとも、僕はそう返してもらえた方が嬉しい」
気を遣わせてしまって申し訳なく思っていると、冬真はおかずを温めなおしてくれた。
本当は手伝いたいのに、まだ足が震えて上手く立てない。
「怪我に響く可能性もあるし、そのまま座って待ってて」
「あの、さっきの人にあんなことを言ってしまって…冬真が嫌な思いをすることは増えませんか?」
人と関わってきていない私にとって、対応があれでよかったのか不安になる。
冬真はいつか見たように優しく笑って話をしてくれた。
「僕はあの人のことなんて気にしない。それに、あれだけ言ったらきっと諦めてくれるだろうし…それだけでいいんだ」
「どうして断りたかったのか、訊いてもいいですか?」
少し複雑そうな様子だったけれど、冬真は教えてくれた。
「…基本的に人と関わるのが好きじゃないから。特にああいう自分の損得しか考えてないタイプが苦手で、いつも言いすぎないように気をつけてる」
「だから今回も、言いたいことを我慢したんですか?」
「どこまでなら言っていいか分からないから、爆発しそうなのを堪えてた。
…人から勝手なイメージを持たれるのはすごく面倒だし、あんまり人と関わりたくない」
冬真の心を知る機会があまりなかったから、今この瞬間がすごく嬉しい。
ただ、そう感じる経験をしてきたと思うとなんだか胸が締めつけられる。
私もきっと人と関わるのが上手なわけではないし、寧ろ苦手だけれど、もっと彼のことを知りたいと思った。
「ご飯食べたら、また何か作ろう。気分転換にはなると思うから。それに、秋久さんも来るはずだし」
「ありがとうございます」
「…エプロン、嫌じゃなければそっちにあるの使って」
「いいんですか?」
「僕のお古だけど、それでよければ」
「ありがとうございます」
そんな話をしながらご飯を食べ終わった瞬間、インターホンが鳴らされる。
「今日は早いね」
「ああ。追ってた案件が片づいたから少し時間が空いたんだ。お嬢ちゃんも一緒か?」
「お、おはようございます」
冬真と一緒に食器を片づけて、秋久さんにお茶を出す。
「…美味いな」
「ありがとうございます」
「そういえば、冬真。おまえが探してたものを手に入れた。解析は夏彦に頼んだからもう少し時間がかかるが…」
「大丈夫。見つけてくれてありがとう」
何の話かよく分からなかったものの、冬真にとって嬉しいことがあったのはなんとなく分かる。
ふたりの様子を少し離れた場所で見ながら、飛んできたスノウを腕にとまらせた。
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