図書と保健の秘密きち

梅のお酒

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8 運が悪い(草餅)

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「最後に図書委員」
男子で1人手が上がるが、女子は誰の手も上がらない。しばらくしても手が上がらないため、こちらもじゃんけんで決めることになった。すでに保健委員に決まった私は自席で待機。
遠くから女子たちのじゃんけん大会を見守る。するとあっという間に敗者が決まったようで、ばらばらと自席に戻っていく。
「それでは図書委員は倉田さんおねがいします」
倉田さんじゃんけん負けたんだ、、、遠くから見ても肩を落とすのが見え、なぜかちょっとにやけてしまう。じゃんけんの終わる速さからして、私の時のように決着がついたのだろう。
倉田さんも神様に嫌われているようだ。

そのあとはあっさりとホームルームが終わり、委員会に入った人は指定教室に、入らなかった人は下校となった。
保健委員になった私は秋山と成瀬と軽くしゃべってから、指定された教室へ向かう。
まだ校舎内を全く把握できていないので少し早めに出発した。福徳高校は北校舎と南校舎に分かれていて、まず北から南に行くのに迷う。案の定、着いたのはぎりぎりで私が最後だった。
早めに出発してよかった。
交番の前に立っているのは先ほど保健室でお世話になった男性。
そして隣には私と同じクラスで保健委員になった、誰だっけ?名前は憶えていないが**君が座っている。
初回の保健委員の集会は委員長、副委員長決めと月に一度のトイレ掃除の説明のみだった。
トイレ掃除は月に一回クラス単位でそれぞれ別の階にあるトイレのモップ掛け。ほかにも行事の際は仕事があるらしいが、定期的な仕事はこれだけらしい。
これだけだったらよかった。ほんとにそう思う。
もし人生で一度だけ過去に戻れるのなら今使ってしまいたいぐらい。
なんてったって副委員長になってしまったのだから。
そして副委員長になってしまった私には、ほかにも多くの仕事があるのだから。
経緯としては大体保健委員になった時と同じでじゃんけん。
あれ、今日の星座占いかに座は1位だったような気がするけど、、、
かに座のあなたは運勢最高で運に関係する勝負で負けることはありませんとか言われたような、、、
もしかしたらここにいる人みんなかに座だったりして?
不幸だ、
これからは星座占いを信じるのはやめようと心に誓う。
この時の私は、まさか副委員長になったことでこれからの生活があんなにも慌ただしくなるんて知る由もなかった。

副委員長の私は早速、保健室に召集された。
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