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冬真ルート
第55話
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「お手伝い、ですか?」
「うん。君の蕀ってどれくらいのことを探知できるの?」
「距離にもよりますが、人が何人いるかとか、どんな気持ちなのかとか…そういうことが多いです」
「…やっぱりすごいね」
冬真は少し複雑そうな顔で一言呟く。
「私は全然すごくないです。蕀さんたちはすごいですけど、私にできることなんて…」
「何もないわけないでしょ?植物と会話するように協力してもらえるのは、君だけの才能だ。
だから、そんなふうに卑下しなくていいんじゃないかな」
冬真は優しくそんな言葉をかけてくれた。
周りが暗くても、その目が温かい色をしていることだけは分かる。
「ありがとうございます」
「…もしまたあいつが動こうとしたら教えてほしい。今はそれだけでいいから、君が嫌じゃなければ引き受けてもらえないかな?」
「私でよければ…頑張ります」
話をしながら歩いているうちに、いつの間にか診療所まで辿り着いている。
どうしようか考えていると、冬真は迷わず私を小さな窓から中に入れてくれた。
「そこのドアを開けて。僕が帰ってきたことにするから」
「分かりました」
中の鍵を開けると、冬真は自然に入ってきた。
その表情はなんだかほっとしているような気がする。
「ん?ああ、帰ったのか」
「ごめん。まさかここまで時間がかかるとは思ってなくて…連絡も遅れた」
秋久さんを相手に、冬真はそれらしい言葉を並べている。
私はそんなふたりをただ見ていることしかできなかった。
「どこ行ってたの、スノウ。探したんだよ」
冬真とスノウは息ぴったりに秋久さんと向かい合って、なんだか納得させているように見えた。
「言いたくないなら追及はしない。ただ、困ったことがあるならすぐに話せ。
俺たちは仲間だろ?仲間っていうのは、そういうときに支えあえるからいるんだ」
「ありがとう。約束する」
冬香さんのことを話せない理由は何だろう。
何かあるんだろうとは思うけれど、単純なものじゃなさそうだ。
「黙っててくれてありがとう」
「いえ…」
「そんなに心配しなくても、僕は大丈夫。それより、君の体が心配だよ」
「私、ですか?」
そっと包帯が巻かれた手に触れて、冬真は心配そうに見つめている。
「あんなふうに蕀を出し続けていたらどうなるんだろうって思うと不安になる。
これ以上傷ついたらどうしようって、嫌でも考えるんだ」
「私は本当に大丈夫です。冬真の傷より早く治ります。だから、冬真にはもっと冬真自身のことを心配してほしいです」
私の言葉に驚いたのか、冬真は何も言わずに立ち尽くす。
彼の漆黒の髪が風に揺れるのと同時に、月明かりだけが照らす部屋で小さく呟いた。
「ありがとう、月見」
「うん。君の蕀ってどれくらいのことを探知できるの?」
「距離にもよりますが、人が何人いるかとか、どんな気持ちなのかとか…そういうことが多いです」
「…やっぱりすごいね」
冬真は少し複雑そうな顔で一言呟く。
「私は全然すごくないです。蕀さんたちはすごいですけど、私にできることなんて…」
「何もないわけないでしょ?植物と会話するように協力してもらえるのは、君だけの才能だ。
だから、そんなふうに卑下しなくていいんじゃないかな」
冬真は優しくそんな言葉をかけてくれた。
周りが暗くても、その目が温かい色をしていることだけは分かる。
「ありがとうございます」
「…もしまたあいつが動こうとしたら教えてほしい。今はそれだけでいいから、君が嫌じゃなければ引き受けてもらえないかな?」
「私でよければ…頑張ります」
話をしながら歩いているうちに、いつの間にか診療所まで辿り着いている。
どうしようか考えていると、冬真は迷わず私を小さな窓から中に入れてくれた。
「そこのドアを開けて。僕が帰ってきたことにするから」
「分かりました」
中の鍵を開けると、冬真は自然に入ってきた。
その表情はなんだかほっとしているような気がする。
「ん?ああ、帰ったのか」
「ごめん。まさかここまで時間がかかるとは思ってなくて…連絡も遅れた」
秋久さんを相手に、冬真はそれらしい言葉を並べている。
私はそんなふたりをただ見ていることしかできなかった。
「どこ行ってたの、スノウ。探したんだよ」
冬真とスノウは息ぴったりに秋久さんと向かい合って、なんだか納得させているように見えた。
「言いたくないなら追及はしない。ただ、困ったことがあるならすぐに話せ。
俺たちは仲間だろ?仲間っていうのは、そういうときに支えあえるからいるんだ」
「ありがとう。約束する」
冬香さんのことを話せない理由は何だろう。
何かあるんだろうとは思うけれど、単純なものじゃなさそうだ。
「黙っててくれてありがとう」
「いえ…」
「そんなに心配しなくても、僕は大丈夫。それより、君の体が心配だよ」
「私、ですか?」
そっと包帯が巻かれた手に触れて、冬真は心配そうに見つめている。
「あんなふうに蕀を出し続けていたらどうなるんだろうって思うと不安になる。
これ以上傷ついたらどうしようって、嫌でも考えるんだ」
「私は本当に大丈夫です。冬真の傷より早く治ります。だから、冬真にはもっと冬真自身のことを心配してほしいです」
私の言葉に驚いたのか、冬真は何も言わずに立ち尽くす。
彼の漆黒の髪が風に揺れるのと同時に、月明かりだけが照らす部屋で小さく呟いた。
「ありがとう、月見」
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