物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

尊い幸福(ハーフヴァンパイアの恋人)

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こんばんは。今日ももらっていい?ごめんね、疲れてるだろうに...。
痛くしないから、動かないでね。
どうしてそんなこと気にするの?って...君が大事だから。
ねえ、今日何かあったでしょ。見ていたら分かるよ。それに...血の色で大体のことは分かるんだ。
当たり?今ハーフでよかったって久しぶりに思った。
ヴァンパイアであるということだけで充分普通じゃない訳だし...って、ごめん!もしかして傷つけるようなこと言っちゃったかな...?
...え、『普通』が分からなくなっちゃった?
確かに君は『普通』じゃない。悪い意味じゃなくて...僕が側にいても、怖がらないから。
それに『普通』の人たちより人に優しいと思う。
初めて出会った日のこと、覚えてる?
ふらふらで倒れそうになってる僕に、君は迷わず手をかしてくれたよね。
あのときだって君は疲れていたはずなのに。
だけど...ずっと頑張ってたら疲れちゃうよね。
『普通』が一番難しいのにね。
今日一日、よく頑張りました。君がずっと一生懸命沢山のことをやってること、僕はちゃんと知ってるから。
たとえ他の人が『普通』を求めていたとしても、僕は『そのまま』の君でいてほしいなって思う。
僕が好きなのは...僕が恋をしたのは、他でもない『今の君』なんだから。
この世界は理不尽なことが多いよね。
何故か真面目に頑張った人の方が理不尽な目に遭うことも多い...。
だけど、いつかそれを沢山の幸せに変えられたらいいなって思うんだ。
僕も『普通』じゃないけど、『普通』じゃないお陰で君に出会えた。独りじゃないんだって思えるようになって...今もこうして一緒にいる。
それが僕にとっては、一番幸せなんだ。
...これじゃ足りないかな?
こうしてぎゅって抱きしめてたら、君の不安も吹き飛ばせないかなって思ったんだけど...あ、やっと笑った。
ずっと無理して笑ってたの、ちゃんと分かってたんだからね。
...僕の前でだけは、絶対我慢なんてしないで。
何があっても護るって誓うから。
嫌なこととか辛かったこととか教えてよ。
それで、僕に辛さや哀しみをちょうだい。
君のことを、ちゃんと支えられるようになりたいから。
今日は取り敢えず寝た方がいいんじゃない?
大丈夫だよ、眠るまでこうしておはなししてるから。
さあ、目を閉じて。僕はあんまり足が痺れたりしないから、こうやって君専用の枕になってるよ。
どうかいい夢が見られますようにって、おまじないもかけてあげる。
...一人にしちゃってごめんね。本当にごめん。
もう君に、寂しい思いはさせないから。
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『普通』が難しいことを、私はよく知っています。
...世界の『普通』だけが正解な訳じゃないと、いつか証明してみたいです。
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