347 / 368
15■ゆらめく月夜☆白樺祭 SIDE:希(了)
4.心配
しおりを挟む
「たっだいまー」
僕が部屋に帰って少しすると、あゆが戻って来た。
食事に行く前とは打って変わって、いつも通りのあゆだ。それに、ご機嫌だ。
「やーうまかったー、ノンあれ食ったことあった? 季節のフルーツタルト、すげえうまいの。あとクッキークリームのアイス」
「あゆ、またデザートばかり食べたの?」
「ちゃんと肉も食ったぞ」
「野菜は?」
「まあまあーたまにはいーじゃん」
「うん、まあ、たまになら」
いつもちゃんと空也先輩が見ててくれるしね。
空也先輩……ふと悲しそうな先輩の顔が浮かんだ。
空也先輩は、あゆのことであんな顔してたん、だよね? でもなんか、あゆはめちゃくちゃ元気なんだけど。
***
結局空也先輩のことをあゆに聞けないまま、あゆと僕はお互いのクラスの出し物のことを話したりして、いつものようにベッドに入った。
「あゆー、あゆ? アラームなりっぱなしだからぁ…」
僕の目覚ましよりも先に、あゆのが鳴り始めた。もちろん、あゆは全く起きる気配がないんだけど。あゆをゆさゆさと揺する。
「ん、んー。くうやぁ…」
あゆ、なんか空也先輩の名前、呼んでる?
「あ!!? いっけね。起きなきゃ」
突然ぱっちりと目を開けたあゆが、のぞき込んでいる僕を見て驚いた顔をした。
「あゆ、今どんな夢見てたの?」
「夢? 見てないよ。なんも」
「ふぅん」
いきなりがばっと飛び起きたのも、目をきょろきょろしてるのも、やっぱりおかしい…。
ほんとは、あゆもなにか悩んでるんだ。空也先輩とのこと…。
そのうえ、あゆは珠希たちが迎えに来るよりも先に、友達と朝ご飯を食べるって言って出て行ってしまった。
あゆ……なにかあるなら僕に話してくれればいいのに。
僕が部屋に帰って少しすると、あゆが戻って来た。
食事に行く前とは打って変わって、いつも通りのあゆだ。それに、ご機嫌だ。
「やーうまかったー、ノンあれ食ったことあった? 季節のフルーツタルト、すげえうまいの。あとクッキークリームのアイス」
「あゆ、またデザートばかり食べたの?」
「ちゃんと肉も食ったぞ」
「野菜は?」
「まあまあーたまにはいーじゃん」
「うん、まあ、たまになら」
いつもちゃんと空也先輩が見ててくれるしね。
空也先輩……ふと悲しそうな先輩の顔が浮かんだ。
空也先輩は、あゆのことであんな顔してたん、だよね? でもなんか、あゆはめちゃくちゃ元気なんだけど。
***
結局空也先輩のことをあゆに聞けないまま、あゆと僕はお互いのクラスの出し物のことを話したりして、いつものようにベッドに入った。
「あゆー、あゆ? アラームなりっぱなしだからぁ…」
僕の目覚ましよりも先に、あゆのが鳴り始めた。もちろん、あゆは全く起きる気配がないんだけど。あゆをゆさゆさと揺する。
「ん、んー。くうやぁ…」
あゆ、なんか空也先輩の名前、呼んでる?
「あ!!? いっけね。起きなきゃ」
突然ぱっちりと目を開けたあゆが、のぞき込んでいる僕を見て驚いた顔をした。
「あゆ、今どんな夢見てたの?」
「夢? 見てないよ。なんも」
「ふぅん」
いきなりがばっと飛び起きたのも、目をきょろきょろしてるのも、やっぱりおかしい…。
ほんとは、あゆもなにか悩んでるんだ。空也先輩とのこと…。
そのうえ、あゆは珠希たちが迎えに来るよりも先に、友達と朝ご飯を食べるって言って出て行ってしまった。
あゆ……なにかあるなら僕に話してくれればいいのに。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
49
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる