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お城 sideルナ

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「んぅ…」

「ルナ」

「フェル…」

目を覚ますとフェルがいた。どうやら僕はフェルに抱きしめられて眠って居たらしい。

「着いたよ。王都」

「え?わぁ…凄い」

フェルの膝から降りて外を見ると煌びやかな世界が広がってた。

「ここが今日からルナくんが暮らす場所だよ。私達の家は貴族街にあるんだ」

「貴族街?」

「貴族の家があるとこだよ。そこの中に家があるんだ」

「フェルって本当に凄いんだね」

「いや凄いのは父上だよ。僕はまだ騎士としても半人前だし」

「いやいやフェルは凄いぞ。剣術だってかっこいいしな。私がフェルぐらいの年頃にはまだ称号もなかった」

「フェル、称号あるの?」

「あるにはあるよ。剣聖。ソードマスター」

「え!?」

ソードマスターはこの世界で一番凄い剣術を使う人に贈られる。

ゲームでも初めからソードマスターだけどまさか、十四歳で取ってたなんて…

「そんな凄いもんじゃないよ。それに僕はルナの騎士になりたかったし…」

「フェルは僕の騎士様だよ」

「ありがとう。ルナ」

かっこいい騎士様だ。

「二人とも本当に仲が良いね。昔からそうだけど…」

「あ…ご、ごめんなさい……」

「いいよ。息子たちが可愛いのは見て飽きないし。ルナくんも今日からは私の事を父さんと呼んでいいんだよ?何ならパパでも…」

「父上。気持ち悪いですよ」

フェルは怒った声で言う。ゲームの中だと優しいお父様って感じのフェルのお父様だけど、なんか面白い人だ。

「いやいや、フェル。ルナくんは可愛いだろ?こんな可愛い子に一度でいいからパパと呼ばれてみたい…昔からの私の夢だ」

「夢は夢で置いといてください。ルナ。別に好きな呼び方でいいからね」

「は、はい。じゃあお父様で良いですか?」

「お父様!!なんという素敵な響きだ!ルナくんは本当に可愛いね。純粋で…いい子だ。フェル大切にするんだぞ!」

「言われなくてもしますよ。ルナ…僕の事も可愛く呼んで?」

「え?フェル…」

僕はフェルの名前を呼ぶ。可愛くなんて分からないから、見つめながら…

「本当にもう、可愛いなぁ。ルナ」

耳元で囁かれるとドキドキしてしまう。

「フェルもかっこいいよ」

「大好きだよルナ」

「んぅ...///耳だめ……」

耳元で囁かれると腰がずくんとなる。

そして体の力が抜ける。

それからは大人しく馬車に揺られていたら、馬車が止まった。

フェルに手を握られて馬車から降りると、そこにはお城があった。

「え?」

「ここが僕の家だよ」

「ええ!?」

「緊張しなくて大丈夫だよ。ほらおいで…」

フェルに優しく手を引かれ僕はお城の中に入ったのだった。
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