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第12章『深愛』
第62話
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「妹さんと、本当に仲良しなんですね」
《自分で言うのもおかしいかもしれないけど、周りからうざがられるくらいには仲いいです。
ただ、本当にあの彼氏とやらとの関係だけが心配で…》
「素行が気になる、ということですか?」
《はい。なんか信用できなくて…。あと、束縛が激しいように見えたんだ》
男性は不安そうな表情で話を続ける。
《妹からも話は聞いていて、はじめはいい人だと思ったけど、支配欲が強そうな人で困っていると言われた。
もう高校生なんだし、あんまり俺が口を挟んだらいけないとは思ったんだけど…。それで喧嘩になったこともあります》
妹さんの幸せを願いたい気持ちと、相手に対する不信感でぐちゃぐちゃになっているように見える。
《バイト帰りの迎えもしばらく控えてほしいって言われて…。けど、心配になって見に行ったんです。
それから相手ともみ合いになって、気づいたときには…》
そこまで話した男性は、持っていたグラスを大きな音を立てて置く。
「お、お客様…?」
《あのとき、俺、後ろから鉄パイプで殴られて、刺されて……》
「…そうでしたか」
《俺、海帆のところに帰れないんですか?》
「申し訳ありません」
そう答えることしかできない。
男性はただ大切な家族を護りたかっただけだ。
それなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう。
《海帆は無事なんですか?あいつのことだから何もないとは思うけど、あの男に何かされたんじゃ…》
「お客様、心配事があるようでしたらこちらをご覧ください」
氷雨君が男性に鏡を手渡すと、拳を握りしめる少女の姿があった。
『お兄ちゃん…』
『海斗、どうしてこんなことに…』
泣き崩れる母親らしき人物と、無言で立ち尽くすスーツ姿の男性…そして、制服姿の少女。
その近くにいる男は少女に寄り添おうとしたけど、その手はふりはらわれた。
『私、全部分かってるんだから』
『どうしたんだ、海帆。どこの誰かは知らないが、娘が失礼な態度をとって、』
『人殺し』
少女は目に涙を浮かべて、少年に向かってそう叫ぶ。
『なんのこと?』
『お兄ちゃんを殺したのはおまえだ!私が絶対警察に突き出してやる!』
呆然とする家族と、ざわざわと話しはじめる親族たち。
少女は目をこすりながらずっと少年を睨みつけていた。
《海帆、なんで…》
「あなたの妹さんは、犯人についてよく知っているようです。
今も悲しみの渦に呑まれそうになっているのかもしれません」
《俺の想いを届ける方法、ありますか?》
黙ったままの私を一瞥して、氷雨君は男性に優しく声をかける。
「お客様、よろしければ手紙を書いてみませんか?」
《自分で言うのもおかしいかもしれないけど、周りからうざがられるくらいには仲いいです。
ただ、本当にあの彼氏とやらとの関係だけが心配で…》
「素行が気になる、ということですか?」
《はい。なんか信用できなくて…。あと、束縛が激しいように見えたんだ》
男性は不安そうな表情で話を続ける。
《妹からも話は聞いていて、はじめはいい人だと思ったけど、支配欲が強そうな人で困っていると言われた。
もう高校生なんだし、あんまり俺が口を挟んだらいけないとは思ったんだけど…。それで喧嘩になったこともあります》
妹さんの幸せを願いたい気持ちと、相手に対する不信感でぐちゃぐちゃになっているように見える。
《バイト帰りの迎えもしばらく控えてほしいって言われて…。けど、心配になって見に行ったんです。
それから相手ともみ合いになって、気づいたときには…》
そこまで話した男性は、持っていたグラスを大きな音を立てて置く。
「お、お客様…?」
《あのとき、俺、後ろから鉄パイプで殴られて、刺されて……》
「…そうでしたか」
《俺、海帆のところに帰れないんですか?》
「申し訳ありません」
そう答えることしかできない。
男性はただ大切な家族を護りたかっただけだ。
それなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう。
《海帆は無事なんですか?あいつのことだから何もないとは思うけど、あの男に何かされたんじゃ…》
「お客様、心配事があるようでしたらこちらをご覧ください」
氷雨君が男性に鏡を手渡すと、拳を握りしめる少女の姿があった。
『お兄ちゃん…』
『海斗、どうしてこんなことに…』
泣き崩れる母親らしき人物と、無言で立ち尽くすスーツ姿の男性…そして、制服姿の少女。
その近くにいる男は少女に寄り添おうとしたけど、その手はふりはらわれた。
『私、全部分かってるんだから』
『どうしたんだ、海帆。どこの誰かは知らないが、娘が失礼な態度をとって、』
『人殺し』
少女は目に涙を浮かべて、少年に向かってそう叫ぶ。
『なんのこと?』
『お兄ちゃんを殺したのはおまえだ!私が絶対警察に突き出してやる!』
呆然とする家族と、ざわざわと話しはじめる親族たち。
少女は目をこすりながらずっと少年を睨みつけていた。
《海帆、なんで…》
「あなたの妹さんは、犯人についてよく知っているようです。
今も悲しみの渦に呑まれそうになっているのかもしれません」
《俺の想いを届ける方法、ありますか?》
黙ったままの私を一瞥して、氷雨君は男性に優しく声をかける。
「お客様、よろしければ手紙を書いてみませんか?」
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