公開処女喪失させられた王女は魔力を奪われました

空田かや

文字の大きさ
16 / 47

16 魔力を戻す方法

しおりを挟む
シャルリンテは、クースリューの言葉を理解できずにいた。

「ジャナル様は、サシュナから見返りに大金をもらって一人で逃げる算段ができているの…。さっきそうおっしゃっていた…。王宮から連れ出した時からの計画では…?」

クースリューは、木から枝をボキッと折ると、シャラリと振った。

すると、半透明の、王冠をかむった金髪の紳士と、どこかスーリの面影のある貴婦人がシャルリンテの目の前に現れる…。

「スーリのご両親のアーシュ王とセーラー妃よ…。お二人ともお優しい方だったのに。カルダンテ王のせいで…」

クースリューは木の枝をボッと燃やし、一瞬で灰にする。

すると、二人は悲鳴を上げ、引き裂かれるように消えた…。

「…サシュナは拷問で有名な国。サシュナは新カリストとの交渉のカードに、あなたを使うのでしょうね。一度捕まれば、長く苦しむわ…。ジャナル様はあなたを焼き殺すだけでは飽き足らず、信頼させて…あなたを地獄に突き落とす計画を立てているの……カルダンテ王への憎しみが、あなたに飛び火したのね」

シャルリンテは、そんな衝撃的な話を聞かされても、妙に納得している自分が頭の片隅にいた。

「そうそう…その茶色い瞳もカルダンテ王を思い出すから、嫌だとおっしゃっていたわ…」

そう言われ、シャルリンテはクースリューをじっと見ていた瞳をすぐに地面に向けた…。

スーリがなぜ自分と逃げてくれるのか常に不思議だったから、謎が解けた気がした。

「…それに、1000回あなたを抱けば、あなたに魔力を戻せる事も、魔力を奪った相手をあなたが殺せば魔力が戻る事も…教えてないんでしょう?」

「…1000回…?」

シャルリンテは、初めて聞かされた内容に思わず顔を上げた。

「当のご本人がご存知ないなんて…とんだ箱入り娘ね。カリストの王族の女は魔力を奪った相手に1000回抱かれれば、再び魔力が戻るのよ…。まぁ、避妊魔法を掛けたり…手間でしょうし大変な事は確かね…。仲の良い夫婦にでもならなきゃ、ほとんど不可能な話よね」

遠い記憶を辿たどれば、王族の年を取った女性の中に、結婚をしているはずなのに、魔術を使える者がいた。

いつも、不思議に思っていたが…。

「あと、もう一つの方法は…相手を殺せばいいだけなんだけど…これは相手があなたを愛していないと効き目がないの。だから、これもあなたは無理ね…ジャナル様はあなたを愛していないもの…」

クースリューは自分の長い髪をもてあそび、空を見ながら続けた…。

「私、段々とあなたに同情してきてしまった。あまりにおかわいそうで…」

そして、赤いショールと赤い口紅を魔術で手元にシュッと出す。

「これは…せめてものはなむけです」

「──?」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

処理中です...