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絆の話
契約
しおりを挟む「契約の方法はフェルがルナくんの血を飲むこと。少量で大丈夫だから、指を少し切ってそれを飲んだらいいよ」
「わかりました。ルナ、手出して」
「うん...」
僕が手を出すとフェルが僕の指を触る。
「少し痛いよ。我慢してね」
「んっ...っぅ!!」
フェルがナイフを取り出し僕の指の腹を薄く切る。
そして人差し指を口に入れる。
「わっ...っ...」
なんだろ...指を口に入れてるだけなのにドキドキする。
フェルが指を口から離す。
「それで契約は終わりだよ。フェル、魔力を剣に流してみて?」
「わかりました」
フェルは白翼の剣を取り出す。
そしてゆっくりと魔力を込めると、白翼の剣が黄色の光を帯びた。
「黄色?」
「凄い。魔力がかなり増えてる。それにルナの力も混ざってる」
「それが契約の証だよ。特にフェルとルナは同じ魔法属性だから力の増幅もかなりの効果が見込める。フェルの剣が黄色に変わったのはルナの力が混ざったからだよ」
「凄い...ありがとうルナ。僕と契約してくれて...」
「ううん。僕こそありがとう...あれ?」
ふと胸元が暖かくなり、手を当てるとどうやら触媒の指輪が光っているらしい。
取り出すと、銀色の指輪が金色に変わった。
「それも契約の証だね。フェルの魔力を少し受け継いだからルナの触媒の色がフェルの魔法属性の色に変わったんだよ。少しの魔力でも魔法が発動できるし、願いの力の強さで今より強力な魔法が使えるよ」
「ほ、本当に?」
「ただ、ルナは体が弱いから魔力は沢山あってもあまりにも強い魔法はダメ。体が耐えきれないから」
お父様はそう言って僕の頭を撫でる。
あまり強い魔法は使えないけどそれでもフェルに協力できるならなんでもいい。
「それで、ヘムトのことなんだが、奴は認識阻害も使えるのは知っているよね?」
「はい」
「認識阻害という魔法は、魔法書には載ってはいるが膨大な魔力がいるし、発動の仕方すら分からない。だから多分、ヘムトが使ってる認識阻害は、オリジナル」
「願いの力の魔法ということですか?」
するとお父様は首を横に振る
「例え、どんなに強力な魔法使いでも自分の存在を消してなんて願いの魔法は長くは持たない。それぐらい人を隠すという魔法は魔力消費が激しいんだ。良くて3分が限界だ。だからヘムトの場合は何かしらの魔導書の魔法と願い魔法を組み合わせた本人しか使えないオリジナル魔法だと思う」
「オリジナル魔法...」
そんなわけが分からない魔法にどうやって太刀打ちしたらいいか分からない。
「オリジナル魔法なら崩せるよ」
「え?」
「魔法書の中から元となった魔法を探すんだ。魔法には必ず何かしらの弱点がある。魔法書の中には弱点も書かれている。だから...」
「元となった魔法の弱点を突けば...」
お父様はフェルの言葉に頷く。
「認識阻害の魔法は崩れ落ちる」
光が見えた。
そんな気がした。
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