転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ジェーン

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ひび割れた関係

一人ぼっち

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次の日、目が覚めたらフェルは居なかった。

手紙には昼には帰る

とだけ書いてあった。

僕は顔を洗って、フェルから貰ったワンピースを着る。

そして小さな鞄だけを持ち、触媒の指輪を机の上に置いた。

何か手紙を書こうかとも思ったが泣きそうなので辞めた。

外には近衛の方も居ない。そういや今日は騎士の会があると前にフェルが言ってた。だから人は居ないらしい。

誰とも会わずに屋敷の外に出て、門をくぐり、そのまま歩いて街に向かう。

まずは働けるとこ探さないと……

住み込みとかがいいな…

そう思いながら街までの道を歩き、街に着くと沢山の人が居た。

「凄い…」

こんなに賑やかなんて知らなかった。

働くとこ探しは後にして街を見て回ろう。そう思い街を見ていると、ドンッと人とぶつかった。

「あわわ、ご、ごめんなさい!!」

「大丈夫だよ…あれ?泣いてる?」

「あ…」

僕にぶつかって来たのは僕と同い年ぐらいの青髪の男の子だ。

可愛らしい子だ。けど泣いてる。

「大丈夫?」

僕はハンカチを出して男の子に渡す。

すると男の子は、ボロボロと涙を零す。

「ちょ、ちょっと待ってね!とりあえず人の少ないとこに行こう?」

こんな街のど真ん中で泣いたら困ると思い僕は男の子の手を握り、人の居なさそうな広場まで来た。

「ごめんなさい…貴族様…僕どうしたらいいか分からなくて…」

「え?」

とりあえず男の子と一緒にベンチに座る。

「貴族様…ひくっ、僕、ノイって言います。」

「僕はルナだよ」

「ルナ…様…僕、好きな人と喧嘩したんです」

ノイくんは泣きながら何が合ったのかをゆっくり話してくれた。


ノイくんには貴族の幼なじみがいて、二人は恋人。けど恋人さんの家はかなり位が高くて、ノイくんは平民なので絶対一緒になることは不可能だ。

それと不治の病があり、その事も恋人さんには話せてなく、恋人さんの家と不治の病の事で悩みながらデートしてたら、恋人さんに困らせないでと言われ泣きながら街を走っていたというものだった。

「僕が上の空だったから悪いんです。それで彼に何かあった?と聞かれて答えれなくて、そしたら彼を怒らして……」

ノイくんはまた泣き出す。

まるで今の僕みたいだ。僕も同じだ。

話したいのに言えなくて、結局怒らして…

「ノイくん。僕も同じなんだ」

「え?」

「僕にも貴族の恋人がいて、けど怒らして逃げたんだ」

「ルナ様も?けど貴族同士なら……」

僕は首を横に振る。

「僕は平民。ただ彼の力で貴族にして貰えただけ。だからきっと彼は僕の事なんか要らなくなったんだ。足でまといなんだ……」

「そんな事ないです!きっときっとルナ様が居ないと知ったら探しますよ!」

そうだろうか?フェルは今怒ってるから探さない気がする。

けどノイくんの彼氏さんは彼を探すと思う。だから……

「ノイくんは探してくれてるよ。きっと今頃、街の中走り回ってるよ」

「そんな事ないです!僕の恋人はどうせまた始まったぐらいに思って家に帰りますよ」

なんだろ…互いに悲しくなってきた。

「とりあえず、探してるか見に行ってみる?」

「そうですね」

もし探してくれてたら嬉しいね。

そんな会話をして、僕達は街の方に戻ることにした。
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