転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです(修正版)

本当のヒロインは…

夜になり、僕はフェルの膝に座って絵本を読んで貰う。

今読んでるのはお姫様が王様に愛される話。

「フェル。王城にはアクアもいる？」

「アクアは王城に出入りはするよ。あの子は貴族だからね」

「ならフェルはアクアと婚約するの？幼なじみだよね？」

アクアはフェアリースクイズのヒロイン。フェルとは幼なじみだ。

しかも婚約者でもある。

「しないよ。婚約はしない。僕の恋人はルナだけだ。それにあれは親同士が決めた婚約だよ」

「本当に？本当にアクアと婚約しない？」

「しない。それにアクアはルナを虐めるから好きじゃない」

「え？」

アクアってルナのこと虐めるの？

そんなのストーリーには無い。

「熱でそこも忘れちゃったんだね。辛いことだから思い出さなくていいよ。アクアが来ても会わないようにするね。ルナが傷つくの見たくないから」

フェルは僕が熱で記憶喪失になってると思ってる。だから聞いても怪しまれない。

「あと、ルナの部屋は僕と同じ部屋だよ。新しい部屋を父上に頼んだんだ。ルナの髪の毛と同じ真っ白な家具にしてもらったよ」

「え？いいの？お金沢山掛からない？」

「王族ってお金持ちだから大丈夫だよ。家具の買い替えなんて端金じゃないかな？」

そんなにお金があるなんて驚きだ。

けど王城なんて言うお城に住んでるからやっぱりお金持ちなんだろう。

「それとね、アクアの婚約者は僕の弟のルリに頼むから心配しないで」

「フェル、弟いるの？」

それもゲームにはない設定だ。

「いるよ。ルナは会ったこと無かったね。僕と二つ違いで十二歳。今は、勉強で隣国に留学してるんだ。長休みには帰ってくるから紹介するよ」

フェルに弟が居たのは驚いたけど弟さんには感謝だ。

だってフェルをアクアに取られなくて済むから。

「明日が楽しみだな。父上が綺麗なドレス持ってきてくれるからそれに着替えて王城には行こうね。王城では今の服よりもっと可愛い下着とドレス着せてあげる」

「けど、ワンピースとかドレスは女の子のだよ？」

今はワンピースを着てるけど、こういう服は女の子が着るものだと思う。

「ルナはそっちの服の方が似合ってるよ。男の子の服よりね。ドレスとかは嫌？」

「ううん。いやじゃない」

フェルが選んでくれる服は全部好き。

それに着せて貰うのも好きだ。

ただ女の子のは似合わない気がしたけど似合ってるなら嬉しい。

「これからは毎日が楽しみだな」

「僕も楽しみだよ」

綺麗なお城に住めることも、そしてフェルとずっと入れる事も嬉しい。

「ねぇフェル。王城に上がっても、エッチできる？」

「出来るよ。何なら毎日してあげる」

「毎日は死んじゃうよ…」

「僕はルナの体をもっとエッチな体にしたいけどね」

「フェル…は、恥ずかしいよ」

僕はフェルの胸に顔を埋める。

「可愛い。ルナの体調を見ながらするから大丈夫。欲しくなったら言ってね？」

「うん。ちゃんと言うね」

フェルは僕の額と自分の額を合わせる。

「隠し事はしないで？約束だよ」

「しないよ。フェルに全部話すから…」

そして僕達はキスをしたのだった。