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秋久ルート
第32話
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それから冬真さんの家に戻って、夕飯の準備を手伝う。
秋久さんが甘栗の側にいる間に、冬真さんに話を聞いてみることにした。
「あ、あの…」
「どうかした?」
「秋久さんは、甘いものが好きですか?」
「一応。…甘くないものならコーヒーゼリーが1番だって言ってた。
あと、最近は蜂蜜たっぷりのパンケーキを食べてるところをよく見る」
冬真さんは何かを察知したのか、細かくレシピまで書いてくれた。
「これでいいはず。材料はここにあるものを好きに使ってくれていいから」
「ありがとうございます」
何に悩んでいるのかを直接訊くのは難しいけれど、せめて元気になれるものを作りたかった。
秋久さんは笑って食べてくれるだろうか。
「お嬢ちゃん、手があいていたら珈琲を淹れてもらってもいいか?」
「す、すぐお持ちします」
冬真さんがいてくれたおかげで夕飯はもうすぐできあがるし、多分秋久さんは今動ける状態じゃない。
トレイにのせて持っていくと、腕のなかですやすやと甘栗が眠っていた。
「悪い。本当は自分で淹れに行くつもりだったんだがな…」
「ここに置いておきますね。…夕飯ももうすぐできあがります」
「ありがとう」
そんな他愛もない話を小声でして、すぐにその場を離れる。
直後、背後から話しかけられた。
「月見ちゃん、まー君の手伝いしてたの?」
「え、えっと…ほとんど冬真さんに作ってもらいました」
「そんなことないと思うけどな…。ちらちら見てたけど、アッキーとも仲良くやってるみたいで安心したよ」
夏彦さんに話しかけられるのは初めてではないけれど、やっぱり後ろから声をかけられるのは緊張する。
「怪我はどんな感じ?」
「これくらい平気です。冬真さんにも秋久さんにも手当てしてもらったので…」
「傷痕、残らないといいね」
その言葉にはどう答えたらいいか分からない。
傷痕が残っても残らなくても、あんまり気にならなかった。
ただ、迷惑さえかけなければそれだけでいい。
「あんた、またつまみ食いでもしにきたの?」
「手伝うことがあったらと思っただけだよ。…まー君冷たい」
「そっちのやつ運んで。この人に重いもの持たせたくないから」
私では力不足ということなのか…そう考えると体が固まってしまう。
様子がおかしかったのか、すかさず夏彦さんが声をかけてくれた。
「まー君は月見ちゃんみたいな可愛い女の子に…ましてや怪我してるのに無理してほしくなかったんだって。本当に言葉足らずだよね」
「…うるさい」
「あの、ありがとうございます」
3人で話しながら手を動かしていると、支度が終わってあとは秋久さんを呼ぶだけになった。
「月見ちゃん、お願いしてもいい?」
「わ、分かりました」
秋久さんがいる部屋の扉をノックすると、ものすごく静かな音で開かれる。
その先では、ものすごく慎重に歩いてきたであろう秋久さんが笑っていた。
「いい香りだな。早速いただかせてもらうとしよう」
秋久さんが甘栗の側にいる間に、冬真さんに話を聞いてみることにした。
「あ、あの…」
「どうかした?」
「秋久さんは、甘いものが好きですか?」
「一応。…甘くないものならコーヒーゼリーが1番だって言ってた。
あと、最近は蜂蜜たっぷりのパンケーキを食べてるところをよく見る」
冬真さんは何かを察知したのか、細かくレシピまで書いてくれた。
「これでいいはず。材料はここにあるものを好きに使ってくれていいから」
「ありがとうございます」
何に悩んでいるのかを直接訊くのは難しいけれど、せめて元気になれるものを作りたかった。
秋久さんは笑って食べてくれるだろうか。
「お嬢ちゃん、手があいていたら珈琲を淹れてもらってもいいか?」
「す、すぐお持ちします」
冬真さんがいてくれたおかげで夕飯はもうすぐできあがるし、多分秋久さんは今動ける状態じゃない。
トレイにのせて持っていくと、腕のなかですやすやと甘栗が眠っていた。
「悪い。本当は自分で淹れに行くつもりだったんだがな…」
「ここに置いておきますね。…夕飯ももうすぐできあがります」
「ありがとう」
そんな他愛もない話を小声でして、すぐにその場を離れる。
直後、背後から話しかけられた。
「月見ちゃん、まー君の手伝いしてたの?」
「え、えっと…ほとんど冬真さんに作ってもらいました」
「そんなことないと思うけどな…。ちらちら見てたけど、アッキーとも仲良くやってるみたいで安心したよ」
夏彦さんに話しかけられるのは初めてではないけれど、やっぱり後ろから声をかけられるのは緊張する。
「怪我はどんな感じ?」
「これくらい平気です。冬真さんにも秋久さんにも手当てしてもらったので…」
「傷痕、残らないといいね」
その言葉にはどう答えたらいいか分からない。
傷痕が残っても残らなくても、あんまり気にならなかった。
ただ、迷惑さえかけなければそれだけでいい。
「あんた、またつまみ食いでもしにきたの?」
「手伝うことがあったらと思っただけだよ。…まー君冷たい」
「そっちのやつ運んで。この人に重いもの持たせたくないから」
私では力不足ということなのか…そう考えると体が固まってしまう。
様子がおかしかったのか、すかさず夏彦さんが声をかけてくれた。
「まー君は月見ちゃんみたいな可愛い女の子に…ましてや怪我してるのに無理してほしくなかったんだって。本当に言葉足らずだよね」
「…うるさい」
「あの、ありがとうございます」
3人で話しながら手を動かしていると、支度が終わってあとは秋久さんを呼ぶだけになった。
「月見ちゃん、お願いしてもいい?」
「わ、分かりました」
秋久さんがいる部屋の扉をノックすると、ものすごく静かな音で開かれる。
その先では、ものすごく慎重に歩いてきたであろう秋久さんが笑っていた。
「いい香りだな。早速いただかせてもらうとしよう」
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