36 / 108
絆の話
オリジナル sideフェル
しおりを挟むリアとの話が終わり、ルナをリアに任せて僕は父上の元に向かう。
そして訳を話したら直ぐに父上はリアの叔父を調べてくれることになった。
けどまさかこんなストーリーが入って来るとは思わなかった。
これはゲームにはない話だ。だから攻略方法も分からない。
多分、僕がルナを選んだからだ。
フェアリースクイズのストーリはフェルがアクアを選ぶ物語
どうやってもルナを選ぶルートなんてないし、僕達は14歳
多分今頃のフェルはゲーム内だとアクアと婚約してるしルナは発作の苦しみに耐えてる。
だから全く違うストーリーになってる。
言わばこの世界オリジナルのストーリー
だからこの出来事もオリジナルの話だと思う。
「ルナが幸せならそれでいいんだけどね」
小さく呟き、僕は部屋に戻る。
「フェル」
「どうしたの、リア」
部屋に入るとリアが人差し指を口を当てた。
シーという格好だ。
何かと思い近づくとルナとノルンが一緒にベッドで眠ってる。
ノルンは体は透けてるけど、並んで眠っていて可愛い。
「可愛いだろ?ルナが寝たらノルンも現れて寝てしまったんだ」
「こう見たら二人は同じぐらいの背丈なんだね」
「言われてみればそうだな」
ノルンは14歳だから僕らと同い年だ。けどルナもノルンも幼くみえる。
「ノルンは不治の病あるの?」
「ないな。ただ憑依型のやつは一定年齢から体の成長が止まるんだ。ノルンは11の時に拐われたがその時には成長はほとんど止まってた」
「だから幼いのか…」
「不治の病があるやつもそうだろ?体が成長しない。ミルラなんていい例だ」
確かにミルラも幼い。
「しかし、ルナはその不治の病組でも一番幼いな。ノルンより幼くないか?」
「そうかな?まぁ育った環境もあるかも……森の中にいたから」
「人と会わなかったのか?」
「うん。会うとしたら僕ぐらいだったし…」
「それは中々だな……」
だから幼くても仕方ない。
「リア。父上が叔父さんの家を今調べてる。ただ貴族だから隠し方も上手いだろうって」
「そうだろうな。協力ありがとう…感謝してる」
「いいよ。騎士としての当たり前だから。それにルナも納得してるし」
それに二人を放って置くことは出来なかった。
リアは良い騎士だ。それにノルンとは幸せになって貰いたい。
「けどさ、なんでノルンの体なんて欲しがるわけ?」
「いや、叔父が欲しいのはノルン自体だ。ノルンの憑依型の力を研究したいんだろうな」
「憑依型か……」
僕ら魔法使いは主に二種類に分けられる。
攻撃型とサポート型だ。
攻撃型は名の通り剣などに魔法を付与したり攻撃魔法主体。
サポート型は枝分かれしていて、人を強化するのが得意な強化型。
守る力が強い防御型
そして、ノルンみたいな憑依型に分かれている。
ただ、攻撃型の魔法使いがサポート魔法も使えるし、サポート型の子も攻撃魔法が使える。
ただ得意な分野ってだけの分け方。
「憑依型って剣に宿るんだよね?」
「ああ。憑依型の子の力は契約によって初めてその力を発揮するんだ。フェルも剣にキスをするだろ?」
「するけどあれは力の解放だよ。大体がそうでしょ?」
「それと同じだよ。キスにより俺はノルンの力を借りられるんだ」
それは中々にロマンティックだと思う。
「愛がリアを強くするわけか……」
「そ、そうとも言えるな」
リアの顔が赤い。騎士団1の体格の持ち主がまさかそんな反応するなんて驚きだ。
そういやルナってリアの年齢かなり高く見てそう。
実はリアは17歳だ。
180以上身長があるから体格から二十歳には見えるけど違う。
「おい、フェル」
「なに?ぁ...」
いつの間にかベッドのルナとノルンが抱き合って眠っていた。
なんとも可愛い光景だ。
「なぁ、フェル。お前はルナを守れよ。俺みたいにはするな」
「分かってる。剣にも誓ってるよ」
僕は腰に指してる剣を触る。
「まぁ副団長だから心配してないけどな..」
そして僕らは二人が目覚めるまで、騎士団の仕事の中の書類整理に勤しむことにしたのだった。
45
あなたにおすすめの小説
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
説明は初めの方に詰め込んでます。
えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?)
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
5/25
お久しぶりです。
書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる