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休息『年末年始の話』
終業式の話
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「これ、受け取って」
「え…?」
「昨日渡すつもりだったけど、連絡先聞いてなかったから」
終業式後の屋上で、氷雨君から包みを受け取った。
「本当にもらっていいの?開けてもいい?」
「どうぞ」
袋を開けると、中にはラメで流れ星が流れる夜空が描かれているペンダントトップが特徴的なネックレスやマグカップ、猫が刺繍されたハンカチが入っていた。
さらに奥には夜空色のマフラーと手袋が見え隠れしている。
「こんなに沢山…」
「君の好みを知らないから適当に選んだんだ。必要なかったら捨てて」
「私、おばさん以外の人から贈り物をもらったの初めてなんだ。だから、絶対大切にするね。ありがとう。
…あの、私もプレゼント用意したんだけど、受け取ってくれる?」
最近はほとんど夜のバイトに行っていないものの、黄泉行列車のお仕事でお給料がもらえているからちゃんとお金はある。
ちょこちょこ内職はしているし、金銭的には問題ないけどプレゼントなんて選んだことがない。
「私の方こそ、いらなかったら捨てて」
「いや、ありがたく使わせてもらうよ。…考えることは一緒なんだね」
氷雨君はめったに笑わないけど、今は本当に嬉しそうにしてくれている。
私が買ったのもマフラーと手袋で、いつも借りてばかりのハンカチを新品にして返した。
それ以外は、よく使っているを見かけていた新品ノートを入れてある。
「俺も人とプレゼント交換した子はあまりないから、ちょっと楽しい」
「あ、あの…」
「なに?」
「れ、連絡先、受け取ってくれる?」
自分から聞くのは怖くて、それなら自分の連絡先を渡してしまおうと思った。
「えっと、その…好きなときに、連絡してもらえると嬉しいです」
「…相変わらず変わってるね」
腕時計を確認すると、思ったより時間が経っていることに気づく。
「ごめん、もう行かないと」
「あ、うん」
「また今夜」
そのまま走ってバスに飛び乗る。
「おばさん、遅くなって…」
そこで言葉を止めたのは、部屋が飾りつけられていたからだ。
「氷空ちゃん、メリークリスマス」
「ありがとうおはさん。おばさんがいてくれるから頑張れる」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。今日は一緒にご飯を食べましょう。許可をもらったの」
「本当?一応ケーキは持ってきたけど、それ以外は…」
「大丈夫よ。用意しておいたから」
おばさんからのプレゼントは後で開けることにして、私が渡したマスコットを大切そうに抱えている。
「…おばさん」
「どうしたの?」
「いつもありがとう」
「私は、氷空ちゃんが優しい子に育ってくれただけで嬉しいわ。こちらこそありがとう」
ブランケットと大量のタオルもしまってくれて、楽しい時間を過ごす。
またこんなふうに過ごせるように祈りながら、お茶をゆっくり飲み干した。
「え…?」
「昨日渡すつもりだったけど、連絡先聞いてなかったから」
終業式後の屋上で、氷雨君から包みを受け取った。
「本当にもらっていいの?開けてもいい?」
「どうぞ」
袋を開けると、中にはラメで流れ星が流れる夜空が描かれているペンダントトップが特徴的なネックレスやマグカップ、猫が刺繍されたハンカチが入っていた。
さらに奥には夜空色のマフラーと手袋が見え隠れしている。
「こんなに沢山…」
「君の好みを知らないから適当に選んだんだ。必要なかったら捨てて」
「私、おばさん以外の人から贈り物をもらったの初めてなんだ。だから、絶対大切にするね。ありがとう。
…あの、私もプレゼント用意したんだけど、受け取ってくれる?」
最近はほとんど夜のバイトに行っていないものの、黄泉行列車のお仕事でお給料がもらえているからちゃんとお金はある。
ちょこちょこ内職はしているし、金銭的には問題ないけどプレゼントなんて選んだことがない。
「私の方こそ、いらなかったら捨てて」
「いや、ありがたく使わせてもらうよ。…考えることは一緒なんだね」
氷雨君はめったに笑わないけど、今は本当に嬉しそうにしてくれている。
私が買ったのもマフラーと手袋で、いつも借りてばかりのハンカチを新品にして返した。
それ以外は、よく使っているを見かけていた新品ノートを入れてある。
「俺も人とプレゼント交換した子はあまりないから、ちょっと楽しい」
「あ、あの…」
「なに?」
「れ、連絡先、受け取ってくれる?」
自分から聞くのは怖くて、それなら自分の連絡先を渡してしまおうと思った。
「えっと、その…好きなときに、連絡してもらえると嬉しいです」
「…相変わらず変わってるね」
腕時計を確認すると、思ったより時間が経っていることに気づく。
「ごめん、もう行かないと」
「あ、うん」
「また今夜」
そのまま走ってバスに飛び乗る。
「おばさん、遅くなって…」
そこで言葉を止めたのは、部屋が飾りつけられていたからだ。
「氷空ちゃん、メリークリスマス」
「ありがとうおはさん。おばさんがいてくれるから頑張れる」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。今日は一緒にご飯を食べましょう。許可をもらったの」
「本当?一応ケーキは持ってきたけど、それ以外は…」
「大丈夫よ。用意しておいたから」
おばさんからのプレゼントは後で開けることにして、私が渡したマスコットを大切そうに抱えている。
「…おばさん」
「どうしたの?」
「いつもありがとう」
「私は、氷空ちゃんが優しい子に育ってくれただけで嬉しいわ。こちらこそありがとう」
ブランケットと大量のタオルもしまってくれて、楽しい時間を過ごす。
またこんなふうに過ごせるように祈りながら、お茶をゆっくり飲み干した。
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