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秋久ルート
第39話
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「綺麗な洋服ですね」
「ぬいぐるみが好きな子で、良くいろいろな洋服を着せて持ち歩いてるんだ。
外に連れて行くと汚しそうだからって気をつけてたんだけど、何かに引っかかったみたいで…直せそう?」
「大丈夫、だと思います」
絶対とは言い切れないけれど、こんなに素敵なものを諦めたくない。
ひたすら無言で針を動かし続けて、なんとか形にすることができた。
「で、できました」
「すごい…売り物だって言われても信じちゃうくらい綺麗!ありがとう。月見にお願いしてよかったよ」
「喜んでいただけてよかったです」
どんな反応がかえってくるか不安だったけれど、花菜の笑顔にほっとした。
「お嬢ちゃん、入っていいか?」
「は、はい」
「悪いな。花菜が急に頼み事して戸惑わなかったか?」
「大丈夫です」
そう答えると、秋久さんは優しく笑いかけてくれた。
「それにしても、随分器用だな。俺が同じことをやろうとしても絶対できない」
「あ、ありがとうございます」
「先輩、月見って本当にすごいんですよ!見ているだけでどんどん完成していって…私じゃきっとできないなあ」
「た、たまたまです」
いつもやっていたからたまたまできただけで、それはきっとすごいことなんかじゃない。
「お嬢ちゃんはもっと自分に自信を持っていいと思うけどな。まあ、急には難しいか」
「どうすればできますか?」
「方法か…それもまた難しい」
秋久さんとのやりとりを、花菜は静かに聞いてくれた。
その後どうしてか微笑んでいたけれど、その理由は分からない。
「そういえば先輩。これ渡すの忘れてました」
「報告書は抜けないように気をつけろ」
「気をつけます。こっちの資料なんですけど、月見にも関係あるかもしれなくて…」
「おい」
秋久さんの低い声が聞こえたけれど、それより花菜の一言に衝撃を受けた。
私が関係あることってどういうことなんだろう。
だんだん体が冷たくなっていくのと同時に、指先だけは熱くなるのを感じる。
……頑張って抑えないと。
「今のは無自覚か?」
「え?あ…ごめん!」
「一旦この話は終わりだ。今日はもう仕事に戻れ。程々にしておけよ?」
「分かりました。…ごめんね月見」
花菜が何か話しているのは分かるのに、どんなことを言っているのか分からない。
どうしたらいいか分からなくて目を閉じると、誰かに抱きしめられた。
「…月見、深呼吸できるか?」
「は、はい…」
「しばらくそのまま…ゆっくり呼吸を繰り返してほしい」
そのまま言われたとおりにしていると、だんだん指先の熱が冷めていく。
目を開けると、申し訳なさそうにしている秋久さんの顔が見えた。
「隠して悪かった。…知られたからにはちゃんと話す」
「ぬいぐるみが好きな子で、良くいろいろな洋服を着せて持ち歩いてるんだ。
外に連れて行くと汚しそうだからって気をつけてたんだけど、何かに引っかかったみたいで…直せそう?」
「大丈夫、だと思います」
絶対とは言い切れないけれど、こんなに素敵なものを諦めたくない。
ひたすら無言で針を動かし続けて、なんとか形にすることができた。
「で、できました」
「すごい…売り物だって言われても信じちゃうくらい綺麗!ありがとう。月見にお願いしてよかったよ」
「喜んでいただけてよかったです」
どんな反応がかえってくるか不安だったけれど、花菜の笑顔にほっとした。
「お嬢ちゃん、入っていいか?」
「は、はい」
「悪いな。花菜が急に頼み事して戸惑わなかったか?」
「大丈夫です」
そう答えると、秋久さんは優しく笑いかけてくれた。
「それにしても、随分器用だな。俺が同じことをやろうとしても絶対できない」
「あ、ありがとうございます」
「先輩、月見って本当にすごいんですよ!見ているだけでどんどん完成していって…私じゃきっとできないなあ」
「た、たまたまです」
いつもやっていたからたまたまできただけで、それはきっとすごいことなんかじゃない。
「お嬢ちゃんはもっと自分に自信を持っていいと思うけどな。まあ、急には難しいか」
「どうすればできますか?」
「方法か…それもまた難しい」
秋久さんとのやりとりを、花菜は静かに聞いてくれた。
その後どうしてか微笑んでいたけれど、その理由は分からない。
「そういえば先輩。これ渡すの忘れてました」
「報告書は抜けないように気をつけろ」
「気をつけます。こっちの資料なんですけど、月見にも関係あるかもしれなくて…」
「おい」
秋久さんの低い声が聞こえたけれど、それより花菜の一言に衝撃を受けた。
私が関係あることってどういうことなんだろう。
だんだん体が冷たくなっていくのと同時に、指先だけは熱くなるのを感じる。
……頑張って抑えないと。
「今のは無自覚か?」
「え?あ…ごめん!」
「一旦この話は終わりだ。今日はもう仕事に戻れ。程々にしておけよ?」
「分かりました。…ごめんね月見」
花菜が何か話しているのは分かるのに、どんなことを言っているのか分からない。
どうしたらいいか分からなくて目を閉じると、誰かに抱きしめられた。
「…月見、深呼吸できるか?」
「は、はい…」
「しばらくそのまま…ゆっくり呼吸を繰り返してほしい」
そのまま言われたとおりにしていると、だんだん指先の熱が冷めていく。
目を開けると、申し訳なさそうにしている秋久さんの顔が見えた。
「隠して悪かった。…知られたからにはちゃんと話す」
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