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第三章 毒花令嬢にギャフンと言わせたい!
第二十五話 八年遅れの社交界デビュー5 嫌味の応酬と嫌な観客
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振り返らずに立ち去りたいところだが、注目を集めている。無視するわけにもいかない。ため息をつき振り返る。
そこには、モーガンが着飾った美しい女性を何人も連れて立っていた。
チッ。なんでモーガンがいるんだよ。
反射的にそう思ったが、冷静に考えれば子爵家のお嬢様なら同じ子爵位の家か男爵位でも家業が成功していて裕福な家に嫁がせたいだろう。実家が裕福で独身のモーガンは俺たちと違って本物の招待客だ。しかも将来侯爵家の後継になる可能性が高い男だと吹聴して回っている。お近づきになりたいと思っても仕方ない。今日の招待客の目玉なのだろう。モーガンに向けられるのは俺たちに注がれる奇異なものを見る目とは違う。これ見よがしに侍る女達だけでなく男女問わず媚びたような視線ばかりだ。
マグナレイ侯爵はモーガンじゃなく俺に侯爵家の家督を譲ろうとしているなんて言ったらどうなるだろう。
まぁ、虚言癖を疑われるだけだな。だって俺すら信じていないのだから。
とそこまで一瞬で考えると、クスクスとあからさまに馬鹿にして笑う甲高い声で思考が中断された。
「ネリーネ様お久しぶりですわね」
「あら。お久しぶり。王立学園を卒業して以来ね」
「相変わらず目立つドレスですこと。どこにいても貴方がいると分かりますわね。どんなお店に行けばそんな派手なドレスが売っているのかしら。そんなドレス売っているのなんて見たこともないわ」
モーガンの取り巻きのうちの一人が毒花と知り合いなようだ。ぱっと見は清楚でお淑やかそうな美女は果敢にも毒花相手に絡んできた。
「あら、このドレスは王室御用達の国内最高峰の服飾店に依頼したオート・クチュールのドレスですからどこを探しても売っておりませんわ。貴女のご実家の財力では服飾店の入り口に立つ事すらできないでしょうから、売っているのを見たことないとかおっしゃってしまうのは仕方ないと思いますけど。だからといって最高品質のオートクチュールだと気がつけずに貶める様な発言は見る目がないのを露見させるだけよ。ご自身のためにもお辞めになった方がよろしいんではなくて?」
「……私が言いたいのはそういうことではないわ。相変わらず減らず口ね」
「減らず口? どういうことかしら。貴女がどこで売ってるかなんて聞くから答えただけよ。自分の求める答えがもらえないのは質問の仕方が悪いのよ。それを棚に上げて私を責めるのはお門違いよ? きちんと伝わる質問をしていただきたいわ」
上級貴族の嫌なところを煮詰めたような嫌味の応酬に辟易する。相変わらず毒花はフンフンと鼻を鳴らして顔をしわくちゃにしている。
「やだぁ! こわぁい! ね。モーガン様こんな人放っておいてあちらに行きましょうよ」
美女は自分から毒花に絡んできたくせに、毒花の相手が嫌になったのかモーガンにしなだれかかり助けを求める。
「俺がコイツと話すことがあるからって君を連れてきてしまったから、怖い思いをさせてしまったね」
モーガンがそう言って美女の手を取り慰めている。美女は潤んだ瞳でモーガンを見つめるとかぶりを振った。周りはヒソヒソ話を装って、ここぞとばかりに毒花を非難し始めた。
そこには、モーガンが着飾った美しい女性を何人も連れて立っていた。
チッ。なんでモーガンがいるんだよ。
反射的にそう思ったが、冷静に考えれば子爵家のお嬢様なら同じ子爵位の家か男爵位でも家業が成功していて裕福な家に嫁がせたいだろう。実家が裕福で独身のモーガンは俺たちと違って本物の招待客だ。しかも将来侯爵家の後継になる可能性が高い男だと吹聴して回っている。お近づきになりたいと思っても仕方ない。今日の招待客の目玉なのだろう。モーガンに向けられるのは俺たちに注がれる奇異なものを見る目とは違う。これ見よがしに侍る女達だけでなく男女問わず媚びたような視線ばかりだ。
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まぁ、虚言癖を疑われるだけだな。だって俺すら信じていないのだから。
とそこまで一瞬で考えると、クスクスとあからさまに馬鹿にして笑う甲高い声で思考が中断された。
「ネリーネ様お久しぶりですわね」
「あら。お久しぶり。王立学園を卒業して以来ね」
「相変わらず目立つドレスですこと。どこにいても貴方がいると分かりますわね。どんなお店に行けばそんな派手なドレスが売っているのかしら。そんなドレス売っているのなんて見たこともないわ」
モーガンの取り巻きのうちの一人が毒花と知り合いなようだ。ぱっと見は清楚でお淑やかそうな美女は果敢にも毒花相手に絡んできた。
「あら、このドレスは王室御用達の国内最高峰の服飾店に依頼したオート・クチュールのドレスですからどこを探しても売っておりませんわ。貴女のご実家の財力では服飾店の入り口に立つ事すらできないでしょうから、売っているのを見たことないとかおっしゃってしまうのは仕方ないと思いますけど。だからといって最高品質のオートクチュールだと気がつけずに貶める様な発言は見る目がないのを露見させるだけよ。ご自身のためにもお辞めになった方がよろしいんではなくて?」
「……私が言いたいのはそういうことではないわ。相変わらず減らず口ね」
「減らず口? どういうことかしら。貴女がどこで売ってるかなんて聞くから答えただけよ。自分の求める答えがもらえないのは質問の仕方が悪いのよ。それを棚に上げて私を責めるのはお門違いよ? きちんと伝わる質問をしていただきたいわ」
上級貴族の嫌なところを煮詰めたような嫌味の応酬に辟易する。相変わらず毒花はフンフンと鼻を鳴らして顔をしわくちゃにしている。
「やだぁ! こわぁい! ね。モーガン様こんな人放っておいてあちらに行きましょうよ」
美女は自分から毒花に絡んできたくせに、毒花の相手が嫌になったのかモーガンにしなだれかかり助けを求める。
「俺がコイツと話すことがあるからって君を連れてきてしまったから、怖い思いをさせてしまったね」
モーガンがそう言って美女の手を取り慰めている。美女は潤んだ瞳でモーガンを見つめるとかぶりを振った。周りはヒソヒソ話を装って、ここぞとばかりに毒花を非難し始めた。
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