檻から抜け出せない

かえねこ

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15 檻から抜け出せない

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「お前は目を離すと、いらぬ虫をつけて・・・」

 正輝は海棠に引っ張られて車に乗せられ、結局マンションに連れ込まれた。
 その間何度も正輝は抵抗したのだが、無駄な努力だった。

「虫って・・・んなことより、お前。勝手に俺のアパート解約しやがったな!」

「ああ、言っただろ。手続きは済ませたって。荷物は既にこっちに運び入れている。
 後で要らないものは処分しろ。これからはここで暮せ。いいな」

「いや、だから俺は愛人なんて御免だ!」
「愛人になるのは嫌か?」
「当たり前だろ、ヤクザと元刑事だぞ。不毛だろうが」

「ヤクザと刑事の身体の関係など珍しくないぞ」
「・・・は?」

「こうやってお互い情報のやり取りをするのさ・・・いわゆるエスだな」
「いや、身体の関係まで持つか?」

 昔から俺達警察はヤクザにスパイを飼っている。
 俺もエスからの情報を四課から貰って薬物を追っていたのだ。

「ヤクザのやり口は身をもって知っただろ?
 私の愛人になれば黄龍会に不利益にならない情報は洩らしてやる。愛人報酬としてな。
 そうすれば、お前が刑事を辞めても元同僚に知らせることが出来るだろ」

 ヤクの取り締まりに躍起になっていた正輝だ。
 刑事を辞めたからといって、関心がなくなるわけではない。
 ならば愛人兼エスになればいいと海棠は言う。

「そんなことして、あんたに何のメリットがあるんだよ」
「せっかく私好みに仕込んだ躰だ。他の男に渡す気はない」
「なっ・・・他の男ってなんだよ。俺だって男に抱かれる趣味はねーぞ」

「さっきいらぬ虫をつけておいて何を言ってる。
 お前はもう、私のオンナだ。それはお前の身体がよく知っているだろ?」

 だから、お仕置きだな。
 なんて言いながら、海棠は正輝をベッドに押し倒した。

「俺は女じゃねぇ」
「前に触らなくても、後ろだけでイケるのに?」
「・・・クッ」
 正輝は男の指摘に悔しくて顔をゆがめる。

「お前の躰はどこもかしこも私のものだよ」
 海棠は正輝の顎を軽く掴んで自分の方を向け、深く口づけた。




「あ、ん・・・あっ、もう・・・いか・・せ」
 後ろからがつがつと穿たれながら、正輝は男に懇願する。

「フ・・・出さなくても、イケるだろ?」
「そ・・・んなっ、も・・・外して、くれ・・・よ」

 正輝の性器の根元にはリングが嵌められ、射精感は募っているのに出せない苦しさに悶えていた。
 今日はまだ一度も出させて貰えていない。

「ん・・・ぁっ、や・・・も・・イカ・・せて」
「もう、他の男に触らせないか?」
「ん、そんな・・の、触ら・・せる・・わけ、が・・・ぁっ、ぁっ」

 沢渡組のチンピラどもに輪姦まわされたのは、不可抗力だった。
 ゲイでもないのに、他の男に抱かれる気はない。

「私のオンナになれ」
「そ・・んな、こと・・・」
「ったく、相変わらず強情だな・・・」
 海棠はなかなかうんと言わない正輝に業を煮やして、ぐいっと正輝の身体ごと上体を起こして後背座位の体勢に持ち込んだ。

「んぁぁぁっ」
 自重で男を深く咥えこみ、正輝が嬌声を洩らす。

「ほら、これでイケるだろ?」
 男は更に正輝の奥深くの壁を抉るようにこじ開けた。

「ヒアァァァッ!」
 その衝撃で正輝の躰がヒクンヒクンと痙攣し、リングをはめられた性器の先端から透明な潮が溢れ出した。

「ふふ・・・ほら、お前はオンナだよ。私だけのオンナだ」
 メスイキの快楽が続いている正輝の内襞の吸い付くような締め上げを楽しみながら、男は正輝に言い聞かせる。

「んんっ・・・ぁ、ぁ」
「もっと、イケ」
 海棠は下から更に激しく突き上げた。

「ンァッ! アッ・・・っ、やっ・・・まっ」
 イキっぱなしの敏感なS字を激しく突かれ、正輝は息も絶え絶えに訴える。

「ンアァァアアッ!」
 男が奥に吐き出した熱い飛沫に感じて正輝は全身を突っ張るようにしてから脱力した。
 それでも身体はヒクヒクと痙攣しっぱなしだ。

「ほら、正輝。これが好きだろう?」
 海棠はくいくいと軽く自分の先端で正輝のS字を刺激してやる。

「んあぁあ! は・・・あん」
 意識を飛ばしかけていたところへ刺激を受けて正輝は身悶え始める。

「正輝・・・ここをどうして欲しい?」
「ん・・・ぁ、ぁ・・・んん、そこ、もっと、もっと・・・中に・・・熱いの・・飲ませて・・」
 熱に浮かされたように正輝は喘いだ。

「いい子だ。沢山飲ませてやろう」
「ひぃあぁぁぁ・・・・」

 満たされてゆく・・・

 正輝は男の熱がお腹の中をめぐり、満たされてゆくのに陶然と酔いしれた。


-----


 翌日、正輝は海棠に再び情事のビデオを見せられた。

 そこに映っていた自分が一度も射精していないのに、女のように快楽を享受して充足感に満たされた表情をしているのに愕然とした。

 そして、それを見た自分が後ろどころかお腹の疼きを感じていることに・・・

 思わずお腹を撫でている正輝を、男は会心の笑みで見ていた。



 もう、見えない檻から抜け出せそうにない。




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 一応、最終回です。

 正輝はとうとう愛人扱い。
 この後、何度もマンションから抜け出しますが、その度に海棠に連れ戻されてます。
 そしてお仕置きが・・・
 海棠もそれを楽しんでいるフシがあります。

 番外編がこの後少しあります。
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