転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ジェーン

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ドレス

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騎士の誓いを終えた僕とフェルは、社交界の時間までは部屋にある本を読んでいた。

最初は別々に読んでいたけど寂しくなってフェルの傍に行くと同じ本を読む事になった。

フェルの膝に置かれた本を二人でゆっくりと読んでいく。

たったそれだけなのに本当に幸せな時間だ。

すると部屋の扉がノックされた。

「フェル様、ルナ様。社交界の正装をお持ち致しました」

部屋に入って来たのは、騎士の格好をした人。

貴族の屋敷には使いの人がいるからそのうちの一人なのだろう。

「こちらがフェル様のです。こちらがルナ様」

「ありがとう。もうそんな時間なんだね」

「はい。着替えましたら1階のホールへお越しください」

使いの人はそう言って部屋から出る。

そしてフェルが衣装を持ってきてくれた。

フェルのは白の騎士の服で僕のは白のドレス。

「フェル、僕、男だよ?」

「ん?いいんだよ。ルナはそっちが似合うから。後で着替えしてあげるから少し待ってね」

フェルは着ていた服を脱ぎ始める。

鍛えられた体はとても綺麗で、見惚れてしまう。

フェルは真っ白なシャツを着てスボン履いて、最後に上着を着る。

手際が良くて、しかも綺麗な着替え仕草だ。

本当にかっこ良すぎだよ。

そう思っているとフェルが僕の前に来る。

「次はルナの番だよ」

「う、うん」

立ち上がるとフェルは僕が着ていた、シャツとズボンを脱がしてくれる。

そしてドレスを着せてくれる。

白のドレスはロングドレスで、胸元が少し開いていて背中は大きく開いたデザインだ。

「よく似合ってるよ。天使みたい」

「え?」

「それぐらい綺麗で可愛いってこと。髪はこのまま下ろして行こうね。ポニーテールとか編み込みも似合うだろうけどね」

フェルは僕をソファーに座らせて、櫛で髪を梳かしてくれた。

そして髪飾りをつけてくれる。

「これで完成。来て」

手を引かれて鏡の前に連れてこられた。

鏡には花の髪飾りを付け、白のドレスに身を包んだルナがいる。

嫌いなキャラだったのに…凄い可愛いと思う。

「ルナ…」

「ぁ…フェル…ダメ……」

「なんで?僕のものって証付けさせて?」

フェルは僕を後ろから抱きしめ、首を吸う。

髪に隠れるギリギリの所に赤い痕が出来た。

「フェル…は、恥ずかしいよ」

「恥ずかしがらなくていいよ。ルナは僕のものって証だから。髪に隠れるし見えないからね」

「う、うん…」

恥ずかしいけど嬉しい。そう思う。

そして僕とフェルは部屋を出て1階に向かう。

1階に行くと、結構賑わってた。

綺麗なドレスを着た女性が話してたり黒のスーツ姿の男性がいたりする。

フェルは僕の腰を抱き寄せて歩き出す。

「フェル…」

「掴まっててね」

「うん」

ゆっくりと歩き、ソファーの所まで来て座らしてもらう。

なんだか周りの視線が痛い。

「フェル、みんな見てるよ」

「ルナが綺麗だからね。まだ始まるまでは時間あるし、ここに居よう」

「そうだね」

手を握ってフェルにもたれ掛かる。

そしてしばらくはフェルとこうして温かい時間を過ごすことにした。
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