転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ジェーン

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絆の話

男の子

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アクアの事が合ってから2日後。

あの後僕は酷い体調不良に襲われ寝込んでた。

フェルはずっと僕のそばに居てくれて、回復魔法を掛けてくれた。

やっと体調も良くなり、今日から魔法の勉強をする事になってる。

何だかんだと先延ばしになってしまっているからだ。

「出来たよ。ルナ」

「ありがとう」

今日は髪を編み込みにしてもらった。

可愛らしい編み込みが頭の横に出来ている。

すると部屋のドアがノックされた。

こんな朝早くに部屋に来る人は居ない。

僕とフェルは顔を見合わせ、フェルが扉を開ける。

「キミは……」

「え?」

ドアに近づくとそこには体が透けた男の子が居た。歳は僕と同じぐらいだ。

「お願いします…助けて…ください」

「え?」

男の子はフェルを見て、手を結び、お願いする。

「リアを助けて……」

「リア!?と、とりあえず中に入って」

フェルは男の子を中に入れる。

そしてソファーに座らせる。透けてるから通り抜けそうだけど大丈夫だった。

「どうしたの?リアとは知り合い?」

「ぁ…僕…ノルンって言います…リアとは幼なじみです」

リアってあの凄く大きい人だよね?火の魔法使い

「このままだとリアが死んじゃう…助けて…僕のせいで死んじゃうの……」

男の子は涙を流し始める。

「助けるよ。だから何があったか教えて?その体の事もね?」

「ん…」

男の子は頷く。

「僕は奴隷っていう平民より下の階級です。リアのお家に仕えていたんです」

「奴隷…」

奴隷とはゲーム内にいる召使いの人の事を指す。

貴族の御屋敷で暮らす子どもの事だ。

「リアの家族はとても暖かくて、僕とリアはいつの間にか親友になってました。けどある日、リアの甥っ子さんの家族が僕を欲しがったんです」

「それで甥っ子さんの家に行ったの?」

「いいえ。リアのご両親は否定しました。僕はリアと恋人でしたから……ご両親も納得してました。けど僕は拐われて、体を実験されたんです」

「え!?」

実験って……

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あまりのことに胸が痛くなり、僕はフェルの手を握る。

「ルナ…」

「酷いよ…だってノルンくんは悪くないよ」

「そうだね。悪くないよ」

フェルは僕を抱きしめてくれる。

「リアは僕が宿ってることに気付いてくれました。そして僕の肉体を取り戻すって約束してくれました。けど、けど…甥っ子さんがリアを昨日、脅したんです」

「どんな脅し?」

「僕の魂が欲しい。だから剣を渡せ。渡さないならリアの家族を殺すと……」

「酷いよ……」

「ルナ…」

僕は涙が止まらない。

「そんなの酷すぎだよ…ノルンくん悪くない」

フェルは僕の頭を撫でてくれる。

「リアはそんなこと出来ないと怒り、屋敷に乗り込もうとしてます。そんなことしたらリアが死ぬ。嫌なんです。リアが傷つくのは嫌……」

ノルンくんは泣きながらフェルと僕を見る。

「お願いします…リアを助けて…」

「わかった。助けるよ。ちょっと待ってて?ルナ、ちょっと離れていい?ノルンくんと話してて?」

「うん…」

フェルは僕の額にキスをして部屋を出ていく。

部屋には僕とノルンくんだけになる。

「ルナさんとフェルさんはとても仲良しですね」

「そうかな?」

「はい。僕もリアと居たいな……」

ノルンくんは手を結ぶ。

「リア様はかっこいいよね」

「凄くかっこいいんです。僕は上手く想いを伝えれないけど、リアは分かってくれます」

本当に仲良しなのだとわかる。

するとドアが開いてフェルとリア様が入ってきた。

「ノルン!お前、どうして……心配したんだからな!!」

「ごめんなさい。リア……けどリアが死んじゃうから嫌で…」

「たく、だからって副団長巻き込むなよ」

リア様はノルンくんの側に寄る。

「二人ともすみません……」

「いいよ。それよりリア。状況教えて?手を貸したいんだ」

「副団長…わかりました。話します。ノルンは剣に戻れ。疲れただろ?」

「ありがとう。少し眠るね」

ノルンくんは消えてしまう。

「何処から話せば……そうですね。まずは俺の家の事を話しますね」

そしてリア様はソファーに座りゆっくりと話し始める。
自分の家のことを……
そしてノルンくんの秘密を……

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